このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
廃タイヤ

タイヤは再利用できる?リサイクルの実態や身近な活用法を紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年11月28日

車やバイク、自転車など現在の生活には欠かせない交通手段に必須なのがタイヤだ。取り換えや廃車などにより不要となったタイヤはその後どうなっているのか。手段として考えられる再利用について詳しく紹介していく。ぜひ参考にしていただきたい。

  

1. 廃タイヤは再利用できる?

廃タイヤ
結論は、廃タイヤの再利用は可能である。タイヤは燃料として利用価値があることに加え、耐久性にも優れた素材であることから再利用には向いているゴム製品だ。まずは国内における廃タイヤの最新情報を紹介しよう。

国内の廃タイヤの重量は年間100万トン

日本国内における廃タイヤの発生本数は毎年約1億本という数値が出ている。イレギュラーな年となった2020年の年間発生本数は約8,600万本(※1)だ。自動車でいえば、1台につきタイヤは4本利用され、サイズも大きいことが廃棄量を膨大にさせている理由のひとつである。廃タイヤになる時期としては主に、廃車にするときとタイヤ交換をするときがあげられ、その割合は廃車時で1,300万本(13万1,000トン)、タイヤ交換時で7,300万本(80万6,000トン)となっている。合計で93万7,000トンは前年と比較して少なめとはいえ、決して安心はできない数字だ。

国内の廃タイヤのリサイクル率は97%

日本国内の廃タイヤの再利用率は、ほぼ100%に近い数字となっている。しかし、近年では高性能なタイヤが生み出され、廃棄処理の複雑化や適正な処理を行わないことによる環境への問題もある。さらには最終処分施設の場所が確保できなくなっているなど、廃タイヤをめぐってさまざまな問題が深刻になりつつあるのも事実だ。そのほかにも、海外から廃タイヤの切断品を購入する状況が増加傾向にあること、廃タイヤの不法投棄もゼロではないことなども忘れてはいけない問題である。

2. 廃タイヤの再利用の種類

廃タイヤ
廃タイヤの再利用には、さまざまな方法があるのをご存じだろうか。ここでは、廃タイヤを再利用する際の種類や違いを紹介しよう。

リユースリサイクル

廃タイヤをそのまま再利用する方法だ。廃タイヤの中でも程度のよいタイヤは国内や海外でそのまま使用されることもある。バスなどの大型タイヤの場合、タイヤの表面を張り替えれば新品と同様に再生タイヤとして使用できる。遊具として学校や公園に採用されたり、フェンダーとして使用されたりと用途はさまざまだ。

マテリアルリサイクル

廃タイヤに加工を行うことで、別の製品として再利用する方法である。タイヤからスチールコードや強化繊維などを取り除いたのち、合成ゴムを粉末状にする工程が必要だ。そこからさらに不純物を取り除けば、ホースや滑り止めマット、工業用ベルトや歩道塗装剤などにも使用されている。さらには、新幹線のレールに敷いてある路床材などにも騒音防止の材料として再利用されているから驚きだ。

サーマルリサイクル

廃タイヤを燃焼させることで、熱エネルギーとして回収・利用する方法だ。タイヤの約60%は石油から作られた合成ゴムでできているため、燃焼させると比較的安定して高い温度を保てる。廃タイヤは、石炭などの代替燃料として、また、ボイラーなどの燃料としてセメント工場や製紙工場などで活躍が可能だ。

3. 廃タイヤの再利用の実例

サンダル
ここからは、さらに身近で日々の生活でも活躍する廃タイヤの再利用方法を紹介しよう。
マテリアルリサイクルによって加工された廃タイヤを使ったファッションアイテムや、タイヤのチューブを再利用した一点もののバッグや靴など、こだわりのアイテムは必見だ。

バッグ

強度と耐久性のあるチューブは、バッグに必要な特性を自然と兼ね備えている素材だ。はっ水性もバツグンのうえ模様によってデザインが異なるため、再利用には見えない世界にひとつのバッグとなるだろう。

サンダル

廃タイヤをソールに使用した「インドソール」や、サスティナブルファッションブランドとして有名な「エコアルフ」から生まれたタイヤビーチサンダルなど、耐久性に優れた製品がそろっている。

公園のタイヤ遊具

さまざまな大きさのタイヤを使用した巨大なアートとしても注目を集めている。積み上げられたゴジラ像は圧巻だ。滑り台などにも使用されるなど、安全面も確保されたタイヤ遊具も子どもたちに喜ばれるだろう。

椅子

タイヤの素材は重量があり安定感がある。しかも柔らかいという特性を生かし、布を巻きつけて椅子のDIYに挑戦してみるのもおすすめだ。雨風にも強いため、屋外でも活躍するだろう。

アクセサリー

タイヤのゴムから、ネックレスやピアス、ブレスレットなどのアクセサリーも作れる。デザイン性の高いゴムのフォルムに金属を塗り合わせた独特の質感は、ほかには類をみないアイテムとなるだろう。

4. 廃タイヤを再利用してもらうためには?

廃タイヤ
車好きの人ならば、自宅でタイヤ交換をする場合もあるのではないだろうか。廃タイヤは適切な処理が必要になるため、処分方法は知っておかなければならない。最後に廃タイヤを再利用してもらうための方法を4つ紹介しよう。

ガソリンスタンドに持ち込む

気軽に立ち寄れるのがガソリンスタンドである。その際は従業員が常駐しているフルサービスの店舗を選ぼう。カー用品店と同等くらいの料金設定もポイントだ。

自動車販売店に持ち込む

車を購入した店であれば、引き取って再利用してもらえる可能性がある。タイヤ交換の際に引き取る方法が一般的だ。外したタイヤを無料で引き取ってもらえるのも魅力のひとつだろう。

カー用品店に持ち込む

タイヤ交換後の廃タイヤをお願いするなら、タイヤ専門店やカー用品店がおすすめだ。店舗にタイヤを持ち込む必要があるものの、廃タイヤの処分だけお願いすることが可能なため低いコストで済むのも魅力。引き取り可能か事前に問い合わせておくとスムーズだろう。

リサイクル業者に持ち込む

未使用、または製造年数が3年未満のタイヤはリサイクルショップで買い取ってもらえる可能性がある。中古のもので4年や5年、6年以上経過したものは買い手も少ないようだ。ただし、業者の中にはホイール付きであれば、買い取り可能な店もあるので探してみることをおすすめする。

結論

タイヤ業界で有名な「ブリヂストン」は2020年、Soles4Souls Asiaと廃タイヤから新品の靴に再利用するプロジェクトを立ち上げるなど、自社の製品を有効活用に力を入れている。(※2)車のオーナーとなる私たち自身も、改めて日常生活の中で地球環境への意識を高めていくことが必要なのではないだろうか。
(参考文献)
※1:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会The Japan Automobile Tyre Manufacturers Association, Inc.略称)ジャトマ、JATMA
「一般社団法人 日本自動車タイヤ協会 JATMA」
※2:株式会社ブリヂストン「タイヤのリサイクル・再利用 | 資源を大切に使う | 環境 | サステナビリティ | 株式会社ブリヂストン」
インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 更新日:

    2022年11月28日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

人気記事一覧

急上昇
週間

新着記事一覧新着記事一覧