お葬式の服装マナー | 通夜や葬儀に参列する際の身だしなみを解説

まず、男性のお葬式での服装マナーをご紹介する。

略式礼服である喪服を着用するのが一般的なお葬式の服装マナーだ。生地は黒で光沢感のないものが好ましい。上着はシングル、ダブルどちらでも構わないが、パンツは裾がシングルになっているものを着用しよう。ワイシャツは白無地のレギュラーカラーのものを、ベルトは黒の無地でシンプルなデザインのものを選ぶのがマナーである。靴と靴下も黒で揃えて結婚指輪以外のアクセサリーは身につけないようにし、派手なデザインの腕時計は極力避けよう。

男性は何も持たないのが基本だが、バッグを持つ場合には喪服同様に無地の黒で光沢のないものを選ぼう。合皮製品でも問題はないが、派手な金具がついているものは控えた方がよい。男性の髪型は、耳を出した清潔感のあるものが好ましい。前髪が目にかかってしまう場合は短く切るのが理想だが、ほどよい量のワックスなどを使い横に流すなどして、額が見えるようにするといいだろう。

次に、女性のお葬式での服装マナーを見ていこう。

女性の場合、略礼服である喪服を着用するのが一般的なお葬式の服装マナーである。ワンピースやパンツ、アンサンブルのスタイルが基本。露出の高い服装は避けて、スカートは膝からふくらはぎ丈が上品に見えおすすめだ。アクセサリーは真珠が定番だ。「不幸が重なる」ことを連想させてしまうため、2連、3連のネックレスは避けた方がよい。

女性の髪型で重要なのは、焼香時などに髪が邪魔にならないよう結んでおくことである。髪をまとめる際には、黒のヘアゴムで耳より下の位置で結ぶように注意しよう。バレッタやシュシュなどの髪留めを使用する場合は、黒いシンプルなものを選ぶとよい。お葬式の場では、派手なメイクはマナー違反だ。アイシャドーやチークは使用しないようにして、アイラインも濃くなりすぎないよう、自然に仕上げる必要がある。口元は唯一色を添えても問題ない場所であるが、濃い色は避けてナチュラルな色合いのものを選ぼう。また、お葬式は正装する場であるため、ノーメイクはNGである。ネイルにも注意が必要だ。派手なネイルはなるべく落とそう。簡単に落とせない場合は、黒っぽいレースの手袋などで隠すのもいいだろう。

お葬式に子どもを連れて行くこともあるだろう。子どもにもお葬式での服装マナーがあるため、しっかり理解しておこう。

高校生までの学生の場合、制服があれば着用する。制服によっては、色が明るかったりパンツやスカートがチェック柄であったりなど、黒以外の場合もあるが制服自体が正装とされているため問題ない。お葬式の場にふさわしい、校則に従った着こなしをしよう。

未就学児の場合は、保育園や幼稚園に通っていて制服がある場合は、制服を着用する。制服がない場合は、お葬式の場に親が配慮して選んだことが分かる服装であれば問題ない。たとえば、七五三で着たスーツや洋服などが好ましい。なければ白のシャツやポロシャツにジャケットやベスト、カーディガンを羽織らせてもよい。

服装だけではなく、お葬式の必需品である数珠や袱紗、ハンカチにもマナーがある。

それぞれの持ち物ごとにマナーを見ていこう。

【数珠】

数珠は葬儀での焼香の際に片手に持つものだ。自分の宗派の本式数珠があればそれを持って行くとよい。なければ宗教問わず使用できる略式数珠があるといいだろう。基本的に数珠は貸し借りすべきではないといわれているため、できれば自身の数珠を用意しておこう。

【袱紗】

袱紗は不祝儀袋を包むために使用する。色は黒や紺、グレーなどの派手ではないものを選ぶようにしよう。

【ハンカチ】

ハンカチは涙を拭ったり手を拭いたりするための必須アイテムだ。基本的には白または黒の無地のもので、レースや刺繍は控えめであれば問題ない。タオル生地のハンカチはマナー違反ではないが、カジュアルな印象を与えてしまう可能性があるため、綿のハンカチと2枚用意しておくといいだろう。

お葬式の服装マナーにはさまざまなものがある。服装だけではなく、髪型やメイク、持ち物にも注意して失礼のないようにしたい。故人との最後の別れの場であるお葬式。お葬式の服装マナーをきちんと守って見送りをしてほしい。