乾電池から漏れた液の正体は？危険性は？正しい対処方法も解説！

1. 乾電池から漏れた液の正体とは？危険性も解説！

乾電池から漏れた液体をじかに触ったり、ましてや舐めたりすることは決して行ってはいけない。乾電池から漏れた液体は人体に悪い影響を及ぼすからだ。まずは、アルカリ電池とマンガン電池の液体について解説していこう。

「電解液」といい失明や化学やけどなどの危険性がある

乾電池から漏れた液体の正体は「電解液」だ。そもそも乾電池とは、電極（プラスとマイナス）を電解液の中に入れ、固体にしみ込ませたもの。電気が発生するときには、乾電池の中で起こる化学反応によって水素ガスが発生する。この水素ガスが多く発生し乾電池内の圧が高まったとき、乾電池の破裂を防ぐために安全弁から水素ガスが抜けるようになっている。水素ガスが安全弁から抜けると同時に電解液も一緒に漏れ出すという原理だ。電池によって、中に入っている電解液の性質は異なるため覚えておいてほしい。

【アルカリ電池は水酸化カリウム】

アルカリ電池から漏れる電解液は水酸化カリウムが主な成分で、非常に強いアルカリ性を持つ。漏れた液体が目に入ると失明する恐れがあるほか、肌に付いた場合は化学やけどを起す危険がある。液漏れを発見しても直接触れないよう注意しよう。

【マンガン電池は塩化亜鉛水溶液】

マンガン電池に入っている電解液は、炭酸カリウムで弱酸性である。アルカリ電池の電解液に比べると人体への影響は低いが、目や肌に対する腐食性があるため注意が必要である。

2. 乾電池から液が漏れたときの対処方法

乾電池から液体が漏れていた場合、どのように対処したらいいだろうか。ここでは、漏れた液体が皮膚や粘膜に付着したときなどの安全な対処法について説明しよう。

皮膚や粘膜に付着したときの正しい対処方法

万が一電解液が目の粘膜に付着した場合は、擦らずすぐに大量の水で15分以上洗い流すことが必要だ。そのままにしておくと失明や化学やけどを起すことがあるため、自己判断せず医師の診断を受けよう。皮膚に付いてしまった場合も大量の水で洗い流さなければいけない。異常がある場合は医師に相談しよう。

電解液が付着した物の正しい取り扱い・処分方法

電解液が衣服に付いたときは、直接肌に触れないよう注意しながら服を脱ぎ、液体が付いた部分を大量の水で洗い流そう。洗い流したら、洗濯機で通常通り洗濯することが可能だ。残念なことに、衣服によっては変色したり傷んだりする場合がある。

電解液が漏れた乾電池の正しい処分方法

液体が漏れた乾電池を捨てる場合は、住んでいる地域のルールに従って廃棄しよう。乾電池を捨てる場合は、ショートや発熱を防ぐために両端をテープなどで貼り、電極を絶縁してビニールに入れておくと安全だ。その際、ビニール手袋などをして乾電池に直接触れないようにしよう。

3. 乾電池の液漏れを事前に防ぐには？

乾電池を安全に使うために、正しい使用方法と保管方法を知っておく必要がある。普段の習慣と照らし合わせてみてほしい。

保管方法や使用方法を見直す

電解液が漏れる原因の一つは、乾電池を入れた製品のスイッチを切らなかったり、製品を使わない状態で乾電池を入れっぱなしにしたりすることにある。製品を使用した後は必ずスイッチを切り、長い間使用する予定のない物は乾電池を抜いておこう。また、乾電池はプラスとマイナスの向きを正しく挿入することもポイントだ。古い乾電池と新しい乾電池を混ぜて使ったり、種類の違う乾電池を使ったりすると水素ガスが発生しやすくなるので、混ぜないように気を付けよう。

なお、長期間にわたり未使用のまま使用期限が切れた場合は、液漏れを起すことがあるので使用しない方がよい。保管する際は、直射日光・高温多湿を避け、火に近づけたり濡らしたりしないよう大切にしまっておこう。

結論

乾電池から漏れた液体の正体は「電解液」といい、人体に悪い影響を与える危険な液体であることがわかった。直接肌や目に触れることのないよう、取り扱いにはビニール手袋などをして十分に注意してほしい。もし付着した場合は大量の水で洗い流し、医師の診断を仰ぐ必要がある。使用方法をきちんと守って安全に乾電池を使おう。