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同じ用途でも地域差がある!?地⽅の砂糖あれこれ

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

2018年10月 1日

日本で作られる砂糖にはいくつか種類がある。それぞれ地域的な歴史的背景を持っており、材料や製法の違いからその特徴も異なる。高級和菓子にも使われる「和三盆」、ミネラル分の多い「黒糖」、てん菜から作られる「てんさい糖」について解説する。

1. 和三盆

三盆白、和白ともよばれる。徳島県や香川県といった四国地方で古くから生産されている砂糖。やや黄色みをおびた白色無光沢の微細結晶からなり、その上品な甘さときめの細かさから、高級和菓子に用いられることが多い。非常に細やかな粒子と口溶けの良さが特徴的だ。
製法の特徴は,サトウキビの搾り汁を煮つめて加熱濃縮した微結晶粒子の混在する半固形状・半流動状の「白下糖(しろしたとう)」を布袋につめて何個も重ねて「押槽(おしふね)」とよばれる木枠に入れ、水を加えなが圧搾し、糖蜜分を搾り分けることを繰り返す。翌日砂糖をとり出し、「研ぎ槽(とぎふね)」とよばれる長方形のわく台の上で手でよく砕きもみ,少量の水を加えてすり合わせて練り上げ、ふたたび麻袋に入れて圧搾する。和三盆は、このような工程を5、6回繰り返して製造される。
時は江戸時代。8代将軍徳川吉宗が諸藩にサトウキビの苗を配付、栽培を奨励していたが、薩摩藩が黒糖を生産していたほかは成果があがらなかった。その後数十年かけて、四国で砂糖づくりが成功し、産地を付した阿波三盆、讃岐三盆が現在でも有名である。和三盆糖はサトウキビの在来品種である竹糖を原材料にしている。
ちなみに、「和三盆」という名称は、中国から輸入した砂糖を唐三盆とよんだのに対して名付けられた。

2. 黒糖

黒糖は主に沖縄県と鹿児島県の離島で生産される含蜜糖のうち、サトウキビの搾り汁だけを煮沸濃縮以外の加工をせず製品化したものだけを「黒糖」とよぶ。粗糖(砂糖の原料)に糖蜜などを添加して作った外国産の再製糖も近年まで黒糖として売られていたが、原料であるサトウキビは国内では沖縄県と鹿児島県の一部でのみ生産されるため、沖縄県と鹿児島県で作られたもののみ「黒糖」とよぶことができる。
糖度は80%~85%程度で不純物が多いが、一般的に甘みを強く感じる。糖分の他にもミネラルなどを含んでいるため、上白糖などの分蜜糖に比べて栄養価が高く、独特のコクや風味の他に渋みやを感じることもある。
蜜分を多く含むことから白砂糖よりも固まりやすいので、かたまりの状態で販売されているのもよく見かけるだろう。水で溶かした黒砂糖を煮詰めてとろみをもたせたもの、もしくは精糖途中で抽出される糖蜜を「黒蜜」とよび、和菓子の仕上げなどに使う。
サトウキビを黒糖にする工程で土中のボツリヌス菌の芽胞が含まれてしまうことがある。1歳未満の乳児は腸内細菌が未熟なため、芽胞から飛び出したボツリヌス菌によって『乳児ボツリヌス症』とよばれる中毒症状を引き起こす。ボツリヌス菌の芽胞は熱に強いため、加熱したからといって安全ではない。乳児ボツリヌス症は、乳児にハチミツを摂取させた時に起こることで知られているが、黒糖もあえて与えることはしないというのが一般的な見解である。

3. てんさい糖

てんさい糖は、てん菜と呼ばれる植物を原材料とした砂糖である。18世紀になって初めて製糖に成功した、歴史的には比較的新しい原材料の砂糖だ。てん菜は別名「サトウダイコン」とも呼ばれ、見た目は丸くて太い大根のようであるが、実はほうれん草と同じヒユ科(旧アカザ科)の作物である。
てん菜は寒冷地で育つため、日本における生産地は北海道だけである。世界的にでは主に北ヨーロッパで栽培されている。
日本において、てん菜は明治時代になってから本格的に栽培が開始された。それと同時に近代的な製糖工場も建てられ、現在でも栽培収穫されたてん菜は同じ道内で砂糖に加工されている。
てん菜の根の搾り汁をろ過して煮詰めたあと、結晶と糖蜜に分ける。それぞれを乾燥させ、結晶を上白糖・グラニュー糖と、糖蜜部分を「てんさい糖」と呼ぶ製品もある。あるいは、てん菜を原材料とした砂糖全般を「てんさい糖」とする場合もある。
一説には、てん菜は寒冷地で取れるため、てん菜糖は体内を温めてくれる働きがあるといわれ、また、オリゴ糖を含むことから腸内細菌であるビフィズス菌のえさとなって腸内を健康に保つといった健康的効果があるといわれている。

結論

製法の違いや工程によっても砂糖の味や性質は異なる。料理や菓子作りに使う場合でも、黒糖やてんさい糖では味も仕上がりも異なる。ちなみに、日本で一番古く作られた砂糖は黒糖で、沖縄が琉球王国であった時代に中国から製糖法を習得し、現在まで受け継がれている。

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