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和栗の正統派を両親に持つ栗【伊吹】は、まさに栗の世界のサラブレッド

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 平原あさみ(ひらはらあさみ)

2019年7月18日

9月の上~中旬にかけて登場する早生栗のひとつ、「伊吹」。昭和34年に登録された伊吹は、農林省による品種改良によって登場した丹沢に続く第2号である。粒はそれほど大きくないものの、バランスのよさが珍重されて中津川地方で栽培されている。和栗の正統派からその遺伝子を受け継いだ伊吹のその特徴に迫ろう。

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1. 両親ともに正しき血統の栗【伊吹】

戦後の農林省が、害虫から栗を守るために総力を挙げた品種改良。これによって和栗の遺伝子は守られ、栽培に適した品種が登場する。その一つ、伊吹は丹沢に続いて登録された。その血統のよさは折り紙付きである。

銀寄と豊多摩早生を両親に

18世紀の大阪に起源をもつ銀寄と、明治の多摩地方の栗を発祥とする豊多摩早生を両親に持つ栗、それが伊吹である。
まさに、東西の和栗の融合として生まれた伊吹は、丹波栗の主役である銀寄の風格と、8月から収穫が可能で高名となった豊多摩早生のよいところを受け継いでいる。
伊吹はまた、改良を手掛けた農林省の目論見通り害虫に強く、優れた品質の栗として知られてきた。収穫は9月の中旬ごろ、早生栗に分類されている。樹木自体もコンパクトなため、自家栽培にも向いているという。

伊吹の形状

伊吹は、重さが25g前後。甘さ、香りともに中堅どころといった趣である。伊吹のふくよかな下半身や深い褐色は、銀寄に酷似しているといわれている。粒の大きさは25g前後と決して大きくはないが、横に長い形状も銀寄似である。下部とは対照的に、果頂部分はとがっている。
果実の部分は薄い黄色で、粉質である。農研によれば、品質に優れ裂果が少ないというメリットを有している。甘さと香りは「中」程度の評価に落ち着いているが、堅実な品質が何よりのウリである。栗きんとんで有名な岐阜県の中津川や能登地方で、栽培が行われている。

2. 和栗のよさを受け継ぐ伊吹の美味しい食べ方

東西の栗から誕生した伊吹、甘さと香りについてはそこそこの評判である。しかし、優良品質であることが功を奏して栗の名産地でも栽培が行われている。また、保存性に秀でているという特性もある。保存熟成を経たあとの甘さを評価する人も多い。

保存によって生み出される甘味

伊吹の旬は、9月の上~中旬である。伊吹の親となった銀寄は江戸時代からの伝統を誇る和栗であるが、保存がきかないというデメリットがあった。しかし、伊吹は豊多摩早生の遺伝子を濃く受けて保存性に優れている。そして、低温で保管した伊吹は甘さが増すと評判である。能登地方では、低温で40日間ほど保管した伊吹をブランドの能登栗として販売している。

伊吹の選び方や保存方法

伊吹はもともと、害虫がつきにくい栗である。皮に虫の穴が空いているものは少ないかもしれないが、その年の気候にもよるので虫食いには注意が必要だ。元来、美しいつやがある栗なので、皮の照り具合は購入の際の指標になる。
家庭での保管に関しては、ビニール袋などのプラスチック製のものは栗との接触を避けたほうがよい。わずかな水分からカビが発生し、果実部分がカビから逃れてもカビ臭さが栗の香りを全滅させるからである。

3. 粉質の栗、伊吹と相性のよいワイン

伊吹は、粉質の食感が特徴の栗である。しかしこれは、伊吹に限らない。和栗には、粉質の果実をもつものが少なくないのである。甘くて美味とはいえ、口の中に残るこの食感には赤ワインが最適である。
また、伊吹のような粒が大きくない栗は、切れ目だけ入れてオーブンで調理できる焼き栗に向いている。焼き栗には香ばしさがあるために、ボジョレヌーボーや発泡ワインとことのほか相性がよいというのが南欧では通説になっている。あまり高価ではない、リーズナブルなランブルスコなどでも十分美味しいということだ。

結論

由緒正しき東西の栗を交配させて誕生した伊吹は、早生栗として9月には味わうことができる栗である。粒はそれほど大きくないために存在感は地味ながら、害虫に強く保存性に優れた栗として安定した評価をもつ。近年ではほかの品種の華やかさに押されて、生産量は決して多くはない。が、代表的な栗の和菓子「栗きんとん」の故郷中津川では、現在も栽培が続き和栗の伝統を伝えている。
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