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【青皮かぼちゃ】って?普通の黒皮かぼちゃとの違いは?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

2019年7月31日

かぼちゃは日本では江戸時代から食べられており、数百年の歴史があるが、それらは「日本かぼちゃ」と呼ばれる、現在では流通の少なくなった種類だ。現在、かぼちゃの流通量の約9割を占めるのが、西洋かぼちゃである。その始まりの品種とされる「青皮栗かぼちゃ」について紹介したい。

1. 西洋かぼちゃと日本かぼちゃ

かぼちゃの歴史

かぼちゃは、室町時代からすでに食べられていたことがわかっている。日本の在来種と思われがちだが、1541年に大分県に漂着したポルトガル商船からもたらされたのが最初であるといわれている。
以来、ポルトガルやスペインの宣教師によって、イモやトウモロコシなどとともに持ち込まれ、大分県や長崎県などに根付き、全国へ広まっていったとされる。江戸時代には、庶民の人気の味として親しまれていた。砂糖が貴重品だった時代、とくに甘みものとして愛されており、井原西鶴の浮世草子では「とかく女の好むもの芝居浄瑠璃芋蛸南瓜(なんきん)」とあるほどだ。旬の頃にはこぞって手に入れ、各家庭で調理して食べていた。
しかしそれらは、いまでいう日本かぼちゃであった。

日本かぼちゃから西洋かぼちゃへ

明治に入り、いままで食べていたかぼちゃよりも甘い西洋かぼちゃが、アメリカからもたらされたのだ。本来は飼料用であったが、日本で改良されていった。
西洋かぼちゃは甘いだけでなく、カロリーも栄養価も高い。やせた土地、寒い地域でも栽培が可能だったので、瞬く間に広まっていった。とくに東北・北海道と相性がよく、現在でも北海道は日本一のかぼちゃ産出地である。
現在流通し、一般的に多く食べられているのは、この西洋種が根付いて広まった西洋かぼちゃである。

日本に根付いた西洋かぼちゃ

その当時、日本に入ってきたのは、後に、硬すぎて割るのにまさかりが必要である、といわれた、別名まさかりかぼちゃ「ハッパード」、カステラかぼちゃと呼ばれた「デリシャス」など。数種類が導入された。これらの西洋かぼちゃを受けて、いよいよ1934年、宮城県美里町にある渡辺採種場で、日本発初の西洋かぼちゃである「芳香青皮栗」が発表されたのだ。

2. 日本初の西洋かぼちゃ「芳香青皮栗かぼちゃ」

正式な品種名「芳香青皮栗南瓜」(ホウコウアオカワクリカボチャ)だが、別名東京かぼちゃともいわれる。宮城県で作られるが、栽培した農家が東京市場に出荷し、人気を博したことからこのように呼ばれた。これが、日本初の西洋かぼちゃである。

日本初栗かぼちゃ

宮城県にある渡辺採種場で、戦前に「黒い皮のかぼちゃと赤い皮のかぼちゃをかけ合わせてできた」とされる、青緑の食味のいいかぼちゃである。当時のかぼちゃの7割を占めるほどの人気品種となったようだ。
現在の主流である黒皮栗かぼちゃに類するものに比べると、甘みは少ないが、当時の水分量の多いねっとりとした肉質の日本かぼちゃと比べると、甘くてほくほくとした粉質だ。それまでは、みたらしや煮物など、醤油と相性のよかったかぼちゃが、バターなどの西洋食材と合わせて食べられるようになったのである。日本の西洋化と合わさって、日本かぼちゃと全く異なる食感と味わいが日本中に広まっていった。

色形

青みがかった緑色の外皮で、ウリ科特有の縦に走るシワは薄く、少し窪んでいる程度だ。形は扁円形。肉質は水分量の少なめのほくほくとした食感で、粉質である。外皮の緑と、内側の鮮やかな橙色のギャップが美しい。1.2~1.5㎏と、中玉と呼ばれるサイズ感だが、家庭で食べるなら1回分は半分でもよいくらいだ。

固定種

芳香青皮栗はかぼちゃそのものよりも、家庭菜園用の種として販売されているものも多い。栽培が容易であるというのが大きいが、何よりも、芳香青皮栗は「固定種」である。固定種とは、「種をまき、収穫したものからまた種を取ることができる」種である。現在の野菜のほとんどは、F1種といわれる一代限りの雑種である。雑種一代目は、両親のいいところのみを受け継ぐ優等生ができやすい性質を利用した栽培方法で、大量生産には向いているが、二代目以降を想定していないので、そもそも種が取れないものが多い。
だが家庭で楽しむのなら、翌年以降も楽しみがあり、自然な形で栽培ができる固定種がおすすめなのだ。3~4月にかけて種をまき、収穫できるのは約120日後。うまく育てば、一つでも十分に食べ甲斐のあるかぼちゃが収穫できるだろう。

3. 宮城県で栽培される青皮栗かぼちゃ「近成芳香」

近成芳香も、青皮栗かぼちゃの仲間である。同じく宮城県の採種場で育成され、1963年に発表された。
皮の色が緑かかった灰色のかぼちゃで、加熱すると緑色に変わるのが特徴的である。
肉質は鮮やかな黄色で、ほくほくとした粉質。たくさん収穫が期待でき、実の大きさがそろいやすい品種だ。西洋かぼちゃの安定生産にむけて改良された。これは「松島交配」と呼ばれる栽培方法がとられている。
宮城県で育成されているが、松島限定で隔離されて育てられているということだ。これは、受粉を手助けするみつばちの行動範囲が2kmほどであり、海を渡らないという性質を利用したもので、ほかのものと交配し雑種になることを防いでいるのだ。
現在、青皮栗かぼちゃとして分類されるのは、芳香青皮栗と近成芳香の2種類である。

結論

日本初の西洋かぼちゃだけあって、比較的、日本かぼちゃよりの味わいでありながら、西洋かぼちゃのよいところも引き継いでいる。和食にも洋食にも合うのだ。現在、この青皮栗かぼちゃは生産量が少なく、目にする機会もあまりないのが残念である。もし興味があるのなら、家庭菜園で育ててみてはどうだろう。自分で育てたかぼちゃを、洋食でも和食でも楽しむことができ、料理の幅が広がるだろう。
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