1. 子どもと料理を楽しむコツ

キッチンには、包丁や火など、子どもにとって危険なものもたくさんある。だからといって子どもの「やりたい!」を拒んでは、せっかくの成長のチャンスを逃すようなもの。準備と心構えを万全に、一緒に楽しむことが大切だ。
おおらかな覚悟を
子どもなのだから、失敗するし、汚すもの。いつも自分でする料理とはまったく違うということを肝に銘じよう。少しのケガならしょうがない、という気持ちも大事かもしれない。
まずはできることから
「やりたい!」と言ったら、できることを探してみよう。まだ手もとが危なそうな幼児期の子でも、混ぜたり、和えたり、野菜をちぎったり。探せばできることはあるはず。「今度ね」「大きくなったらね」と断っていては、せっかく芽生えた食への興味も薄れてしまう。
事前準備は念入りに
急に「やりたい!」と言ってきたときは難しい場合もあるが、なるべく安心して料理をさせてあげられる環境を整えよう。必ず散らかるので、下に新聞紙を敷くなどの対策は必須。料理しはじめてからはこどもから目を離せないので、道具や材料は出して置く。手でこねる作業がありそうな時は、手をあらうボウルを用意しておく。なども有効だ。
火には十分注意
ガスコンロの火に気をつけることはもちろん。コンロからおろした後のまだ熱い鍋やフタなど、思ってもみないものに触れてやけどをしてしまうこともある。「これ熱いからね~」とひと言しっかり注意しよう。また、火を使う時は人数が少ないほうがいい。みんな競ってやりたがり、事故も発生しやすい。
ありがとうの気持ちで
子どもの手つきはたどたどしく、作業も遅いので、つい「これはやっちゃだめ!」「もっとこうして!」など言いたくなる気持ちもわかる。しかし、叱るような言い方をしてしまうと、次はやりたくなくなってしまう。快くやらせてあげて、最後はちゃんと「ありがとう」を言うこと。
2. 下ごしらえをまかせてみよう

簡単な下ごしらえなら、子どもも手伝いやすい。できそうな作業をお願いしてみよう。
幼児期前半におすすめの下ごしらえ
- 混ぜる
ドレッシングを混ぜる、パンケーキのたねを混ぜる、ハンバーグのたねを混ぜる、など、粘土遊びやお砂場遊びと同じような動きでできる。 - 和える
これも混ぜるに近いので、簡単。酢の物やマリネなど、最初は熱くない料理をやらせてみよう。 - のせる
料理の仕上げの飾り付けやケーキのトッピングなど。味に影響もないので安心。見た目は気にし過ぎず、おおらかに見守ろう。
幼児期後半におすすめの下ごしらえ
- 切る・むく
子ども用の包丁もあるので、心配しすぎず使わせてみよう。猫の手でおさえること、目を離さずゆっくり切ること、この基本さえきちんとわかれば、大きなケガはしないはずだ。まずは切りやすい葉野菜や練り製品などを切ってもらおう。 - 焼く
火を使わないホットプレートなら、温度の調整もでき、こどもでも安心。みんなでテーブルを囲んで焼けば楽しいはず。コンロを使う場合は、つきっきりで見守ろう。
小学生になったら
小学生くらいになると、手もともしっかりして、お手伝いも様になってくる。最後まで一人で任せてみるのも上達のコツだ。近くで見守って、大変そうなところだけは手伝うようにしよう。
3. 親子クッキングにおすすめの料理

下ごしらえは手伝いやすいが、やはり「自分で作った!」という満足感も大事。親子で楽しみながら作れる年齢別におすすめの料理を紹介する。
2歳半~:サンドイッチ
食べやすいロールパンなどと具材を用意して、挟む作業をやってもらおう。具材によってバリエーションもできて楽しいし、自分の手で完成させたという達成感があるはず。
3歳~:ピザ
ピザ生地と具材を用意して、のせるだけ。オーブンや魚焼きグリルに入れるだけなので、焼く間も一緒に待つことができる。食べる時に焼き立てだとだいぶ熱いので、注意しよう。
4歳~:ハンバーグ
生のお肉は食べられないこと、料理の途中で他の物を触ってはいけないことなどが理解できるようになったら、ハンバーグなどにも挑戦。材料をこねて成型するところまでやってもらったら、上手く話して焼く工程は親が担当しよう。
5歳~:お好み焼き
もし包丁が使えそうならキャベツのざく切りもできるかもしれない。包丁が無理でも、卵を割ったり、粉を混ぜたり、できることは多い。ホットプレートを用意して、焼く工程もやらせてみよう。
6歳~:カレーライス
ルーが味をまとめてくれるので、あまり失敗の心配がないカレーはおすすめ。肉は少し切りづらいので、細切れ肉を用意するとよい。最初は一緒に作って、慣れてきたらある程度まかせてみよう。
結論
好き嫌いがある場合も、料理を手伝ってもらったらおいしく食べてくれた、という話も聞く。それに、小さい頃に料理は楽しいと思えれば、大きくなっても喜んでお手伝いしてくれるかもしれない。「食」の大切さを伝えるためにも、「やりたい」気持ちを楽しく伸ばしてあげよう。