目次
- 1. 「お七夜」とは
- 2. お七夜はいつ?数え方を解説
- 3. お七夜では何をする?
- 4. お七夜で記入する「命名書」の書き方
- 5. お七夜にみんなで食べる「祝い膳」とは?
- 6. お七夜には誰を呼ぶ?よくある疑問とその答え
1. 「お七夜」とは

「お七夜」とは赤ちゃんが生まれて7日目の夜のことである。そもそもなんと読むのか、どのような意味があるのかなど、基本的なところからおさらいしておこう。
お七夜の読み方は?
お七夜は「おしちや」と読む。地域によっては「命名式」「名づけの祝い」などと呼ばれることもある。赤ちゃんに名前を付けて家族の一員として迎え入れ、周囲の人にお披露目するといった行事だ。
平安時代に起源を持つ
お七夜は平安時代の行事「産立(うぶだち)の祝い」が起源とされている。産立の祝は生後1日、3日、5日、7日の夜に産神をまつって飲食をするというものであった。
お七夜の目的・意味
医療が充実しておらず栄養に関する知識なども今ほどでなかった昔は、新生児の生存率が低かった。それこそ、生後一週間を無事に過ごせるかが「ひとつの節目」であったという。そのため産立の祝のような行事を開き、7日を無事に越えられるよう願うとともに、7日目を迎えてくれたことを祝っていたのだ。
だが時代の流れとともに少しずつ意味合いも変化し、現代では「赤ちゃんに命名する日」という認識が一般的となった。
2. お七夜はいつ?数え方を解説

「赤ちゃんが生まれて7日目の夜」とお伝えしたが、その「7」の数え方についてきちんと知っておくことも大切だ。
「お七夜」は母子手帳や病院で「生後6日」と表す日の夜である
母子手帳や病院などで赤ちゃんの日齢を数える際、生まれた日を「生後0日」とし、その翌日を「生後1日」と数える。だが赤ちゃんの行事においては数え方が異なるため注意が必要だ。具体的には、赤ちゃんが生まれた日を「生後1日」とする。つまり日本古来の数え方でカウントするというわけだ。
したがってお七夜は母子手帳や病院などで「生後6日」と表す日にあたる。数え方が不安なら周囲の人に聞く、あるいは赤ちゃんのお祝い日を計算するサイトを活用する、といった方法もあるので覚えておこう。
3. お七夜では何をする?

お七夜はどのようなことをする行事なのだろうか?地域や風習などでやや異なる場合もあるかもしれないが、一般的には次のようなことをする。
命名式
書き方について詳しくは後述するが、お七夜では赤ちゃんの名前を決めて紙に書く。いわばお七夜のメインイベントである。
記念撮影
赤ちゃんと、命名式で記入した「命名書」を一緒に写真撮影する。
食事
赤飯や鯛の尾頭付きなどを並べた「祝い膳」を囲んでみんなで食事をする。祝い膳についても詳しく後述する。
手形や足形をとる
こちらは近年増えてきたようだが、絵の具などで赤ちゃんの手形や足形をとるご家庭もある。
4. お七夜で記入する「命名書」の書き方

先ほど紹介したお七夜で「やること」のうち、とりわけ重要なのが「命名式」と「祝い膳」だ。命名式では「命名書」に名前を書くことになるため、正しい書き方を知っておく必要がある。
そもそも「命名書」とは
お七夜は命名式とも呼ばれ、赤ちゃんの名前を紹介する日でもある。法律上は生後14日以内に役所へ届けを出せばよいので、この日までに名前を決める必要はない。だが名前が決まっている状態でお七夜をするのであれば、ぜひ命名書を用意しておこう。
命名書とは赤ちゃんの名前を書くもので、正式には「奉書紙」や「半紙」を使う。だが近年では略式のものを使うことも多く「色紙」や「印刷したもの」などさまざまな種類がある。ベビー用品を扱う店などで見かけるのは、こちらのタイプがほとんどだろう。
命名書は神棚や仏壇にお供えするが、ない場合はベビーベッドなどに貼る。お宮参りの時期(1カ月後)まで飾っておこう。
正式な命名書の書き方
まずは奉書紙を用意し、三つ折りにしてから広げよう。
右の紙
毛筆で中央に大きく「命名」と書く。
真ん中の紙
右側に「保護者の氏名」と「産まれた赤ちゃんの続柄」を小さめに書く。中央に大きく「産まれた赤ちゃんの名前」を書き、左側に「生年月日」を書く。
左の紙
「お七夜をおこなった日付」「命名者の氏名」を書く。
略式の命名書の書き方
略式の命名書の書き方はシンプルだ。一枚の紙になっており、右側に「両親の名前」「続柄」を書く。中央に「命名」と記入し、その下に大きめに「赤ちゃんの名前」を書く。左側に「生年月日+生」と書けば完成だ。
命名書は誰が書く?
もともとお七夜は父方の親が主催する行事であった。そのため赤ちゃんから見て父方の祖父が書くことが多い。だが夫婦だけでお祝いをする場合もあり、そうしたケースでは父親が書くのが一般的だ。とはいえ厳密に「誰が書く」という決まりはないので話し合いで決めるとよいだろう。
5. お七夜にみんなで食べる「祝い膳」とは?

もうひとつ、お七夜で重要な「祝い膳」についても詳しく知っておこう。
「祝い膳」とは?
お七夜では命名を行うと同時に、お七夜を皆で祝うための「祝い膳」を用意し、皆で食事をすることも多い。
祝い膳の内容は?
地域で異なるが「尾頭付きの鯛」と「お赤飯」はどの地域でもメジャーだ。ただし産後は母親の体調がすぐれないこともあるので、オードブルや出前を頼んでもよい。お店によっては、お七夜のためのお弁当や祝い膳セットを用意しているところもある。
6. お七夜には誰を呼ぶ?よくある疑問とその答え

お七夜の基本的なところを解説してきたが、初めてのご家庭はとくに「誰に声をかけるのか」「どちらの家でおこなうべきか」などさまざまな疑問も浮かぶことだろう。せっかくなので、よくある疑問についてもお答えしておこう。
お七夜には誰を呼ぶ?
新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあってか、近年、夫婦だけでお七夜を済ませるケースも増えているという。だが従来、お七夜は誰を呼ばなければならないという決まりはない。呼べるようであれば祖父母などに参加してもらうのもよいだろう。ケースバイケースでOKだ。
お七夜はどちらの家でおこなう?
同じく臨機応変でよい。里帰りした妻がそのまま実家に残っているのであればそこでもよいし、夫婦の自宅でもよい。誰を呼ぶかとあわせて、事前に話し合っておけばトラブルになることはないだろう。
赤ちゃんにはなにを着せればよい?
「お祝い」色を濃くしたいのであれば赤ちゃん用のセレモニードレスやロンパースの袴などがある。しかしとくに正装ではなく普段着のままでもよい。もちろん夫婦など参加者も同様だ。
事前に用意しておくものは?
命名書と筆ペン(または筆)、墨汁と硯、そして祝い膳は必須である。手形や足形をとりたいという場合は絵の具やインク、そして形を残すための半紙または色紙なども準備しておくとよいだろう。
結論
お七夜は赤ちゃんが産まれてから7日目の夜のことであり、赤ちゃんの健やかな成長を祝う行事である。正式な作法や進行なども存在するが、近年は形式よりも気持ちを優先することが多い。堅苦しくなりすぎないように、自分たちらしいスタイルで進めてみてはいかがだろうか?もちろん、赤ちゃんとお母さんの体調を第一に考えることもお忘れなく。
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