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STEM(ステム)教育とは?AI社会の子ども達の必須スキルを育成

STEM(ステム)教育とは?AI社会の子ども達の必須スキルを育成

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2019年10月28日

AI・ロボット・IoTなどのテクノロジーが加速する昨今、教育界の世界的トレンドとも言えるのが「STEM(ステム)教育」である。ここでは、STEM教育の概要、そのメリット、また日本でのSTEM教育の導入事例をわかりやすく解説していく。

  

1. STEM(ステム)教育とは?

「STEM」は、Science(科学)Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4つの頭文字を取ったもので、簡単に言うと「理系の教育分野」を指す。世界的にAI・ロボット・IoTが普及するなか、子ども達の理系教育に今まで以上に力を入れることで国際競争力を高めることが狙いだ。

STEM教育のモデルは、2000年代にアメリカのオバマ大統領が掲げた政策が発端と言われており、すでにイギリスやシンガポールでは導入済みだ。日本でも2020年度から小学校でのプログラミング授業必修化が決定され、STEM教育を取り入れた民間のスクールも徐々に増えている。しかし、まだまだ日本ではSTEM教育が浸透していないのが現状である。

2. STEM教育のメリット

ゲーム感覚で【自ら考える力】が身につく

いよいよ2020年度から小学校でプログラミング授業が始まるが、いきなりC言語などの難しいプログラミング言語を使うわけではない。例えば、文部科学省の公式HPでも紹介されているプログラミングソフト「Scratch(スクラッチ)」をご存知だろうか。このソフトを使うと、小学生でもゲーム感覚で楽しくプログラミング思考を養うことができる。

画面上には猫のキャラクターや図形が表示され、「正多角形をプログラムを使ってかく」「ねこから逃げるプログラムを作る」といったテーマが用意されている。さらに「90度動かす」「~するとはね返る」などの命令がカードのようになっており、命令を選んで組み合わせることでキャラクターや図形が動く仕様だ。

子どもたちは「Scratch」を使ってプログラミングするなかで、創造的に考えることや協調して作業すること、系統立てて論理的に考えることを学んでいく。これらは、子どもたちが21世紀を生きるために欠かすことのできないスキルである。

「Scratch」はあくまで教材のひとつだが、STEM教育では子どもがゲーム感覚で取り組める学習スタイルが主体だ。子ども達が夢中になってテーマに取り組み、試行錯誤することで主体性が生まれ、【自ら考える力】が身についていくのだ。

将来役立つ【問題解決力】の土台に

大人のビジネスの世界では、仕事の本質=問題解決力と言われる。STEM教育は、その問題解決力をつける最も効果的な学習スタイルではないだろうか。なぜなら、STEM教育では、問題解決力の土台となる【試行錯誤】のプロセスが欠かせないからである。自分で考え試行錯誤した先には、結果として失敗や成功体験がついてくる。その経験の積み重ねが問題解決力に直結するのだ。

またSTEM教育ではチームで行うプロジェクト型の授業もある。例えば「観光客に街の魅力に触れてもらう案内の方法を考えよう」「ムダなく電気を使うにはどうしたらいいか考えよう」といったテーマに対し、子ども達がプログラミングソフトを使いながら協力して解決策を考えるのだ。子ども達はさまざまな意見が飛び交う環境で社会性を育み、問題解決力を身につけていく。

3. 日本のSTEM教育事情

日本のSTEM教育は諸外国から遅れを取っていると言われがちだが、それでも少しずつ動きが出ている。例えば文部科学省は、平成14年度から先進的な理系教育を行う高校を「スーパーサイエンスハイスクール」と指定し支援を行っている(SSH事業)。その指定校の数は今や200校を超えているのだ。さらにその取り組みを踏まえて「新学習指導要領」を改定するなどの成果を上げている。プログラミング授業の必修化についてもSTEM教育の一環と言える。

また民間でもSTEM教育が盛んに導入されている。2002年から活動している埼玉大学の「STEM教育研究センター」では、子ども向けにロボットやプログラミングについて学ぶ研究会やワークショップを開催している。さらにIBMやソフトバンクなどの大手企業もSTEM教育の事業に参入し、教育スクールやものづくり授業を展開しているのだ。

ほかにもSTEM教育を取り入れたプログラミング教室やものづくりの体験イベントはここ数年急増しており、小学校に上がる前の幼児向けのプログラムも多い。

結論

STEM教育について重要なポイントに絞って解説した。STEM教育で養われる能力は、これからの時代を生きる子ども達には欠かせないスキルだ。吸収力の高い大事な時期のお子さんのために、ぜひ簡単なものからSTEM教育を取り入れてほしい。いまは教室やワークショップはもちろん、自宅でできる教材などもあり選択肢は豊富にある。お子さんが興味を持って楽しく取り組めるものから始めてみてはいかがだろうか。
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  • 更新日:

    2019年10月28日

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