このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。

IQとHQの違いとは?教育界が注目するHQは、何の知能指数?

投稿者:ライター 長末初音(ながすえはつね)

2019年12月16日

HQという新しい知能指数が提唱されていることをご存知だろうか。HQは脳科学者の澤口俊之氏が提唱しているものだ。そもそもHQとはどのようなものなのか、IQとの違いは何なのか解説する。

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

1. HQとは

澤口氏によると、HQ(Humanity Quotient)とは「人間性知能」という意味であり、脳のなかでも「前頭連合野」と呼ばれる領域が担っている知能のことを指す。

人間には本来、言語、空間認識、論理、数学、音楽、絵画、身体運動、それぞれに関する知能が多重化して備わっている。これら各知能を統括するコントロールセンターの役割を果たすのが「前頭連合野」だということが判明した。

各知能がサッカー選手だとすれば、前頭連合野は監督だ、と澤口氏はいう。各選手の能力がどんなに高くとも、監督が替わるとチームの方向性が大きく変わるように、各知能を前頭連合野が上手に統括できるか否かによって、その人の人生の方向性は大きく変わってしまう、というわけだ。

この前頭連合野の知能=HQは社会生活を送るうえで重要視されていて、HQを向上させるために幼児教育から取り組む方法も提唱されつつある。

2. HQを向上させるメリット

HQ向上のメリットは、なんといっても「生きる力を得られること」だ。

人は、1分後、1時間後、1日後、来年......と未来を見据えて行動する、未来志向的な生き物であるが、これをつかさどるのも前頭連合野である。さらに、さまざまな知能と一緒に、社会性や感情のコントロールもおこなっている。

前頭連合野の力、HQが高まると、将来に対し明確なビジョンを描きやすくなるという。さらに、ぶれない信念や諦めない気概が高まり、他者への配慮やありがたみを感じて行動できるようになる。これらは、まさに「生きる力」だ。教育評論家である尾木直樹氏も「HQが高い人は社会で生きていく能力が高い」と断言する。

澤口氏の調査では、主観的な成功度、幸福度が高ければ高いほどHQが高いことも判明している。一方で、相手の気持ちを汲んだり、困難な状況でもあきらめずに努力できる意思の強さも、HQの高さと関係がある。HQの向上は、人生において自分らしい幸福や、夢の実現へつながるといってもよいだろう。

3. IQとHQの違いとは

「HQは知らなかったけど、IQなら聞いたことがある」という人も多いのではないだろうか。ここでIQとHQの違いを確認してみよう。

HQは前頭連合野の知能を指すのに対し、IQ(Intelligence Quotient)は、「ある人の知能が同年齢の集団のなかで、どこに位置するのか」を指針に、「知能の水準」を表す数値のことを指す。知的障害者の療育手帳取得、就学時の健康診断、学習指導などに利用されている。

厚生労働省によると、IQが指す知能とは、知識や学力に加え、そのときどきの状況や環境に対して合理的に対処できる能力のことだ。「IQが高い」とは、これらの能力が高いということなのだが、そこには未来を見据える力や社会性は含まれていない。そのため、「生きる力」とは直結しにくいと考えられる。

澤口氏によると、学習能力を伸ばしてもHQは伸びないものの、HQが高くなるとIQの向上も見られるという。そのため、人にとってより重要とされる知能は、IQでなくHQといえるかもしれない。

4. なぜいまHQの必要性が叫ばれているのか

いまやIQやEQ(Emotional Intelligence Quotient =心の知能指数)に代わる指数とされるのがHQだ。ところで、なぜいま、その必要性が叫ばれているのだろうか。

脳科学の分野で最重要視されているからというのも理由の1つだが、HQは教育界からも注目されている。

尾木氏によると、日本の教育は世界に遅れをとっている。日本の子どもは、読み・書き・計算など知識を重視した基礎学力は身についているものの、答えが複数あるような問題を不得意としているという。しかし、世界で求められるのは想定外の状況における対応力や発見力、いわば生きる力だ。知識や技能の詰め込み教育では、生きる力を伸ばすことはできない。この点には、尾木氏のように危機感を覚える教育者が多いのである。

HQを提唱する澤口氏も、いままでの学校現場では生きる力につながるHQを伸ばす教育をおこなってこなかったと指摘しており、だからこそ今HQを伸ばす取り組みの必要性が叫ばれているのだ。

結論

夢を叶える力になりうるHQは、幼児期から伸ばすのがもっとも簡単だ、と澤口氏はいう。子どものHQを伸ばすには、 ワーキングメモリを鍛えるのが有効だとされていて、習いごとではピアノも効果的なのだそう。これからの時代は、HQを伸ばす取り組みに目を向けていくのも、親の大切な役割になるのかもしれない。

おすすめ記事おすすめ記事

    ページトップへ ページトップへ