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学校の教室で元気よく手を挙げる子どもたちの写真

「生きる力」とは?文部科学省が公示した新学習指導要領について解説

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年11月29日

本稿では2020年3月に文部科学省が公示した新学習指導要領の「生きる力」について解説する。世の中は今後ますます加速度的に変化していくことが予想される。子どもたちがそうした時代を生き抜いていくために「生きる力」を学校で学ぶ。我々大人も正しく理解しておくことが大切だ。

  

1. 文部科学省が新学習指導要領を公示

問題の答えを考えている中学生くらいの女の子の写真
2020年3月、文部科学省は学習指導要領を改訂し公示した(※1)。まずはその学習指導要領とはどういったものなのか、ごく基本的なところから解説していこう。

学習指導要領とは

全国どこの学校でも教育の一定水準を保てるように、文部科学省が定めるカリキュラムの基準となるのが学習指導要領である。子どもたちが学校で使用する教科書や時間割などはまさに、学習指導要領をもとに作成されている。

10年に1度改訂されている

学習指導要領は、およそ10年に1度のペースで改訂されている。したがって今回の改訂も約10年ぶりで、近年急速に技術革新が進む世界で生きる力を育むことを理念としている。

学習指導要領が改訂される理由

グローバル化、スマートフォンの普及、AIの活用など社会の変化は激しく速い。今後もこの変化の流れはさらに進むであろう。「アメリカでは今後10年、20年かけて現在おこなわれている半数以上の仕事が自動化される可能性が高い」と語る専門家もいる。変化が激しく予測が困難な時代の中で、子どもたちにはそれを受け止め、生きる力をもって立ち向かい、人生を豊かにすることが求められる。

新学習指導要領は「ゆとり」でも「詰め込み」でもない

新しい学習指導要領の教育は「ゆとり教育」でも「詰め込み教育」でもない。基礎的および基本的な知識や技能を習得すると同時に、思考力や判断力、および表現力などを育むことにより、次世代を担う子どもたちに目まぐるしい変化を見せる現代で必要な「生きる力」を身につけてほしいという願いが込められている。(※2)

小中学校の教育内容はどう改善された?

  • 言語力を育む
  • 理数の力を育む
  • 外国語教育の充実
  • 伝統や文化に関する教育の充実
  • 体験活動の充実
  • 道徳教育の充実
  • 健やかな体を育む
  • 社会の進展に対応した教育をおこなう など
一例だが、文部科学省ではこうしたポイントを挙げている。たとえば「言語力を育む」という項目において、国語の時間であれば自分が経験したことを記録したり報告したり、相手を説得するための意見を述べ合うといった活動などをおこなうという。
また算数(数学)の時間であれば、言葉だけでなく数や式、図や表(グラフ)を使って論理的に考え、根拠を示しつつ筋道を立てて説明し伝え合う、といった活動をおこなうという。

新学習指導要領は順次スタートしている

  • 小学校:2020年度〜
  • 中学校:2021年度〜
  • 高等学校:2022年度〜
このように、新学習指導要領は順次スタートしている。なお幼稚園は2018年度にすでにスタートしており(幼稚園教育要領)、特別支援学校は小・中・高等学校の学習指導要領に合わせて実施されている。生きる力を育むために必要とされる小中学校からの外国語教育の導入、小学校のプログラミング教育の必修化などもすでに始まっているところだ。

2. 「生きる力」とは?

地球儀を抱えて微笑む小学生くらいの子どもたちの写真
メインテーマである「生きる力」とは何かについて解説しよう。

「知」「徳」「体」の3本柱

新学習指導要領では、生きる力を「知・徳・体のバランスのとれた力のこと」と表現している。それぞれが何を意味するのか、もう少し深く掘り下げてみよう。

【知とは「確かな学力」】

基礎的な知識・技能を習得し、さまざまな問題に対応できるよう自ら学力を活用し、考え、判断・表現し、解決できるようにすることを目的としている。

【徳とは「豊かな人間性」】

自分を律し、他人を思いやり、協調する心や感動するなどの心を育み、豊かな人間性を育てることを目的としている。

【体とは「健康・体力」】

こちらは非常にシンプルで、たくましく生き抜くために体力をつけ、健康に過ごすことを目的としている。

3. 「生きる力」と「生き抜く力」の違いとは?

足元のカメラを覗き込んで笑う小学生くらいの子どもたちの写真
「生きる力」に似た表現で「生き抜く力」があるが、こちらはどういった意味になるのだろうか?

自ら考えて行動できる力のこと

生き抜く力とは、どのような状況下でも自ら考え、行動できる力のことをいう。生き抜く力は数年前から重要視されており、小中学生の子どもを持つ親御さんの中にも聞いたことがある方は多いだろう。
社会の急速な発展により、子どもたちの未来を予測することは困難となった。学校で生きる力を学んでも、それを社会で生かすのはまた別であり難しい問題である。培った生きる力をもとに、社会で起こるさまざまな問題に対して柔軟に対応できることが求められる。そのためには「生き抜く力」が必要というわけだ。

4. 「生きる力」を伸ばすために家庭でできることとは?

パパやママの料理を手伝う子どもたちの写真
学習指導要領が改訂され、子どもたちは新しい学びを経験していく。だが「生きる力」を身につけるには、学校の指導だけでは不十分である。親御さんの理解と協力は非常に重要な要素となる。

家庭で「生きる力」を育むには?

人間形成の出発点でありもととなるのは「家庭」である。生活習慣を身につけさせるだけでなく、自立心を育んだり心身ともにバランスよく発達させたりなど、学校で生きる力を学ぶための土台を築くことが求められる。
具体的には「毎日朝食を食べる」「お手伝いを習慣にする」「テレビやゲームは時間などのルールを決める」「家族みんながあいさつをする」「学校での出来事などを話す」「子どもからの愛情を受け入れる、また愛情を注ぐ」といったことが挙げられる。いずれも文部科学省のホームページなどからチェックできるので、ぜひこれを機に一度目を通しておいてほしい。

結論

新学習指導要領では「生きる力」を身につけることが最大の目標だ。予測困難な未来を担う子どもたちに、社会ができること、親御さんができることは実はとても多い。小中学生の子どもだけでなく乳幼児であっても、人と人との関わり方は重要だ。子どもたちが生きる力、生き抜く力を育んでいけるように温かく見守り支えていこう。
(参考文献)
※1:平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説):文部科学省
※2:保護者用パンフレット(詳細版):文部科学省
  • 公開日:

    2019年12月14日

  • 更新日:

    2021年11月29日

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