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学習到達度調査(PISA)とは?日本人の子供はパソコンが苦手!?

投稿者:ライター 木下 絵美(きのした えみ)

2020年1月 2日

PISA(ピザ)とはProgramme for International Student Assessmentの略でOECD(経済協力機構)による国際的な学習到達度調査のことである。この調査結果を受けて各国は教育指針の見直しをすることがある。もちろん日本も例外ではない。過去どんな見直しがされ、今後はどのような影響があるのだろうか。PISAの内容と結果についてまとめ、我が子のために整えてあげたい学習環境について考えてみよう。

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1. PISAはいつから誰を対象に行われているのか?

PISAは2000年から始まり、以降3年ごとに実施されている。対象年齢はおおむね各国で義務教育を終える年齢の15歳が対象となっており、日本では高校1年生が対象となる。

年々、PISAへの参加国は増加しており初年度の2000年度は32カ国の参加だったのが、最新データである2015年度では総勢72カ国(OECD加盟国35カ国、非加盟国・地域37カ国)、約54万人の生徒が参加している。日本からは198校6600名が参加した。

PISAの実施に際しては、OECDが運営し、日本では国立教育政策研究所が文部科学省と連携しつつ調査を実施・分析している。

2. PISAではどんな問題が出るのか?

PISAでは読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの3分野に分かれて出題される。

PISA調査は、義務教育修了段階の15歳児が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面でどれだけ活用できるかをみるものであり、特定の学校カリキュラムをどれだけ習得しているかをみるものではない。(国立教育政策研究所「2015年調査 国際結果の要約」より)

そのため、知識を問う問題よりも記述を重視した問題となっている。例えば、どんな問題が出ているのだろうか。科学的リテラシーのみ新規の問題が作成されるので一部公開されている。

2015年のPISAの練習問題では、ランニングによる汗の量と体温の変化のデータがコンピューター操作により読み取れるようになっている。そのデータから分かる選択式の問題と、自分の考えを述べる記述式の問題が出題された。

3. PISAの日本の最新ランキングは?

2015年の最新ランキング

PISAの2018年度の結果は2019年の12月に発表されるので、現時点での最新ランキングは2015年に実施されたものである。

読解力 8位
数学的リテラシー 5位
科学的リテラシー 2位

72カ国中、科学的リテラシーが2位と素晴らしい結果が出ている。他の項目も悪くはない結果と言えるだろう。

PISAショック

では次に過去2000年からの結果を時系列で表示してみよう。(2000年→2003年→2006年→2009年→2012年→2015年)

読解力 8 → 14 → 15 → 8 → 4 → 8
数学的リテラシー 1 → 6 → 10 → 9 → 7 → 5
科学的リテラシー 2 → 2 → 6 → 5 → 4 → 2

こう並べると2003年、2006年、2009年が順位が下がっているのが分かる。これはPISAショックとも呼ばれている。参加国も異なり同条件での結果では無いが、この時期はいわゆるゆとり教育の時期に重なるため、PISAの結果がゆとり教育の見直しを後押しすることになったとも言われている。

4. コンピューターに不慣れな日本の学生が浮き彫りに

先の過去ランキングの順位変移を見ると、2015年度結果において読解力が下がっているのがわかる。これは2015年度よりPISAが筆記型からコンピューター使用型に変更されたことにより、回答方法に不慣れな結果、起きたと分析されている。

実際、現在の日本では自宅にコンピューターがあっても普段はスマートフォンばかり使用し、コンピューターは埃を被っている家庭も多いのではないだろうか。

PISAでは家庭環境に関するアンケートにも答える。その中で「家庭にコンピューターは何台ありますか?」という問いに対し、3台以上と答えた順に並べた結果、日本は53位とかなり低い位置にあるといえる。

コンピューターが無いと答えた家庭の順位も日本は24位であり、23位以上はインドネシア、ベトナム、メキシコ、ペルーなど日本と比べると低所得の国ばかりであり、コンピューターが家庭において重要視されていないことがわかる。

反対にスマートフォンの普及に関しては3台以上持っている家庭順で9位に上がる。プログラミングの重要性が取り上げられている昨今にこの結果は逆行するものであり、この点に関しては文部科学省も問題視している。

2015年のPISAの結果を受け、当時の文部科学大臣である松野氏は次のようにコメントしている。(一部抜粋)

「文部科学省としては、児童生徒の学力を引き続き維持・向上を図るため、(中略)
時代の変化に対応した新しい教育に取り組むことができる「次世代の学校」指導体制の実現に必要な教職員定数の充実を推進してまいります。」

おおむねPISAの結果に満足しながらも、コンピューターを使用しての問題などの新しい変化にも対応できる力を養えるような指導を今後取り組むという方針を示した。

結論

PISAというあまり聞き慣れない単語に接し、親として何ができるのかを考えた時に子どもの能力を引き出すための環境づくりが挙げられるだろう。2015年度のPISAの調査結果から、日本ではコンピューターが子どもたちからは遠い存在であることが浮き彫りになった。まずは自宅で子どもと一緒にコンピューターを使って好きなものの検索でもいい、身近な存在にしてあげることがコンピューター社会への一歩に繋がる。検索程度ならスマートフォンでも十分な上にSNSをするなら更に都合がいい。しかしながら、書類作りやプログラミングなど社会に出てから使用するのはまだまだコンピューターが主流であることを忘れてはいけない。
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