1. 「いないいないばあ」が成し遂げた3つの「日本初」
1926年、東京で生を受け、作家である坪田譲治氏に師事した松谷みよ子さんは、1967年に童心社より「いないいないばあ」を出版した。松谷みよ子さんの「いないいないばあ」こそ、日本でもっとも売れた絵本である。トーハンミリオンブックの調べによると、発行部数は664万部を突破し、3世代どころか4世代に渡って読み継ぐ家族も少なくない。
日本の絵本ではじめて500万部以上発行の偉業を残した松谷みよ子さんの「いないいないばあ」は、ほかにも2つの「日本初」を成し遂げた。1つは、日本ではじめて「いないいないばあ」の遊びを絵本化したことだ。ページをめくると、キャラクターが「ばぁ!」と顔を出す遊び絵本は、いまや赤ちゃん絵本の定番であるが、1967年当時は赤ちゃんとコミュニケーションを取るような絵本がほとんどなかった。
もう1つの「日本初」は、日本ではじめて本格的な赤ちゃん絵本とされたことである。「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズと銘打たれた「いないいないばあ」は、同シリーズの絵本「いいおかお」と同時刊行された。その後、「あなたはだあれ」「のせてのせて」など全9冊が刊行され、現代にわたり赤ちゃん絵本として愛されている。
日本の絵本ではじめて500万部以上発行の偉業を残した松谷みよ子さんの「いないいないばあ」は、ほかにも2つの「日本初」を成し遂げた。1つは、日本ではじめて「いないいないばあ」の遊びを絵本化したことだ。ページをめくると、キャラクターが「ばぁ!」と顔を出す遊び絵本は、いまや赤ちゃん絵本の定番であるが、1967年当時は赤ちゃんとコミュニケーションを取るような絵本がほとんどなかった。
もう1つの「日本初」は、日本ではじめて本格的な赤ちゃん絵本とされたことである。「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズと銘打たれた「いないいないばあ」は、同シリーズの絵本「いいおかお」と同時刊行された。その後、「あなたはだあれ」「のせてのせて」など全9冊が刊行され、現代にわたり赤ちゃん絵本として愛されている。
2. あたたかい日本語を読み聞かせできる魅力

松谷みよ子さんの「あかちゃんの本」シリーズが愛される最大の理由は、お父さんお母さんが「あたたかい日本語」で赤ちゃんへ語りかけられることにほかならない。絵本「いないいないばあ」は、にゃあにゃ(猫)やくまちゃんが表情を隠していて、ページをめくると顔が見える、という単純な構成となっている。単なるいないいないばあ遊びの間に、「ほらほら」や「ほらね」などの赤ちゃんへやさしく声をかける言葉を、松谷みよ子さんが散りばめている。
松谷みよ子さんが、同シリーズの絵本「おさじさん」のなかで使った日本語もあたたかい。山や野原を越えてやってきた、おさじさんは、美味しいものを「おくちに はこんで あげますよ」と語りかける。あつあつのおかゆに顔を突っ込んで泣いてしまったうさぎの坊やへ、「ないては だめよ」「おてつだい いたしましょう」と声をかける姿には、言葉が持つ温もりを感じられる。
松谷みよ子さんが施したあたたかい日本語の読み聞かせは、赤ちゃんへの情操教育だけでなく、忙しさにすさみがちな大人の心を落ち着けることにもつながるだろう。赤ちゃんのお風呂に苦戦してしまった日は「おふろでちゃぷちゃぷ」を、寝つきが悪い夜には「もうねんね」を読み、日本語が持つ温かさに触れてみてはいかがだろうか。
松谷みよ子さんが、同シリーズの絵本「おさじさん」のなかで使った日本語もあたたかい。山や野原を越えてやってきた、おさじさんは、美味しいものを「おくちに はこんで あげますよ」と語りかける。あつあつのおかゆに顔を突っ込んで泣いてしまったうさぎの坊やへ、「ないては だめよ」「おてつだい いたしましょう」と声をかける姿には、言葉が持つ温もりを感じられる。
松谷みよ子さんが施したあたたかい日本語の読み聞かせは、赤ちゃんへの情操教育だけでなく、忙しさにすさみがちな大人の心を落ち着けることにもつながるだろう。赤ちゃんのお風呂に苦戦してしまった日は「おふろでちゃぷちゃぷ」を、寝つきが悪い夜には「もうねんね」を読み、日本語が持つ温かさに触れてみてはいかがだろうか。
3. わらべうたに触れることも

松谷みよ子さんの赤ちゃん絵本には、日本で昔から伝わるわらべうたを通して、日本語のあたたかさに触れられるもの多い。
わらべうたとは赤ちゃんが心地よいと感じるリズムに、美しい日本語を乗せたもので、子どもの「聞く」、「話す」動作の基礎を作るといわれている。ほかにも情緒の安定や親子の絆作りにも役立つといわれるわらべうただが、そもそも知らないために歌えないというお父さんお母さんも多い。
そんな方は、松谷みよ子さんのわらべうたの絵本を読み聞かせてみてはいかがだろうか。偕成社から刊行されている「あかちゃんのわらべうた」シリーズは、やさしい絵と物語を通して、松谷みよ子さんの美しいわらべうたに触れられる絵本だ。
たとえば、0歳からの読み聞かせにおすすめの「ぼうしをとってちょうだいな」には、どうしても顔を見せてくれない女の子と、やさしいわらべうたで語りかける男の子が登場する。なにがなんでも帽子を取ろうとしない女の子には、子どものイヤイヤ期を重ねてみる親も少なくないが、彼女に対して呼びかける松谷みよ子さんの言葉はやわらかい。
わらべうたとは赤ちゃんが心地よいと感じるリズムに、美しい日本語を乗せたもので、子どもの「聞く」、「話す」動作の基礎を作るといわれている。ほかにも情緒の安定や親子の絆作りにも役立つといわれるわらべうただが、そもそも知らないために歌えないというお父さんお母さんも多い。
そんな方は、松谷みよ子さんのわらべうたの絵本を読み聞かせてみてはいかがだろうか。偕成社から刊行されている「あかちゃんのわらべうた」シリーズは、やさしい絵と物語を通して、松谷みよ子さんの美しいわらべうたに触れられる絵本だ。
たとえば、0歳からの読み聞かせにおすすめの「ぼうしをとってちょうだいな」には、どうしても顔を見せてくれない女の子と、やさしいわらべうたで語りかける男の子が登場する。なにがなんでも帽子を取ろうとしない女の子には、子どものイヤイヤ期を重ねてみる親も少なくないが、彼女に対して呼びかける松谷みよ子さんの言葉はやわらかい。
結論
赤ちゃんにも親にもあたたかい気持ちをくれるのが、松谷みよ子さんの赤ちゃん向け絵本だ。「親の肉声で日本語のあたたかさを伝えてほしい」という松谷みよ子さんの願いは、読み聞かせをすることで感じとれるかもしれない。赤ちゃんとどうコミュニケーションを取ったらいいかわからないお父さんお母さんは、この機会に松谷みよ子さんの「いないいないばあ」を読み聞かせてはいかがだろうか?
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