1. 赤ちゃんの利き手が決まる時期

利き手はいつわかる?
手を使うようになる時期
生後6ヶ月頃になると、赤ちゃんはおもちゃを手で持って遊ぼうとする。おもちゃを持つ手は右だったり左だったりと定まってはいないが、おもちゃを持とうと伸ばす手は、右か左に決まっていることが多い。しかし、これが利き手だとはまだ判断できない時期だ。
大人の真似をする時期
2歳を過ぎると、スプーンやクレヨンなどを手で持って使うようになる。このときに使う手が左だと、「左利きかもしれない」と感じる方も多いだろう。しかし、この時期になっても利き手は決まっておらず、左でスプーンを持つ子は、向かい合ってスプーンを使う右利きのお父さんやお母さんの真似をしているだけの可能性もある。
利き手が決定される時期
アメリカの著名な発達心理学者であるゲセルは、利き手は子どもの成長と発達に伴って数回交代すると指摘している。さらに、それまで一定でなかった利き手は、4歳頃に固定されてくることもわかっている。利き手は変化することを理解し、4歳より小さいうちに利き手を決めつけないように注意しよう。
利き手の矯正について
赤ちゃんが左利きだとわかったら、利き手を矯正しようと考える方もいるだろう。左利きだと生活に不便を感じる場面があり、祖父母世代の人は、左利きによいイメージを持っていないからだ。しかし、今は個性を尊重して無理に矯正をしない風潮になっている。矯正をして赤ちゃんにストレスを与えるよりは、赤ちゃんの能力開花を優先したいものだ。
2. 赤ちゃんの利き手の見分け方

利き手を見分けるポイント
子どもが4歳頃になったら、次のようなことを観察し、利き手を見分けよう。
- 子どもが自発的におもちゃなどの欲しいものを取るときに伸ばす手
- 誰かから物を受け取るときに差し出す手
- 転倒しそうになったときなど、とっさのときに出す手
- 何かを持つ手や支える手
- ボールを投げるときの手
- スプーンやフォークを持つ手
指しゃぶりする手と利き手の関係
「指しゃぶりしている手が利き手かもしれない」と考える大人は多いが、それは一概には言えない。前述したとおり、利き手が固定されるのは4歳頃であり、指しゃぶりをする子どもが多い時期にはまだ固定されていないからだ。また、赤ちゃんは気分によって使わない方の手の指を口に入れたり、両手の指を口に入れることもある。
3. 左利きと右利きの割合

利き手の割合
世界の人口の約1割が左利きだとわかっており、逆に言うと9割が右利きということになる。さらに、両手が使える両利きの方もいる。いずれにせよ、左利きは少数派であるので、ハサミやパソコンのマウス、カメラのシャッターボタンなどは通常右利き仕様になっており、生活に不便を感じることもあるだろう。
結論
赤ちゃんの利き手に関して、利き手が決まる時期や見分け方などを解説した。利き手は一生のことであるため、正しい知識を持っておくとよいだろう。この記事を参考にして利き手に関する知識を深め、赤ちゃんの利き手に一喜一憂せずに、あたたかく成長を見守ってほしい。