目次
- 1. 赤ちゃんの「夜泣き」はいつまで続く?原因は?
- 2. 絶対にやってはいけない「赤ちゃんの夜泣き対策」とは?
- 3. 赤ちゃんの夜泣きへの適切な対処方法とは?
- 4. 赤ちゃんが快適に眠れるようにしてあげることも大切
- 5. 夜泣きの原因はさまざま!赤ちゃんに合った対策を用意しておこう
- 睡眠が足りていない
- 昼寝をしすぎた
- 不快感を招く要因がある
- 不安やストレスを感じている
- ママやパパに甘えたい(存在を確認したい)
- 環境の変化に慣れていない
- 体内時計が未完成で夜中に目覚めてしまう
- 睡眠サイクルが短く夜中に目覚めてしまう
- 原因不明 など
1. 赤ちゃんの「夜泣き」はいつまで続く?原因は?

まずは赤ちゃんの夜泣きについて、おさらいの意味も込めて基本的なところを確認していこう。
夜泣きはいつまで続く?
夜泣きは生後まもなく始まるが、ではいつ頃になると卒業するのだろうか?赤ちゃんの成長は個人差が大きいため一概にはいえないが、一般的な例でいえば1歳、ないし1歳半くらいまでに卒業する赤ちゃんが多い。
だが2歳や3歳まで続く赤ちゃんもいるし、そもそも1歳頃になって夜泣きが始まるという赤ちゃんもいる。「◯歳」といった基準に囚われず「個性」と捉えてあげたほうが前向きだろう。
赤ちゃんが夜泣きをする主な原因
一例だが、このように赤ちゃんの夜泣きの原因は多岐にわたる。中でもやってしまいがちなのが「昼寝のしすぎ」ではないだろうか?「体内時計が未完成」「睡眠サイクルが短い」といったポイントとあわせて、少し詳しく説明しよう。
【昼寝のしすぎが夜泣きにつながる理由は?】
確かに昼寝をたくさんしてくれれば、その間は家事も進むし自分の時間も作れるので、できるだけ昼寝をたくさんしてほしいと思うかもしれない。
だが昼寝をしすぎると夜に寝付きが悪くなったり、短時間で目が覚めたりして夜泣きにつながることがある。「赤ちゃんが目覚めるまで昼寝をしてもらう」のではなく、適切な睡眠時間になるようコントロールしてあげることも大切だ。
【赤ちゃんの体内時計はまだ未完成】
人間が地球の昼夜の変化に同調し「朝が来ると目覚め、夜には眠くなる」というメカニズムを維持できるのは、脳内に存在する体内時計があるおかげだ。生まれたばかりの赤ちゃんは、その体内時計が未完成であるため、夜中に目覚めて夜泣きにつながることがある。
昼間は明るい環境で、夜は明るすぎない静かな環境で過ごすことによって、赤ちゃんの体内時計が徐々にできあがっていくというわけだ。
【赤ちゃんはレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが短い】
体内時計と同様に、赤ちゃんの睡眠もまだまだ発達途中だ。大人は眠っている間にレム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を繰り返す。これ自体は赤ちゃんも同じだが、大人と比べて眠りが全体的に浅い上、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルも短い。つまり浅い睡眠がひと晩に何度も訪れるため、その分だけ目を覚ましやすいということである。
夜泣きの背景にはこうしたことも関係していると思っておくと、理論的に理解・納得できて過度なストレスになるのを防げるのではないだろうか?
2. 絶対にやってはいけない「赤ちゃんの夜泣き対策」とは?

本稿では、赤ちゃんの夜泣きへの適切な対処方法もお伝えするが、それに先立ち「絶対にやってはいけないとされている夜泣き対策」から解説させていただく。
夜泣きをしたらすぐにあやしに行ってしまう
「ストレスになるのですぐに止めてもらいたい」「近所迷惑になるかもしれない」といった不安やいらだち、あるいは単純に「かわいそう」という気持ちで、すぐにあやしに行くママやパパも多いのではないだろうか?
だがそこをグッとこらえて、いったん様子を見ることも考えよう。10〜15分など様子を見ている間に、泣き疲れるなどして寝ることもあるためだ。それに、赤ちゃんが「泣けばすぐに来てくれる」と覚えた、それ(夜泣き)が習慣となりなかなか卒業できなくなってしまうおそれもある。
【ただし長時間の「放置」は絶対にNG!】
とはいえ様子を見るのはケース・バイ・ケースである。とくに、赤ちゃんの夜泣きを完全に無視して文字通り「放置」してしまうのは絶対にNGだ。「様子を見る=視認できる範囲内でしばらく待ってみる」と捉えていただきたい。
あるいは泣き声が聞こえる(少しでもおかしいと感じたらすぐに駆けつけられる)距離にいる、ベビーモニターを設置してモニタリングしながら待つ、といった方法もあるので、ご家庭の環境にあわせて検討しよう。
大声で怒鳴ってしまう
夜泣きが続く、何をしても泣き止まないといった場合、さすがのママやパパでもストレスが溜まるかもしれない。だが、ついイライラして大声で怒鳴ってしまうことは避けたい。
怒鳴っても夜泣きは止まないし、怒鳴ったほうも凹むなど双方にとってマイナスだからだ。クッションや枕などを口に当てて大声を出すなどし、上手に発散してほしい。
強く揺さぶってしまう
赤ちゃんが泣き止まないからといって、強く揺さぶるのもNGだ。脳が損傷したり、場合によっては命を落としたりすることもある「乳児揺さぶられ症候群(SBS)」を招くおそれがある。「高い高い」であやす程度ならOKだが、強く揺さぶることはNGと覚えておこう。
ママやパパが自分を責めて追い詰めてしまう
どうしても夜泣きが止まなかったとしても、ママやパパが自分自身を責める必要はない。夜泣きによる疲れとストレスから「育児ノイローゼ」を発症する例もあるが、多くの場合、夜泣きは赤ちゃんの成長とともにおさまる。
思い切って割り切り「夜泣きは当然」「これこそ個性」「今のうちだけしか味わえない」などと考え方を変え、肩の力を抜くことも覚えよう。
3. 赤ちゃんの夜泣きへの適切な対処方法とは?

赤ちゃんの夜泣きは仕方がないことは、ママやパパなら誰もがわかっている。だがやはり、それによってママやパパが心神耗弱状態に陥ったり、家庭がぎくしゃくしたりするような事態は避けたい。では、赤ちゃんの夜泣きへの適切な対処方法とはどのようなものなのだろうか?
月齢でやや異なる赤ちゃんの夜泣きへの対処方法
【生後1〜5カ月】
寝苦しい、おむつが汚れた、お腹が空いたといったことが原因で夜泣きすることが多い。不快感を取り除き、欲求を満たしてあげることで眠りについてくれるだろう。
【生後6カ月〜1歳】
冒頭でも触れたように体内時計が整っておらず、生活リズムが定まっていないことで夜泣きする場合がある。あるいは、日中に受けた刺激が夢に出てくるなどして夜泣きすることもある。生活リズムを整える、ゆりかごのように揺らして安心させてあげるといった方法で様子を見てみよう。
【生後1〜2歳】
昼間の活動時間が長くなるため、その分、さまざまな刺激を受けている。昼間に起こったことを夢で見て目が覚めたり、精神面が成長過程で不安定になって急な不安に襲われたりして泣いたりすることもある。昼間は思いっきり体を動かしてぐっすり眠れるようにしてあげたり、背中をトントンする、あるいは添い寝をするといったことで安心させてあげたりしよう。
4. 赤ちゃんが快適に眠れるようにしてあげることも大切

夜泣きを防ぐことはできないが、赤ちゃんが少しでも快適に眠れるように準備をしてあげれば、おのずと減ってくる可能性がある。たとえば次のようなポイントを意識してみよう。
生活リズムを整えるとともに、入眠へのルーティンを作る
赤ちゃんの体内時計の発達を促す意味も込めて、生活リズムを整えてあげよう。朝起きたらカーテンを開け、赤ちゃんのいる部屋に自然の光を取り込む。午前中は散歩やハイハイなど、明るい環境でたくさん身体を動かす。
一方、夜は明るすぎない静かな環境で過ごさせてあげる。夜に光を浴びると体内時計が狂うおそれがあるため、テレビやスマートフォンの強い光を避けよう。同時に、寝る前は部屋を暗くして入眠へのルーティンを確立させるのもおすすめだ。赤ちゃんには小さな光でも明るいので、寝室では豆電球も消してあげるとよいだろう。
安心して眠れる環境を作ってあげる
部屋の調光以外にも、肌着を着させ過ぎない、お布団が湿っていないか確認する、おむつを交換する、温度や湿度を管理するといったことで、赤ちゃんが少しでも安心して眠れる環境を作ってあげることが大切だ。
寝る前にスキンシップの時間を設ける
安眠にもつながるもうひとつの方法がスキンシップである。眠りにつく前の時間は手を軽く握って優しく話しかけたり、背中をトントンしたり、子守唄を歌ってあげたりなどスキンシップをとって赤ちゃんを落ち着かせてあげよう。ママもパパも仕事や家事で疲れているはずなので、相談しながらうまく協力して時間を作ってほしい。
授乳をしてぐっすり眠れるようにしてあげる
空腹で目覚めてしまうことがあるため、眠るときはお腹いっぱいの状態にしてあげるのもおすすめだ。
「外気に触れる」といった方法もある
ママもパパも眠りについたあとは厳しいかもしれないが(覚醒してしまう場合があるため)、まだ起きている時間帯であれば、夜泣きが始まったときに窓を開けて外気に触れさせてあげる方法もある。うまく気分転換になれば泣き止んでくれるだろう。
5. 夜泣きの原因はさまざま!赤ちゃんに合った対策を用意しておこう

お伝えしてきたように、赤ちゃんが夜泣きする原因はさまざまだ。本稿で挙げた以外にも多くの要因がある。単純におむつが湿っている、暑い、生活音が聞こえるといったことでも夜泣きするし、怖い夢を見て夜泣きすることもある。「絶対的な原因」「絶対的な対策」はないため、赤ちゃんの様子を見ながらそのときベストと思える対策を講じることが大切だ。
赤ちゃんの夜泣きは成長とともになくなる。「元気に育っている証」「今だけしか経験できないこと」などと上手に気持ちを切り替えたり、先輩ママやパパの意見を仰いだりもしながら、ぜひ赤ちゃんに合った対策を見つけてほしい。
結論
赤ちゃんの夜泣きに直面すると、たしかにストレスを感じ疲労が溜まるかもしれない。だが一時的でいつかはおさまるものだ。夜泣きで苦労した夜のこと、泣きじゃくる我が子の顔を懐かしく思い出す日がきっと来る。ママとパパ、2人で協力してぜひとも夜泣き時期を乗り切ってほしい。