1. 子どものスプーンの持ち方に違和感

よくある子どものスプーンの持ち方
子どものスプーンの持ち方が変だと思うことがあるかもしれないが、実は成長過程ではよくある持ち方だという場合もある。そこで、まずはよくある子どものスプーンの持ち方について説明しよう。
上からスプーンの柄を握る持ち方
スプーンの持ち方で、初期の段階でするのが、スプーンの柄を上から鷲掴みのようにして握る「上握り」という持ち方だ。大人は、下からスプーンの柄を握るので、上から握る持ち方には違和感があるだろう。指先の力が弱く、手を上向きに返すことができない時期に、このようなスプーンの持ち方をする。
下からスプーンの柄を握る持ち方
成長して、手首を上向きに返すことができるようになったら、下からスプーンの柄を握る「下握り」をする子もいる。手首がきちんと上向きに返されてはいるが、柄を鷲掴みにしているので、正しい持ち方とは言えない。上握りよりもスプーンですくうのが難しい握り方なので、上手くすくえるようになってから、正しい持ち方に直していくとよい。
スプーンの正しい持ち方とは
大人と同じ持ち方、いわゆる「鉛筆持ち」と言われる持ち方が、スプーンの正しい持ち方だ。親指、人差し指、中指の3本の指をピストルのような形にした状態で、スプーンを持つ。スプーンの鉛筆持ちをきちんとマスターしていれば、箸への移行もスムーズにいくようだ。
2. スプーンの持ち方は直るもの?

発達に問題がなければOK
2歳頃になると、手首を内側から外側に返す動作ができるようになるので、下握りをするようになる。下握りができていれば発達には問題ないが、もし下握りを嫌がったり手首を上向きに返せなかったりする場合は、手指の発達を促していこう。「きらきら星」を歌いながら手首をひらひらさせる動作は、手指の発達に効果的だ。
いつから正しい持ち方ができる?
上握りから、下握りの段階を経ずに鉛筆持ちをする子もいるが、正しい持ち方は3歳くらいから練習していけばよいだろう。子どもの成長には個人差もあるので、スプーンが正しく持てなくても、上手く食べ物をすくえて、楽しく食事をしていればよしと考えよう。
3. スプーンの持ち方を直す最善の方法とは?

スプーンの持ち方を正しく直す手順
- まず、利き手の親指、人差し指、中指でピストルの形をつくる。「バキューンの形」と子どもに教えるとよい。
- 1の状態で、中指の上にスプーンを乗せる。
- 2でスプーンが乗ったら親指と人差し指を添える。
このようにしてもスプーンを持つことが難しい子どもには、スプーンに事務用のダブルクリップをつけて、その上に親指を乗せ、真ん中に人差し指を乗せて持つようにさせてみよう。
スプーンの持ち方を直すコツ
手首のグリップ力を高める
スプーンの正しい持ち方ができるようになるには、手首のグリップ力が必要だ。柔らかいボールを掴んで投げたり、スコップで砂場の砂をコップに入れてひっくり返したりするなど、手首のグリップ力を高める遊びを取り入れよう。
スプーンですくいやすいメニューにする
スプーンの正しい持ち方ができるように練習していても、スプーンで上手くすくえないメニューだと、練習のモチベーションも上がらない。スプーンに乗せやすいように野菜を細かくカットしたり、スープ状のものは片栗粉などでとろみをつけたりしてあげると、上手くすくえるし、スプーンで食べる意欲もわくだろう。スプーンですくいやすい深めのお皿に盛るのもおすすめだ。
握りやすいスプーンに変えてみる
スプーンの柄の部分に滑り止めがついていたり、持ち手が手にフィットする形になっていたりする、子どもが握りやすいスプーンに変えてみるのもよい。手指の力が弱かったり未発達だったりする場合でも、握りやすいスプーンだったら、手先が安定するので持ちやすくなるだろう。
結論
スプーンの正しい持ち方や正しく直す方法をまとめた。子どもにスプーンの持ち方を教えるのは難しく、根気も必要だ。なかなか上手くいかなくて焦ってしまうこともあるだろう。しかし、食事は家族団らんの場であり、楽しい時間でもある。スプーンの持ち方も大切だが、この記事を参考にして、少し気を楽にしながら子どもに教えてみよう。