目次
- 1. 「寝返り返り」とはなにか?
- 2. 「寝返り返り」はいつ頃から始まる?
- 3. 「寝返り返り」はできないとダメ?練習は必要?
- 4. 「寝返り返り」をサポートしてあげる方法
- 5. 「寝返り返り」を始めたら安全確保も忘れずに
- 6. 「寝返り返り」できなくてもOK!赤ちゃんの成長を見守り親子で楽しく過ごそう
- ※1:厚生労働省「平成22年 乳幼児身体発育調査 Ⅱ 調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
1. 「寝返り返り」とはなにか?

寝返り返りとはどういうことなのだろうか?寝返りとの違いをはっきりさせておこう。
「寝返りの寝返り」のこと
寝返りのさらに寝返り、すなわちうつ伏せから仰向けに戻ることを寝返り返りと呼んでいる。とはいえとくに医学的な表現というわけではなく、一般的にそう呼ばれているというだけのことだ。それまで「ゴロン」で終わっていたものが「ゴロン→ゴロン」と動けるようになることで、自力で転がって目標に近づけるなど赤ちゃんにとっては楽しい動きでもある。
2. 「寝返り返り」はいつ頃から始まる?

そんな寝返り返りは、いつ頃からできるようになるのだろうか?個人差はあるが、ある程度の目安は知っておいてもよいだろう。
「寝返り」ができるようになるのは生後6〜7カ月頃
先に「寝返り」から説明する。厚生労働省によれば「寝返り」は、生後6〜7カ月未満の赤ちゃんのうち9割ができるようになるという。(※1)だが生後4カ月頃からできる赤ちゃんもいるし、寝返りをまったくしないままお座りをすることもある。
「寝返り返り」は寝返りできるようになってから1〜2カ月が目安
「寝返り返り」も同様に、寝返りできるようになったタイミングで寝返り返りできてしまう赤ちゃんもいれば、寝返りはするが寝返り返りはしないという赤ちゃんもいる。あくまで一般的な目安だが、寝返り返りは「寝返りができるようになってから1〜2カ月の間」にできるようになることが多いようだ。
ただし「時期」にとらわれる必要はない
確かに流れのようなものはあるが、赤ちゃんの成長についてはとにかく個人差が大きい。「◯カ月になったのに寝返りができない」「◯カ月を過ぎたのに寝返り返りをしてくれない」などと時期にとらわれる必要はない。仮に6カ月検診のタイミングで寝返りができなくても、ほかの部分に発達の遅れなどが顕著に見られるようでなければ、過度に心配する必要はないだろう。
3. 「寝返り返り」はできないとダメ?練習は必要?

赤ちゃんが寝返りできるようになると、次は寝返り返りができるようになるものと期待してしまう親御さんは多いだろう。ところがいつまで経っても寝返り返りをしてくれない、となれば焦ってしまうかもしれない。そもそも、寝返り返りは赤ちゃんの成長にとって必要なものなのだろうか?
寝返り返りはできなくても心配ない
赤ちゃんが寝返り返りをしてくれなくても、成長や発達には問題ない。むしろそれ以外の知力といった部分に極端な遅れなどが見られなければ、さほど不安視せずともよいだろう。
寝返り返りのための特別な練習も必要ない
寝返り返りのためだけの、特別な練習といったものは必要ないと考えてよい。むしろ、強制的に寝返り返りの練習をさせることで、赤ちゃんが急な姿勢の変化に驚いて怖がったり嫌がったりすることがある。こちらのほうが注意したいポイントだ。焦らず気長に赤ちゃんの様子を見守っていこう。
それでも心配なら専門家に相談してみる
とはいえ我が子のことだ。やはり寝返り返りができないことに対して劣等感を抱いてしまったり、障害があるのではないかと不安になったりする親御さんもいるだろう。そんなときは悩んだり抱え込んだりせず、かかりつけ医や保健センターの保健師、助産師など専門家に遠慮なく相談しよう。
4. 「寝返り返り」をサポートしてあげる方法

寝返り返りの強制的な練習は不要とお伝えしたが、就寝中に赤ちゃんが自分で寝返りをしたあと仰向けに戻れず、何度も起きて泣いてしまうことがある。そんなときはサポートしてあげるつもりで練習するとよいだろう。
赤ちゃんの寝返り返りをサポートするにはどうする?
無理なく赤ちゃんの動きをサポートするため、赤ちゃんとのスキンシップを増やして遊びながら姿勢を整えるという方法を採ろう。具体的には、赤ちゃんがしたい方向に寝返り返りできるよう、そっと手を添える程度と考えていただきたい。
どうしても練習を進めたいのであれば、赤ちゃんの手が届くか届かないかの距離に大好きなおもちゃを置いたり、その距離感であやしてみたりするとよいだろう。あるいは一緒に遊びながら、赤ちゃんの腰を左右に揺らして腰と肩を支え、仰向けになるよう姿勢を変える方法もある。
姿勢の変化に慣れてきた頃を見計らい、タオルやクッションなどでわずかな傾斜を作ってあげるのもよい。赤ちゃんが自分で寝返り返りできるように環境を整えて一緒に遊ぶといった具合だ。
赤ちゃんの寝返り返りをサポートする際は脱臼などに注意
赤ちゃんの身体はとても柔らかく、無理に手足を引くと脱臼するおそれがある。また赤ちゃんの寝返り返りを練習中は危険な姿勢になることもあるため、絶対に赤ちゃんから目を離さぬように注意していただきたい。
5. 「寝返り返り」を始めたら安全確保も忘れずに

赤ちゃんの寝返り返りが始まったら、これまでとは異なるリスクが生じる。注意したいポイントをまとめたので確認していこう。
転落防止
赤ちゃんが寝返り返りできるようになると、初めはゆっくりでも目的とする場所まで転がって移動するようになる。高さのあるベッドなどは適切な方法で柵を固定し、柵のないハイローチェアやソファなどに赤ちゃんを寝かせないよう徹底することが大切だ。
衝撃からの保護
寝返り返りをはじめて間もない赤ちゃんは、まだ上手く身体の動きをコントロールできない。身体を動かした反動で頭や手足を床に打ちつけることもあるため、床が硬い場合はマットなどを敷いて赤ちゃんを衝撃から保護することが大切だ。
窒息防止(具体策あり)
寝返り返りをはじめて間もない赤ちゃんは、上手くできずうつぶせのまま動きが止まってしまうこともある。窒息する危険性があるため対策は必須だ。
【窒息防止の具体策】
誤飲するおそれのある小さなものは赤ちゃんが過ごす環境に置かず、手の届かぬ安全な場所に片付けよう。マットレスは頭や身体が沈まない硬めのものを選び、枕やぬいぐるみ、タオルなどは使わないようにする。シーツのたるみや重いかけ物、ベッドガードなども赤ちゃんの顔を覆う原因となるため避けておいたほうがよい。
6. 「寝返り返り」できなくてもOK!赤ちゃんの成長を見守り親子で楽しく過ごそう

寝返り返りができるようになるタイミングは個人差がある。多くの場合、寝返りを打てるようになってから1〜2カ月後とされているが、絶対にできなくてはならないものではないし、いつの間にかできるようになるものでもある。
寝返り返りができるかどうかも大切だが、なにより優先したいのは、赤ちゃんの人生においてもっとも重要な時期を親子で楽しく過ごせるかどうかだ。心にゆとりを持ち、ぜひ赤ちゃんの成長をじっくり見守っていこう。
結論
寝返り返りができず心配になるかもしれないが、焦らずにスキンシップを楽しみながら様子を見ていこう。無事に寝返り返りができるようになったら、本稿でお伝えしたような「転落」「衝撃」「窒息」などへの対策も忘れずに講じてほしい。
(参考文献)