1. 換気時間を知る前に

まず換気時間を知る前の基礎知識として、換気の重要性について解説する。換気の効果についてチェックすれば、なぜ必要なのかが理解できるだろう。
新鮮な空気を取り込む
人が呼吸するには1時間で6畳分の空気が必要だ。最近の住宅は気密性が高まっており、換気が足りていないと汚れた空気が部屋にこもりやすい。酸素不足になれば、めまいや吐き気、喉の痛みなど健康に悪影響がでる。
十分な換気時間をとることで、呼吸の維持に必要となる新鮮な空気を取り込める。部屋にさまざまな臭いがこもらなくなるため過ごしやすくなり、部屋に染み付くのも防げるだろう。
十分な換気時間をとることで、呼吸の維持に必要となる新鮮な空気を取り込める。部屋にさまざまな臭いがこもらなくなるため過ごしやすくなり、部屋に染み付くのも防げるだろう。
結露の防止
人の呼吸や調理中の湯気、洗濯物の室内干しなど、室内ではさまざまな湿気が発生する。冬は室外との温度差があるため、窓や床に結露が発生しやすい。
結露はカビが発生する原因にもなり、建物の劣化やカビ菌による健康被害にもつながる。十分な換気時間をとって、部屋の湿気を外に出してほしい。
結露はカビが発生する原因にもなり、建物の劣化やカビ菌による健康被害にもつながる。十分な換気時間をとって、部屋の湿気を外に出してほしい。
ウィルスとハウスダストの除去
ウィルスやハウスダストの除去には換気が必要だ。インフルエンザウィルスは空気中に2~3時間とどまるとされており、部屋の中だと感染のリスクが高くなる。ダニやホコリなどのハウスダストはアレルギーやぜんそくの原因になるため、健康のためには十分な換気が必要だ。
換気をしてハウスダストを外に出し、ウィルスの濃度を下げることが、家族の健康を守ることにつながる。また、ハウスダスト対策には空気清浄機が有効なので、換気が難しい場合は活用を検討しよう。
換気をしてハウスダストを外に出し、ウィルスの濃度を下げることが、家族の健康を守ることにつながる。また、ハウスダスト対策には空気清浄機が有効なので、換気が難しい場合は活用を検討しよう。
2. 部屋の換気時間の目安は何分?

時間が短かったり間隔が少なかったりすると十分な換気ができない。適切な換気時間について紹介するので、ぜひ実践してほしい。
適切な換気時間は?
正しい方法で換気していれば1回の換気時間は5~10分で十分だ。暖房をつける冬場は空気が寒いほうに移動するため、換気時間は短めでも効果がでやすい。長時間換気をしてもあまり意味はなく、エアコンを使っていると冷気や暖気を逃してしまうので注意しよう。
換気の間隔について解説
換気時間を長くするより換気の回数を増やしたほうが効率がよい。窓の大きさや部屋の広さによっても異なるが、5分間の換気を1時間に2回の間隔でするのが理想的だ。1時間に2回の換気が難しい場合でも、なるべく小まめな換気を心がけてほしい。
3. おすすめの換気時間帯は?

効率よく換気をすためには時間帯も重要だ。季節ごとの換気時間帯や花粉症対策におすすめな換気時間帯について、それぞれ紹介しよう。
換気に最適な時間帯
湿度が低い時間帯を選んで換気時間にすることで部屋に湿気が入ってくるのを防げる。湿気が少ない晴れた日を選んで、適した時間帯に換気をしよう。春や夏は12~16時、冬や秋なら12~14時に換気をするのがおすすめだ。
花粉対策におすすめの時間帯
花粉の飛散量は気温の高さと関係している。夜は防犯上の心配があるので、気温があがる前の早朝を換気時間帯にするのがおすすめだ。12~14時は花粉の飛散量が多いので避けたほうがよいだろう。
また、窓を開ける幅を10cmくらい細めに開けてレースのカーテンを通すことで、部屋に入ってくる花粉の量は減らせる。窓の近くに空気清浄機を置くといった対策も有効だ。
また、窓を開ける幅を10cmくらい細めに開けてレースのカーテンを通すことで、部屋に入ってくる花粉の量は減らせる。窓の近くに空気清浄機を置くといった対策も有効だ。
4. 時間以外で換気するときに気をつけるべきこと

十分に換気時間をとっても、間違った方法で換気すると効果が薄くなる。換気するときのコツと気をつけるべきことについて、詳しく解説しよう。
空気の通り道を作る
空気の通り道を作ると短い換気時間でも高い効果が実感できる。対角線上に2つの窓を開け、入り口の窓を5~15cmと狭くして出口になる窓を全開にすれば、空気が動きやすくなるため効率よく換気ができる。
また、対角線上に窓がない場合は、高低差を利用して換気する方法がおすすめだ。暖かな空気が上の窓から出ていき、冷たい空気は下の窓から入る。高さが違う窓を利用して、汚れた空気と新鮮な空気を交換しよう。
また、対角線上に窓がない場合は、高低差を利用して換気する方法がおすすめだ。暖かな空気が上の窓から出ていき、冷たい空気は下の窓から入る。高さが違う窓を利用して、汚れた空気と新鮮な空気を交換しよう。
扇風機やサーキュレーターが便利
空気が通りにくい場所には扇風機やサーキュレーターを使用する。窓が一つしかない部屋でも、ドアと窓を開けてから外に向けておくことで、空気の流れを作り出すことが可能だ。ただし、扇風機やサーキュレーターを部屋側に向けると、空気が外にでにくくなるので注意してほしい。
換気扇を活用しよう
換気扇を活用することで効率よく換気ができるだろう。台所の換気扇はとくに大きく効果が高い。また、換気扇を使う場合でも窓を開けておくのがおすすめだ。2つの窓を対角線に開けたときに換気扇を使えば、効率をあげられるだろう。なるべく換気扇と離れた窓を選ぶのがポイントだ。
エアコンから離れた場所
エアコンの近くの窓を開けるとエアコンに負担がかかって電気代があがる。エアコンを使用しながら換気する場合は遠い窓を選び、短い換気時間で換気をしよう。夏場の帰宅時はエアコンの電源をつける前に、冬場は部屋を温めてから換気をすることで、エアコンの負担を減らせる。
家具と壁に隙間をあける
家具と壁の間に隙間がないと空気が通らない。湿気がたまりやすくなるので、カビやダニが発生しやすい環境になってしまう。空気の通り道を作って乾燥させることが重要だ。
換気したときに家具の裏まで空気が通るように、5cmくらいの隙間を空ける。湿気対策を万全にしたいなら、家具の下にすのこを敷くとよいだろう。
換気したときに家具の裏まで空気が通るように、5cmくらいの隙間を空ける。湿気対策を万全にしたいなら、家具の下にすのこを敷くとよいだろう。
結論
換気時間は5~10分くらいが目安だ。正しい方法で換気をすれば、新鮮な空気を取り入れながら、ウィルスやハウスダストも除去できる。夏は12~16時、冬や秋なら12~14時など、湿気の少ない時間帯を選んで、小まめな換気を心がけよう。ただし、換気方法を間違うと効果が薄くなるので、空気の通り道を作ったり、壁と家具の間を開けたりといったコツを実践してほしい。