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ゴーヤの栄養と効能!苦みには特有の栄養が隠されている?

ゴーヤの栄養と効能!苦みには特有の栄養が隠されている?

投稿者:ライター 竹間たまみ(たけまたまみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年6月29日

ゴーヤは独特の苦みが特徴の夏野菜。苦みが苦手という人も多いかもしれない。しかし、栄養が豊富に含まれているゴーヤは、ぜひ普段の食事に取り入れていただきたい食材でもある。この記事では、ゴーヤの知られざる栄養素と効能などを紹介したい。また、ゴーヤが食べ過ぎに気をつけたい食材といわれる理由も解説していこう。

  

1. 知っておきたい「ゴーヤ」の基礎知識

「ゴーヤ(ゴーヤー)」とは沖縄の方言であり、実際には「ニガウリ」「ツルレイシ」などと呼ばれている。ゴツゴツしたイボと果肉が苦いことで有名で、日本人の苦手な食べ物として名を連ねることも多い。好き嫌いが分かれる食べ物だが、沖縄県ではゴーヤの栽培が盛んで、「ゴーヤチャンプルー」「ゴーヤ入り夏カレー」「ゴーヤチップス」などさまざまなレシピが存在する。

ゴーヤの種類

ゴーヤは育てられた環境などによって、いくつかの種類に分けられる。
  • あばしゴーヤ:沖縄産のゴーヤ。太くて丸く、どんぐりのような形状。苦みはやや控えめ。
  • 中長ゴーヤ(中長レイシ):細長く、よくスーパーなどに売っている。やや苦みが強い。
  • 白ゴーヤ:苦みが少なく食べやすい。希少性がある。
  • ミニゴーヤ:家庭菜園などでも親しまれている、手のひらサイズのゴーヤ。
ほかにも「太いゴーヤの品種」など、具体的な名称はないものの、いくつか種類分けされている。ゴーヤは沖縄以外にも全国各地で栽培されているため、旬の季節でなくとも一年を通して手に入りやすい。

新鮮なゴーヤの見分け方

持ったときにずしりと重みを感じるものがよいだろう。色は濃く鮮やかなものが望ましい。さらにイボの大きさが均一で、傷などがついておらず、ハリのあるしっかりしているものがベスト。新鮮なゴーヤは栄養満点だが、その分苦みも増す。

2. ゴーヤの栄養と効能

ゴーヤの栄養と効能を見ていこう。ゴーヤの水分含有量は100g当たり94.4gと、かなり多くの水分を含んでいる。また、ゴーヤの100g当たりのカロリーは15kcal、炭水化物から食物繊維を引いて求められる糖質の量は1.3gとなっている(※1)。
ゴーヤの健康パワーを知るうえでポイントとなる、そのほかの栄養素についても解説しよう。

モモルデシン

モモルデシンはゴーヤの苦み成分。20種類以上のアミノ酸で構成されるモモルデシンは、ゴーヤ特有の成分だ。モモルデシンには、胃液の分泌を促進したり、胃腸の粘膜を守ったりする働きのほか、血糖値や血圧を下げる効果も知られている。

ビタミンC

ゴーヤには100g当たり76mgのビタミンCが含まれている(※1)。これはトマトやきゅうりの約5倍、レタスの約10倍である。
公益財団法人長寿科学振興財団によると、ビタミンCは、骨などの生成時に必要となるコラーゲンを作るときに必要な栄養素と書かれている。日焼けを防いだり、ストレスや病気に対する抵抗力を高めたりといった効果もあるようだ(※2)。

ゴーヤに含まれる鉄は、100g当たり0.4mg(※1)。これはセロリやにんじんの約2倍に当たる。
e-ヘルスネットによると、鉄は貧血予防に役立つミネラルの一種だそう。動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取することで、吸収率が高まることが知られている。ゴーヤはビタミンCも豊富に含まれているので、効率的に鉄を吸収できる食材といえよう(※3)。

食物繊維

ゴーヤには、白菜の約2倍、レタスやきゅうりの2倍以上の、100g当たり2.6gの食物繊維が含まれる(※1)。
e-ヘルスネットには、食物繊維は人の消化酵素で消化できない物質と明記されている。便通を整える効果が期待できるため、便秘がちな人は積極的に摂取したい栄養素だ(※4)。

カリウム

ゴーヤに含まれるカリウムは、100g当たり260mg(※1)。
e-ヘルスネットによると、カリウムは、ナトリウムを体外に排出する作用をもつミネラルの一種だそう。体内の過剰な塩分を調節する働きをする、重要な栄養素である(※5)。

葉酸

ゴーヤには100g当たり72μgの葉酸が含まれる(※1)。
e-ヘルスネットによると、ビタミンB群の一種である葉酸は、DNAの合成や赤血球の形成に関与しているそうだ。また、妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児に神経管閉鎖障害が発症しやすくなることも知られているため、積極的な摂取が推奨されている(※6)。

3. ゴーヤの栄養は加熱するとどうなる?

一般的にビタミンCは熱に弱い栄養素だ。しかし、ゴーヤに含まれるビタミンCは、加熱しても壊れにくい構造をもつため、油炒めなどの加熱調理を行っても損失することが少ない。

茹でるのはNG?

ゴーヤのビタミンCは加熱調理には耐えられるものの、水につけると流失してしまう。これはビタミンCが水に溶けやすい性質をもっているためである。葉酸とモモルデシンも、ビタミンCと同じように水につけることで失われてしまう栄養成分。
茹でる以外にも、長時間水にさらすこともこれらの栄養を失うことになる。モモルデシンが減ってしまうことで、ゴーヤ特有の苦みも減少してしまうだろう。

4. ゴーヤの食べ過ぎには注意が必要?

さまざまな栄養が豊富に含まれるゴーヤだが、食べ過ぎには注意したい。これは、食べ過ぎることで胃痛や下痢、腹痛などの消化器症状が現れることがあるからだ。
前述したモモルデシンという栄養素は過剰に摂取すると、胃液が分泌されすぎてしまうため、胃に負担がかかる。ゴーヤの栄養を健康に役立てるためには、適度な量のゴーヤをいただくのがよい。
適度な量とはどのくらいか疑問に感じる人もいるだろう。じつはゴーヤには、一律に摂取量の上限が決められているわけではない。 胃腸が弱い人はゴーヤを控えめにするなど、自分の体質や体調に合わせて調節するのがよいだろう。

結論

「良薬口に苦し」という言葉があるが、ゴーヤはまさに名を体で表した食材だろう。ゴーヤは熱に強いビタミンCをもつので、生で食べる以外にも、油炒めや蒸し焼きなどバラエティー豊かな食べ方で栄養を摂取できるのも魅力のひとつだ。食べ過ぎに注意しつつ、さまざまなレシピで、ゴーヤの健康パワーを感じていただきたい。
(参考文献)
※1 文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06205_7

※2 公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html

※3 厚生労働省「e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html

※4 厚生労働省「e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html

※5 厚生労働省「e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html

※6 厚生労働省「e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html
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  • 公開日:

    2017年4月 2日

  • 更新日:

    2021年6月29日

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