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中鎖脂肪酸が豊富!【ココナッツ】の栄養と効果・効能を詳しく解説!

中鎖脂肪酸が豊富!【ココナッツ】の栄養と効果・効能を詳しく解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2020年12月16日

ココナッツは、東南アジアをはじめ世界中の熱帯地方で広く食されている果実だ。最近では含まれている栄養がもたらす体への効能も注目されている。本稿ではココナッツオイルやココナッツミルクなど形態別に栄養一覧を紹介するとともに、中鎖脂肪酸などの効能を解説する。

  

1. ココナッツとは

最初に、ココナッツに関する基礎知識から簡単に説明しよう。

ヤシ科の植物「ココヤシ」の果実

ココナッツは主に熱帯地方に自生する植物で、ココヤシの果実のことをいい、椰子の実と呼ぶことも多い。繊維状の硬い殻の中には大きな種子があり、種子の中は胚乳で満たされているのが特徴だ。

ココナッツは用途が広い

ココナッツは果実や花などの部位、あるいは成熟時期などによっていろいろな使われ方をする。代表的なものでいえばココナッツオイル、やココナッツミルク、ココナッツウォーターやココナッツパウダーなどだ。ナタデココの原料にもなるほか、ボウルやスプーンなどの食器、民芸品、衣類の装飾品などに活用されることもある。

2. ココナッツオイルの栄養

まずはココナッツに含まれる栄養から見てみよう。以下は文部科学省「食品成分データベース」(※1)によるものだ。

ココナッツオイルとは

種子内部の胚乳から抽出される油脂がココナッツオイルで、ヤシ油とも呼ばれる。気温20℃で固形に、25℃以上で透明の液状に変化するのが特徴で、料理のほかコーヒーフレッシュや食器用洗剤などにも利用される。

ココナッツオイル100gあたりの主な栄養一覧

  • エネルギー:921kcal
  • たんぱく質:0g
  • 脂質:100.0g
  • カルシウム:Tr
  • 亜鉛:Tr
  • ビタミンE(トコフェロール)
    └α:0.3mg
    └γ:0.2mg
    └δ:Tr
  • ビタミンK:Tr
  • 脂肪酸
    └飽和:83.96g
    └一価不飽和:6.59g
    └多価不飽和:1.53g
  • コレステロール:1mg
当然のことだがオイル(油)なのでカロリーが高く、脂質は100%である。一度に多量に摂取することはまずないだろうが、念のため気には留めておこう。母乳にも含まれ、体脂肪として蓄積されにくいといわれている「中鎖脂肪酸」が含まれているなど、健康効果が注目を浴びている。しかし、血中コレステロールを上げるとされる飽和脂肪酸も多く含まれているため、適量を守ることが大切だ。

3. ココナッツミルクの栄養

続いて、ココナッツミルク100gあたりの主な栄養を見ていこう。同じく文部科学省「食品成分データベース」(※2)を参照したものだ。

ココナッツミルクとは

成熟したココナッツの種子の中にある、固形胚乳を砕いて絞り出し液状にしたものがココナッツミルクだ。水とともに弱火でじっくり煮込んで作られる。アジア料理やインド料理、南米料理などに幅広く使われており、飲料の材料にもなる。口当たりがマイルドになることから、スパイスと一緒に使われることも多い。

ココナッツミルク100gあたりの主な栄養一覧

  • エネルギー:150kcal
  • 水分:78.8g
  • たんぱく質:1.9g
  • 脂質:16.0g
  • 炭水化物:2.8g
  • 灰分:0.5g
  • ミネラル
    └ナトリウム:12mg
    └カリウム:230mg
    └カルシウム:5mg
    └マグネシウム:28mg
    └リン:49mg
    └鉄:0.8mg
    └亜鉛:0.3mg
    └銅:0.22mg
    └マンガン:0.59mg
  • ビタミンE(トコフェロールα):Tr
  • ビタミンB群
    └B1:0.01mg
    └ナイアシン:0.4mg
    └B6:0.02mg
    └葉酸:4μg
  • 脂肪酸
    └飽和:13.20g
    └一価不飽和:0.76g
    └多価不飽和:0.13g
  • 食物繊維
    └水溶性:0.2g
ミネラルやビタミンを多く含むほか、脂肪分の含有量も多い。オイル同様、中鎖脂肪酸が豊富なのが特徴だ。なおスーパーなどで手に入るココナッツミルクは、パッケージを開封すると濃い部分と薄い部分に分離していることが多い。よく振るかかき混ぜるなどしてから使おう。

4. ココナッツウォーターの栄養

お次は「天然のスポーツドリンク」とも呼ばれるココナッツウォーターの栄養素を紹介しよう。同じく文部科学省「食品成分データベース」(※3)による。

ココナッツウォーターとは

まだ成熟していないココナッツの、種子の中液状胚乳をココナッツウォーターという。電解質などミネラルやビタミンを多く含むのが特徴だ。低カロリーで脂質もほとんどないことから、ダイエットやデトックスドリンクとしても人気を集めている。

ココナッツウォーター100gあたりの主な栄養一覧

  • エネルギー:20kcal
  • 水分:94.3g
  • たんぱく質:0.2g
  • 脂質:0.1g
  • 炭水化物:5.0g
  • 灰分:0.4g
  • ミネラル
    └ナトリウム:11mg
    └カリウム:230mg
    └カルシウム:11mg
    └マグネシウム:6mg
    └リン:11mg
    └鉄:0.1mg
    └亜鉛:0.1mg
    └銅:Tr
    └マンガン:0.16mg
  • ビタミンB群
    └B1:0.01mg
    └B2:0.01mg
    └ナイアシン:0.1mg
    └葉酸:1μg
  • ビタミンC:2mg
  • コレステロール:0mg
天然のスポーツドリンクと呼ばれるのは、ナトリウムやカリウム、カルシウムやマグネシウムといったミネラルが豊富なことに起因する。加えてビタミンB群やCも一緒に摂れる効率のよい飲み物だ。しかも市販のスポーツドリンクと違いカロリーは低い。

5. ココナッツパウダーの栄養

もうひとつ、ココナッツを使った食材で忘れてはいけないのがココナッツパウダーだ。やはり文部科学省「食品成分データベース」(※4)から、主な栄養一覧を紹介しよう。

ココナッツパウダーとは

成熟したココナッツの種子の中にある、固形胚乳を砕くところまでは、ココナッツミルクと同じだが、パウダーは水と煮込むなどせず、そのまま乾燥させてパウダー状に加工したもののことをいう。パウダーはきめ細かく、いろいろな料理に混ぜることでココナッツのほのかな甘さや風味を加えることができる。

ココナッツパウダー100gあたりの主な栄養一覧

  • エネルギー:668kcal
  • 水分:2.5g
  • たんぱく質:6.1g
  • 脂質:65.8g
  • 炭水化物:23.7g
  • 灰分:1.9g
  • ミネラル
    └ナトリウム:10mg
    └カリウム:820mg
    └カルシウム:15mg
    └マグネシウム:110mg
    └リン:140mg
    └鉄:2.8mg
    └亜鉛:1.4mg
    └銅:0.80mg
    └マンガン:1.41mg
  • ビタミンB群
    └B1:0.03mg
    └B2:0.03mg
    └ナイアシン:1.0mg
    └B6:0.09mg
    └葉酸:10μg
    └パントテン酸:0.25mg
  • 脂肪酸
    └飽和:55.25g
    └一価不飽和:4.34g
    └多価不飽和:1.01g
  • 食物繊維
    └水溶性0.5g
    └不溶性:13.6g
ミネラルやビタミン、脂肪酸や食物繊維などさまざまな栄養素が含まれていることが分かる。水分がないため100gあたりのカロリーはかなり高くなるが、一度に使う量はそれほどでもないため極端に気にすることはないだろう。長期保存が可能なので、日々の料理に少しずつ取り入れるといった使い方がおすすめだ。

6. ココナッツの栄養で注目の中鎖脂肪酸とケトン体とは?

ココナッツの栄養素として注目されている中鎖脂肪酸と、その中鎖脂肪酸を摂取する際に生成されるというケトン体について詳しく解説しよう。

中鎖脂肪酸

中鎖脂肪酸は肝臓で直接分解されるため、エネルギーへの変換の速さにおいて優れているといわれている。固形胚乳を原料に作られるココナッツオイルやココナッツミルクなど、中鎖脂肪酸を多く含むものは体内での燃焼効果が高い。しかも脂肪として蓄積されにくいという特徴がある。脂肪が気になるという方は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか?ただし肝臓で分解されるということは、肝機能が低下している方にとっては適さないおそれがある。事前にかかりつけの医師などに相談しておくと安心だ。

ケトン体

中鎖脂肪酸を摂取する際に生成される「ケトン体」という物質には、活性酸素を除去する作用があるといわれている。活性酸素は微量であれば身体に有用なものの、大量に発生すると動脈硬化や老化、がんを招くこともある。ケトン体だけで活性酸素を除去できるわけではないが、上手に摂取すれば動脈硬化や老化の防止などにつなげられるかもしれない。またココナッツには強い抗酸化効果をもつビタミンEも含まれているため、エイジングケア効果も期待できる。

結論

東南アジアなど熱帯地方の「食」のみならず、果実の皮や木の加工品などでも経済を支えているのがココナッツだ。現地の人々にもエネルギー源として用いられているココナッツを、日々の生活に役立ててみてはいかがだろうか?

(参考文献)

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  • 公開日:

    2017年6月27日

  • 更新日:

    2020年12月16日

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