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南高梅?白加賀梅?おいしい【梅】の種類と選び方

南高梅?白加賀梅?おいしい【梅】の種類と選び方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年7月 1日

「梅仕事」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。端的にいうなら、その年に収穫された梅を使って、梅酒や梅干しなどを作ること。四季のある日本ならではの風物詩といえる。青梅の爽やかな香りに初夏の訪れを感じ、黄色く熟した梅の芳醇な香りに夏の到来を思う。忙しい日常に、そうした暮らしのエッセンスを加えてはいかがだろう。

  

1. 種類と特産地

ひとえに梅と言っても様々な種類がある。梅干しに向いている品種、梅シロップに向いている品種など、目的に合わせて梅の品種も押さえておこう。

南高梅

梅といえば、誰もが知っているであろう「南高梅」。全国1位の梅の生産地である和歌山県を代表する品種で、高級梅干といえば南高梅と思う人が多いだろう。実の粒が大きいのに種が小さく、皮が薄くて果肉が柔らかいので、梅酒や甘露煮など梅そのものを食べる物に向いている。よく日が当たった部分がほんのりと赤くなるのが特徴。毎年、こだわって梅干を作る家庭では、この南高梅を指定して産地から取り寄せているようだ。

白加賀梅

江戸時代から栽培されており、生産量の多い梅だ。全国で作ってはいるが、主な産地は関東地方。南高梅と同様、実の粒は大きく、陽光に当たった面は熟すとともに紅を差してくる。果肉は緻密で肉厚ながら繊維が少ないので、梅干に適している。梅酒にもオススメ。

古城

南高梅のように一般的に名前は知られていないが、青いダイヤモンドと呼ばれている和歌山県特産の梅。南高梅に比べて実がしっかりと硬いので、梅酒や梅シロップを作るのに向いている。南高梅と同じように、生産量は少なく希少価値の高い梅といえる。

竜峡小梅、甲州小梅

カリカリ梅干用の小粒の梅の品種。竜峡小梅は長野県、甲州小梅は山梨県で多く栽培されているものだ。他に宮城県、埼玉県、千葉県の小梅も知られている。また、和歌山県のパープルクイーンという小梅は、実の全体が赤く色づいているのが特徴。梅酒や梅シロップにすると、実から赤色が滲み出してきて、梅酒や梅シロップがきれいな赤い色に仕上がる。

2. 選び方

まず基本的に覚えておきたいのが、梅は熟し方の違いによって用途が異なるということだ。
6月初旬から多く店頭に出回る実が緑色の青梅は、梅酒や梅シロップに適している。一方、少し時期がずれて出回る黄色がかった梅は、梅干用。鮮やかな緑色から熟すにつれて黄色みを帯びてくる。それに伴い、甘酸っぱいような芳醇な香りも放つようになる。
なお、梅ジャムを作るのは、青梅でも熟した黄色い梅でもOK。青梅と熟した梅とでは、仕上がりの色と味が全く異なり、どちらも捨て難い。

梅を購入する時には、まず表面の皮に虫食いや黒い斑点がないかチェックしよう。虫が食った後や黒ずんだところがあると、そこから苦味が出たり、エキスが濁ったりするからだ。用途別の選び方は以下に紹介する。

梅酒、梅シロップ

梅が市場に出回り始めた頃の、実が鮮やかな緑色で少し硬いくらいのものを選ぼう。粒の大きさが揃っているものを選んだ方が、梅から出るエキスが均等になる。梅酒を作る際の注意点として、使用するお酒は、アルコール度数20度以上のものとし、ご自分で飲むための作り方として参考にしてほしい。アルコール度数が20度未満のお酒で梅酒を作ることや、販売目的で自家製梅酒を作ることは、酒税法違反(※)となるため十分に注意してほしい。

梅干

粒が大きく揃っていて、果肉が厚いものを選びたい。全体的に黄色がかった色の梅が適しているが、熟し始めると急激に熟度が進み、皮が破けやすくなってしまうので、買い求めたらなるべく早く漬けよう。

梅ジャム

青梅で作る時も黄色い梅で作る時も、果肉が厚くぷっくりしている方が、ジャムがたくさんできる。多少黒ずんでいるところや虫食いのところがあっても、そこを包丁で切り取ってから調理すればOK。

3. 食べ方

都会の住宅事情において、また夫婦共働きの家庭では、梅雨明けと同時に3日3晩梅を干さなければならない梅干作りはなかなかハードルが高い。そこで、まず手っ取り早く挑戦していただけるのが、梅酒と梅シロップだ。
どちらも事前準備は、以下の通り。

事前準備

(1)青梅を洗って3時間程度水につけ、アクを抜き、乾いた布巾で一粒ずつ丁寧に水気をふき取る。
(2)梅のなり口の黒い部分(へそのようなところ)を、竹串で取り除く。これをしないと、この黒い部分から傷んでくるので、このひと手間を忘れずに。
(3)ガラスの広口瓶をきれいに洗い、水分をよく拭き取り、焼酎を含ませた布かペーパータオルで中を拭いておく。これは、消毒のため。瓶全体を煮沸して消毒するか、キッチン用の消毒アルコールを吹き付けて拭いておいてもいい。

梅酒の場合

梅酒であれば梅と氷砂糖を瓶の中に交互に入れ、35度焼酎を注ぎ入れて冷暗所で保存する。基本の分量は、青梅1kgに対して氷砂糖500gと焼酎1.8ℓをいれよう。

梅シロップの場合

梅シロップの場合は、梅にフォークを刺してエキスが出やすくし、瓶に青梅と砂糖を交互に入れ、最後に砂糖で梅を覆って蓋をし、冷暗所で保存する。毎日瓶を揺すって、梅と砂糖が混じり合うようにするのがコツ。梅1㎏に対して砂糖1㎏が分量の目安だ。10日程でエキスが出てシロップが出来上がる。
梅がシワシワになったら、取り出して、シロップだけを冷蔵庫で保存。水や炭酸で割ったジュースは、子供にも喜ばれるはず。日が経つにつれ、シロップが黄色く色づいてきて、味にコクが出てくるのも楽しい。

結論

庭に梅の木がある家なら、梅の実を採るのは毎年恒例の行事になっていたのでは?「今年もたくさん成ったなあ」とか「今年は少ないなあ」などと話しながら、汗をかきながら親子で梅の実を採った日。そんな日々を思い出しつつ、家族で梅仕事に挑戦してはいかがだろう。
(参考文献)
※国税庁 【自家醸造】
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/32.htm
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  • 公開日:

    2017年7月25日

  • 更新日:

    2021年7月 1日

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