1. 卵は料理によって混ぜ方を変える

卵はそのまま卵かけご飯に使うこともできるし、卵焼きや親子丼、茶碗蒸しなど、さまざまな料理で活躍してくれる。ただ、なめらかに仕上げたい時とふんわりした食感にしたい時もある。実は、卵は、料理によって混ぜ方を変えなければならない。
■ふわとろ卵に仕上げたい時
卵とじのように完全に凝固させたいわけではないが、とろっとした感じとふんわりした食感を味わいたい料理がある。その場合は、卵を混ぜすぎてはいけない。卵を混ぜすぎると、コシがなくなり卵が凝固する力が弱くなる。固まりにくくなると、ふんわりした食感に仕上げることができないのだ。スクランブルエッグは、卵とじほどとろふわ感はないが、ふんわりした食感に調理するためには、卵とじと同じく卵を混ぜすぎないようにする。
■なめらかな食感に仕上げたい時
だし巻き卵や茶碗蒸し、プリンなどのように、なめらかな食感に仕上げたい料理もある。こうした料理の場合は、白身と黄身をしっかり混ぜる必要がある。卵白を切るように混ぜて、裏ごししてから調理するとよい。
なぜ料理によって卵の混ぜ方が変わるのか、それは白身と黄身の凝固温度が関係している。白身は80度で完全に固まるが、黄身は70度~75度で固まる。あえて固まり方の違いを利用して、あまりかき混ぜないようにすることでとろふわ感が生み出せる。逆に、しっかりと混ぜて均一に火を通し、なめらかな食感にすることもできるのである。
なぜ料理によって卵の混ぜ方が変わるのか、それは白身と黄身の凝固温度が関係している。白身は80度で完全に固まるが、黄身は70度~75度で固まる。あえて固まり方の違いを利用して、あまりかき混ぜないようにすることでとろふわ感が生み出せる。逆に、しっかりと混ぜて均一に火を通し、なめらかな食感にすることもできるのである。
2. 卵とじをとろふわ食感に仕上げるには

卵とじをとろふわ食感に仕上げるには、どのように卵を混ぜたらいいのだろうか。ポイントを紹介する。
■菜箸を使って混ぜる
混ぜすぎないためには、道具も選びたい。とろふわ食感に仕上げるためには、卵を混ぜすぎてはいけないので、菜箸を使うのがおすすめだ。逆になめらかな食感にする時は、泡立器を使うとよい。
■卵白のコシを残す
卵を混ぜる時は、卵白のとろっとしたコシを残すように混ぜる。コシを失うと卵が固まる力が弱くなり、ふわふわした食感が出せないのだ。菜箸ですくってみた時に、白身と黄身が切れていて、大きなかたまりがなくなる程度で十分である。
■混ぜ方
卵をボウルに割り入れ、菜箸の先をボウルにつけながら、大きく混ぜる。白身が残っていても気にしなくてよい。
■調理する直前に混ぜる
調理する直前にときほぐす。ときほぐしてから時間が経過すると、ふんわりした食感に仕上がらないのである。
■薄焼き卵は例外
薄焼き卵だけは、茶碗蒸しのようななめらかな食感とも卵とじのようなふわとろ食感とも異なる。卵の混ぜ方も他の料理とは違う。菜箸を使って混ぜるのだが、箸先を上下に往復させて切るように混ぜてコシを残さない。均一な仕上がりにするため、卵液は裏ごしするとよい。
3. さらにとろふわの卵とじにするには

卵を混ぜすぎない、白身のコシを残して空気を含ませることが卵とじを成功させる秘訣だ。しかし、卵をもっととろふわに仕上げることができる調味料がある。キッチンに常備している調味料とは。2つの調味料を紹介する。
■「マヨネーズ」を混ぜる
とろふわ食感の卵とじを作るには、マヨネーズを卵液に混ぜるとよい。卵4個にマヨネーズ大さじ1の割合だ。卵をボウルに割り入れたら、マヨネーズを入れ、ほぐすように菜箸で混ぜる。この時、マヨネーズがだまになることがあるが、多少だまが残っても気にしなくてよい。加熱したら溶けてなくなってしまう。
■なぜ「マヨネーズ」を入れるととろふわの卵とじができるのか。
卵料理は、卵を加熱することでタンパク質が結合し、凝固する。しかし、卵にマヨネーズを混ぜると、植物油脂がタンパク質を柔らかに結合させるのだ。マヨネーズの植物油脂は乳化されているので、冷めても固まらず、長時間ふわとろ食感を維持できる。
■「砂糖」を加える
卵とじをふわとろ食感にするやり方は、マヨネーズの他に砂糖を加えるという方法もある。卵のタンパク質は加熱することで固まるが、砂糖を加えることで凝固する温度が高くなる。そのため、加熱してもふわとろ食感を維持できるのである。
結論
卵とじを作る時には、卵白のコシを残すようにざっくり菜箸で混ぜればよい。鍋には一気に卵液を入れず、まず3分の2程度入れて加熱し、概ねとろふわになったら、残りの卵液を回し入れたら出来上がる。卵液を2回に分けて入れる方法はカツ丼などの丼にも応用できる。ぜひお試しいただきたい。