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じゃがいもの芽には毒がある?正しい保存方法で予防しよう!

じゃがいもの芽には毒がある?正しい保存方法で予防しよう!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年6月21日

じゃがいもの芽は毒があるから、取り除かなくてはいけない。とはいえ、実際は食べても平気でしょ?と思っている人がほとんどではないだろうか。侮るなかれ、じゃがいもの芽に含まれている毒は、食中毒にも繋がる危険性があるのだ。今回は、そんなじゃがいもの芽の毒とその取り除き方をレクチャーしていく。

  

1. じゃがいもの芽には毒があるってホント?

じゃがいもの芽には、一体どんな毒が含まれているのだろうか。ここでは、じゃがいもの芽に含まれる毒について、また食中毒が起きた場合に考えられる症状や危険性について解説する。

ソラニンとチャコニン

スーパーで買ってきたじゃがいも。少し置いておいたら、芽がたくさん出てきてしまった。そんな経験はないだろうか?そのじゃがいもの芽には、ソラニンとチャコニンという天然毒素の一種が含まれている。芽と同様、やや緑がかった皮部分にもこの成分が多く含まれる。

天然毒のあれこれ

天然毒とは、一体何か?たとえば、フグやキノコなどもその一部。動植物の中に含まれる毒成分のこと。摂取すると食中毒を起こす危険性がある。細菌性食中毒と比べると件数、患者数はそれほど多くないが、致命率の高いものもあり、注意が必要だ。

中毒になる危険性

じゃがいもに含まれるソラニンやチャコニンは、フグ毒のように致命率が高い天然毒ではない。とはいえ、大量に摂取するとやはり危険。症状としては、吐き気や下痢、嘔吐、腹痛、頭痛、めまいなどが考えられる。さらに、体調や体質によって、症状の現れ方には差があるので、注意が必要だ。とくに幼い子どもや高齢者など、身体の弱い人が摂取する場合は重症化するおそれもあるため、とくに気をつける必要がある。症状が現れるのは、摂取して数時間経過後から12時間程度の消化が終わるまで。そのため、摂取後にすぐ症状がないからといっても油断は禁物。摂取量によっては重症化する危険があるので、侮ってはいけない。重症の場合には、意識障害や痙攣、呼吸困難などの症状が考えられる。農林水産省のデータによると、体重50kgの人が150~300mg程度のソラニンやチャコニンを摂取すると死に至ることも起こりかねない。中毒を引き起こさないために、じゃがいもの下処理は念入りに行っておくと安心だ(※)。

2. 毒はじゃがいもの芽にしかない?

毒が含まれているのは、じゃがいもの芽だけではない。ここでは、じゃがいもの芽以外に毒が含まれている箇所や注意点について紹介する。

じゃがいもの芽の周辺

じゃがいもの中でも、とくにソラニンやチャコニンなどの自然毒が多く含まれる部分がある。よく知られているのが、前述の芽の部分だ。なぜじゃがいもの芽に多くの毒が含まれているのかというと、動物などに食べられないように身を守るためである。農林水産省のデータによれば、じゃがいもの可食部分に含まれるソラニンやチャコニンは100gあたり約7.5mg。毒の濃度が高いのは芽の部分だけでなく、皮や芽の周辺にも及ぶ。さらには、じゃがいもの身の部分すらも微量の毒が含まれている(※)。

じゃがいもの皮

じゃがいもの天然毒は、じゃがいもの皮にさえ含まれている。じゃがいもの皮は、皮の内側に比べると毒素の濃度が高い。農林水産省のデータによると、じゃがいもの可食部に含まれるソラニンやチャコニンのうち、3~8割が皮の周辺に含まれているため、じゃがいもの皮はなるべく食べないことを推奨している。普通の見た目のじゃがいもの皮はもちろん、緑に変色している場合はとくに毒素の濃度が高いので、厚めにむくなど注意が必要だ(※)。

小さすぎるじゃがいも

比較的簡単に栽培できるじゃがいもは、学校や家庭菜園で作られることが多い。しかし、じゃがいもを育てる場合には注意点がある。というのも、未熟で小さなじゃがいもは毒素の濃度が高い場合があるのだ。そのため、じゃがいもは大きく、成熟してから収穫する必要がある。また、じゃがいもの種を植える際には、大きく育つよう十分な肥料をあげ、余計な芽を抜き取るといった工程が重要だ。じゃがいもが育つうち土から出てしまうケースがあるが、じゃがいもが土から出てしまうと太陽の光の影響を受けてしまう。じゃがいもが太陽の光に当たると、緑色に変色し毒素が増えてしまうため、種植えのタイミング以外でも必ず上から土をかけ、じゃがいもが土から出ないように注意しよう。

そのほかに注意すべきことは?

毒素の濃度が高いじゃがいもであれば、口に含んだ際に苦みやえぐみを感じやすいという特徴がある。じゃがいもの味の異変に気付いても、中にはせっかくの料理を食べないのは勿体ない、きっと大丈夫だろうという気持ちで、ついついじゃがいも料理を食べ進めてしまう人もいるだろう。しかし前述した通り、じゃがいもに含まれるソラニンやチャコニンが原因で起こった食中毒は侮れない。見た目は普通のじゃがいもでも、毒素の濃度が高い場合もあるので自分の味覚を信じて判断するのも大切である。じゃがいもの味がいつもと違う、苦いような気がするなど、少しでも変だなと感じたら自分の身はもちろん、周りの人の安全を守るため、食べるのをやめておくのが得策だ。

3. じゃがいもを安全に食べる方法

天然毒を含むじゃがいもだが、調理前に下処理をすれば安全に食べることができる。ここでは、安全に食べるための下処理方法を解説する。

じゃがいもの芽を取る方法

じゃがいもの天然毒の摂取を控えるには、毒性の強い部分を取り除くのが正解。まずは芽の部分。実はこれ、芽だけを取り除けばいいというわけではない。芽だけでなく、周辺も毒性が強いので、広くえぐるように取るといいだろう。使う道具別に、じゃがいもの芽取り方法を見ていこう。

・包丁を使った芽取り

じゃがいもの芽取りで一般的な方法といえば、包丁でえぐりとる方法だろう。包丁の柄を短く持って刃の根元をじゃがいもの芽の周辺に刺し、深めに確実に除去する。

・スプーンを使った芽取り

じゃがいもをレンジ加熱、または茹でたあと、皮むきしたものであれば、スプーンを使ってざくっと芽取りする方法が簡単。手を切る心配がないため、子どもでもチャレンジできる。

・つまようじを使った芽取り

じゃがいもを皮付きのまま調理する場合は、つまようじを使うとピンポイントで芽取りしやすい。じゃがいもの芽の隙間につまようじを刺し、くるっと動かせば芽取りできる。

じゃがいもの皮をむく方法

前述した通り、じゃがいもには芽だけでなく、皮を含む周辺にも天然毒が含まれているため皮付きのまま食べないほうがよい。皮をむく際はピーラーで薄くむくよりも、包丁で削ぐような感覚で厚めにむくと安心だ。

加熱しても毒素は取り除けない?

ソラニンやチャコニンは、加熱では分解されない。170℃以上の油で揚げると減るといわれているが、それよりもずっと有効なのが、水にさらすといった下処理。ソラニンとチャコニンは、水に弱い性質があるので、さらすことである一定量の毒素が水に排出される。面倒くさがらずに、水にさらすことをおすすめする。

4. じゃがいもの適切な保存方法

じゃがいもを安全にいただくためには、適切な方法で保存することが重要。保存の方法を誤れば、天然毒の濃度が高くなったり早々に傷んでしまったり、といった危険性もあるので注意しよう。

大敵は光

じゃがいもの芽の成長や皮の変色には、光(光合成)が大きく関係している。自宅で保存する場合、日の当たらない冷暗所で保存するのが吉。ちなみに、明るい場所で長期保存をすると芽はグングン伸び、皮は緑に変色してしまうので注意しよう。また、家庭菜園で作ったじゃがいもの場合、いもが地上に出ないよう土をしっかり盛る土寄せという作業が上手に行われていないケースがある。そうすると光に当たりやすく、どうしても毒性の強いじゃがいもになってしまう。光に当てない、ということを念頭に置いて育てよう。

じゃがいもの常温保存方法

じゃがいもの保存には10℃前後が適しているといわれているため、基本的には常温で保存するのがよい。湿気に弱いため新聞紙で包み、段ボールや紙袋、麻袋などに入れて保存しよう。陽の光が当たらない風通しのよい場所で保存すると傷みにくい。ひと工夫することで4ヶ月程度日持ちする。

りんごと一緒に保存

りんごから発生するエチレンガスは、野菜や果物の成熟をどんどん進めて腐りやすくしてしまうため、近くに保存するのはよくないとされている。しかし、このエチレンガスには発芽を抑制するはたらきもあるため、じゃがいもをりんごの近くに置いておくと、芽が出にくくなるのだ。よって、じゃがいもの発芽を遅らせたい場合は、りんごと一緒に保存するのがよいといわれている。

じゃがいもの冷蔵保存方法

前述したようにじゃがいもは常温保存が好ましいが、気温の高くなる夏場には冷蔵庫の野菜室で保存するのがよいだろう。同じいも類であるさつまいもは低温障害のおそれから夏場でもなるべく常温保存にするのがよいとされているが、じゃがいもの場合はさつまいもほど弱くはないため、芽の出やすい夏には野菜室で保存するのがおすすめだ。野菜室での保存が可能とはいえ、低温に弱いことに変わりはないので、冷気からじゃがいもを守るよう新聞紙などで包んで保存するのがよい。また、野菜室内は乾燥しやすいため、新聞紙で包んだ上からビニール袋などに入れるようにし、湿度を保とう。じゃがいもを冷蔵保存する場合は涼しい時期に常温保存する場合に比べて傷みやすいため、なるべく早く使いきるようにしよう。野菜室で適切に保存すれば、3ヶ月程度もつ。

じゃがいもの冷凍保存方法

じゃがいもは乱切りやくし形など、形を残して冷凍するとボソボソとした食感になってしまう。そのため、じゃがいもは冷凍保存には向かないといわれており、余ったカレーなどを冷凍する際もじゃがいもは取り除くのがよいとされている。とはいえ、まったく向かないわけではない。あるひと工夫をすれば、じゃがいもも冷凍することができるのだ。
  • じゃがいもはキレイに洗って、皮をむく。芽が出ている場合は包丁の角で取り除いておく。
  • 熱湯で茹でるか、電子レンジでやわらかくなるまで加熱する。
  • 熱いうちにフォークまたはマッシャーなどでかたまりが残らないようにつぶす。
  • 粗熱が取れたら1回分ずつ小分けにしてラップし、フリーザーバッグなどに入れて冷凍する。
冷凍することによって食感の違いが顕著に現れるじゃがいもは、形が残らないようにつぶしてしまうことで冷凍後も美味しく食べることができる。大量に購入して食べきれない場合には試してみるとよいだろう。冷凍で約1ヶ月もつので、蒸したじゃがいもが余ったときなどにも試してみてほしい。

結論

いかがだっただろうか?じゃがいもの芽に多く含まれるソラニン、チャコニンと呼ばれる天然毒。大人でも、気をつけないと食中毒になる危険性のある毒。とくに小さな子どもには注意が必要だ。上手に処理して、美味しいじゃがいも料理を楽しみたい。
  • 公開日:

    2017年9月12日

  • 更新日:

    2021年6月21日

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