1. 生肉を扱う時の注意

牛肉は生ものだ。下処理を行う前に衛生面にも気をつけよう。
手を洗いケガをチェック
基本中の基本は、手洗い。手洗い用の殺菌効果のある石鹸などで、爪の中や指の間まで洗おう。
手をケガしている場合は、雑菌が肉に移ってしまわないようにビニール手袋等をして触れると安心だ。
手をケガしている場合は、雑菌が肉に移ってしまわないようにビニール手袋等をして触れると安心だ。
調理道具は野菜と分ける
包丁やまな板は、食材によって分けたほうが無難だ。表裏で使い分けてもいい。衛生上の理由だけでなく、肉用の包丁を用意すると切れ味も気分もアップするのでおすすめだ。調理中は生肉の汁が、他の食材にかからないようにも注意すること。
使用後の道具は消毒
使用後は、よく洗った後、熱湯をかけて風通しのよい場所で乾燥させておこう。道具を洗ったキッチンスポンジも、同様に洗剤でよく洗い乾燥させる。
2. 牛肉の下処理

ドリップ(汁)を拭き取る
肉からは、ドリップと呼ばれる水分が出る。臭みの原因にもなるので、クッキングペーパーでしっかり拭き取ること。
部位に合わせた処理を!
肉は加熱するとたんぱく質が変性をおこして縮む。これを防ぐためにも、繊維や筋を切っておく。焼く時は元の形に戻してから焼こう。
- 牛サーロイン
肉たたきやすりこぎなどで均一に叩いて伸ばすことで繊維を壊す。 - ロース
肉の筋や繊維を2~3ヶ所切って筋切りをしておく。脂肪と赤身の間の筋にも切れ目をいれよう。 - カットする場合
かたまり肉をカットする場合は、繊維に垂直に切ることで食べやすくなる。
薄切り肉の場合は、逆に繊維に沿って切ることで丸まってしまう状態を防げる。
塩・こしょうは直前に
塩には味をつける他にもとても重要な働きがある。塩をふってから焼くと、肉の表面のたんぱく質が凝固し、中のうま味が逃げない。また濃い食塩水が表面を覆う状態になるため、肉はこれを薄めようと奥の水分を出す。それによって身が引き締まり、美味しく焼くことができる。
塩をふってしばらく放置してしまうと、肉汁が流出し過ぎて、うま味まで失うことになるため、直前にふるように気をつけよう。肉全体に均一にふることもポイントだ。
塩をふってしばらく放置してしまうと、肉汁が流出し過ぎて、うま味まで失うことになるため、直前にふるように気をつけよう。肉全体に均一にふることもポイントだ。
3. 調理法ごとのポイント

ゆでる
火が通りにくいかたまり肉は、水からゆでるようにしよう。沸騰後は弱火でゆっくり火を通すことで、硬くなるのを防げる。
炒める
切り方や大きさを揃えることで、均一に火が通る。また炒める前に下味をつけておくのもいい。先に肉を炒めたら一度取り出し、次に他の野菜などを炒め、最後に合わせると硬くならず美味しく仕上がる。
焼く
冷蔵庫から出してすぐに焼くと、内部温度が上がらず表面だけが焦げる原因になりがちだ。焼く30分前には冷蔵庫から出して室温に戻しておく。厚みのある肉をしっかり焼きたい場合は、強火で焼き色をつけてから中火~弱火で中まで火を通す。
煮る
熱湯にくぐらせて霜降りにするか、表面を焼いて、余分な脂や臭みを取っておく。煮込む際は、まず強火でアクを出し、煮立ったら中火から弱火とやわらかく煮るようにしよう。
結論
いつもの牛肉も、一度きちんと下処理をして正しく調理すると、仕上がりが全然違うということに気がつくはず。奮発して高級な牛肉を買わなくとも、ほんのひと手間で贅沢な味は引き出せるのだ。