1. 料理の基本!茹でると湯がくの意味や違いとは

茹でると湯がくは同義語と思っている人も多いかもしれない。しかし、この2つの言葉には歴とした違いがあるのである。まずはその相違を明確にしてみよう。
茹でるとは?
「茹でる」は、ひと言でいうならば「お湯に入れて煮る」こと。素材の中までしっかり火を通すことが目的だ。「うでる」ということもある。
パスタを茹でる、ジャガイモを茹でる、卵を茹でる、落花生を茹でるなど調理後は柔らかくなったり硬くなったりと素材の状態が変わるくらい火を通す必要があるものによく使われる。さつまいもや里芋などの芋類も茹でるのが妥当な食材である。また、ベーグルなどのように「茹でるパン」も存在する。
パスタを茹でる、ジャガイモを茹でる、卵を茹でる、落花生を茹でるなど調理後は柔らかくなったり硬くなったりと素材の状態が変わるくらい火を通す必要があるものによく使われる。さつまいもや里芋などの芋類も茹でるのが妥当な食材である。また、ベーグルなどのように「茹でるパン」も存在する。
湯がくとは?
「湯がく」は、短時間お湯に浸すこと。サッとお湯にくぐらせるイメージで、素材の中までしっかり火を通すことはしない。
ほうれん草を湯がく、オクラやもやしを湯がくなど野菜などのアクを抜く場合によく使われる。葉野菜の場合はしんなりする程度まで。そのほか、和え物など、生食できる野菜を少し柔らかくしたい時などにも使われる。また、そうめんを湯がく、など細い麺を茹でる場合に湯がくを使うこともある。
ほうれん草を湯がく、オクラやもやしを湯がくなど野菜などのアクを抜く場合によく使われる。葉野菜の場合はしんなりする程度まで。そのほか、和え物など、生食できる野菜を少し柔らかくしたい時などにも使われる。また、そうめんを湯がく、など細い麺を茹でる場合に湯がくを使うこともある。
茹でるや湯がくの英語表現
日本語ではかくも歴然とした差がある茹でると湯がくは、英語表現においても違いがあるのだろうか。茹でるに相当する言葉としては「boil」がある。これは、しっかりと食材に火を通す際に使われる。一方、「半茹でにする」「湯通しする」の意で使用されるのが「parboil」である。感覚としてはこちらが湯がくに相当するだろう。フランス語では茹でるを意味する「faire cuire à l'eau」、湯がくに相当する言葉は「blanchir」を辞典に見ることができる。
湯がくは茹でるの方言?
方言辞典を見ると、茹でるという言葉を表す方言には「いびる」「うます」などとともに「ゆがえる」という言葉も見える。また、関西では湯がくという言葉で茹でることを表現することも多々ある。食材や調理時間をよく確認し、茹でるや湯がくという表現を実践するとよいだろう。
2. 茹でるや湯がくと似た料理用語

料理用語には、茹でるや湯がくのほかにも熱湯を使って処理する方法を表現した言葉がいくつか存在する。似て非なるこうした表現を、この際おさらいしてみよう。
湯通し
熱湯にサッと通したり、熱湯をかけたりして、表面だけに軽く火を通すこと。湯がくよりもさらに短時間で行う。わかめを湯通しする、こんにゃくを湯通しする、など色鮮やかに仕上げたい時やアクや臭みを抜きたい時などに使われる。ブリを煮る前に湯通しする場合など、魚や肉に関しては「霜降りにする」も同じ意味である。
茹でこぼし
材料を茹でたら、ザルなどに取って茹で汁を捨てること。アクや臭みなどを除きたい時に行う。里芋のぬめり取りや小豆の渋み抜きなどの際によく使われる。
煮る
「茹でる」がお湯で煮て火を通すことなのに対し、「煮る」は調味料を使用した液でしっかり火を通して味をしみ込ませること。
3. 食材を美味しく茹でる・湯がくコツ

それでは具体的に、さまざまな食材は茹でるがふさわしいのか湯がくのが適しているのか、いくつかの例を見てみよう。あくまで基本であるが、イメージとしてつかんでみてほしい。
青菜
ホウレンソウや小松菜などに代表される青菜は、長く茹ですぎると旨みが逃げて食感も失われてしまう。そのため、湯がくのが理に適っている。固い茎の部分から先に茹で、葉はあとから鍋に入れるのがベターである。1分ほど湯がけば青菜の滋味を堪能できる食感となる。
そら豆
ヨーロッパではそら豆を生で食べることもあるが、日本では茹でて食べるのが大半である。豆がふっくらとしてキレイに色づくまで、3~5分加熱する。このため、そら豆は茹でるというのが正しいだろう。茹でる湯は沸騰させないようにするのがコツである。
栗
栗は内部までしっかりと火を通す必要があるため、茹でるのが妥当である。栗は水とともに鍋に入れ、一度沸騰させたら火を止める。10分休ませ、その後30分ほど中火で茹でる。茹であがったあとも湯が冷めるくらいまで待って水切りをする。こうすることでアクが抜けるのである。
鶏肉
鶏肉もしっかりと火を通す必要があるため、茹でることが必須の食材である。鶏肉は、ささみやもも肉など部位によって茹で時間が異なるが、茹で汁にもよい味が出ているのでスープなどに活用したい。野菜などとともに茹でると、自家製コンソメスープとなる。
結論
茹でたり湯がいたりという作業は、決して難しいことではない。しかし、そのわずかな相違を意識することによって、料理の仕上がりの成否を決定することもある。食材や調理法をよく理解し、茹でると湯がくを使い分けてみてほしい。また、熱湯で調理する方法はそれ以外にも存在する。料理の基本としてぜひ頭に入れておきたいものである。