1. こんにゃく協会の想い

誤解を解いたのは、「一般財団法人日本こんにゃく協会」。味がしみやすいしらたきは、すき焼きの美味しさを引き立てる外せない食材。濃い味付けで肉などを食べるすき焼きの、カロリーを抑えるという役目もある。
しかし、「しらたきが肉を硬くする」という風評のため、しらたきの代わりに「くずきり」や「はるさめ」を入れる場合も増えていたという。それではカロリーの抑制も劣るし、やはりしらたきを使ってほしい。ということで、しらたきがすき焼きの肉の硬さに及ぼす影響を確認する試験が行われた。
しかし、「しらたきが肉を硬くする」という風評のため、しらたきの代わりに「くずきり」や「はるさめ」を入れる場合も増えていたという。それではカロリーの抑制も劣るし、やはりしらたきを使ってほしい。ということで、しらたきがすき焼きの肉の硬さに及ぼす影響を確認する試験が行われた。
2. 比較試験と結果

比較試験は、国産と米国産の牛肩ロースを使用。「しらたきなし」「水洗いしたしらたき入り」「下ゆでして水洗いしたしらたき入り」の3つの条件でそれぞれ30秒~1分加熱した肉、3分加熱した肉をモニターが試食して硬さを判定するというもの。
発表された結果は、以下のようなもの。
発表された結果は、以下のようなもの。
- 「しらたき」の有無による肉の硬さへの影響はみられない。
- 肉の硬さへの影響要因は加熱時間と肉の霜降り度合いが大きい。
- 「しらたき」の有無や下処理の違いによるすき焼き鍋(割り下)の pHの変化はほとんどない。
- 一般財団法人日本こんにゃく協会「「しらたき(糸こんにゃく)がすき焼きの肉を硬くする」は誤解だった より抜粋
これまで当たり前だと思って気を付けていたすき焼き作りのコツが、意味がなかったことが判明したのだ。
3. なぜ風評が広がったのか

実験結果を見ると明らかだし、なぜもっと早くにわからなかったのか。そもそもどうしてそんな風評が広がったのだろう。
日本こんにゃく協会によると、しらたきは水酸化カルシウム等の凝固剤で固められたこんにゃく製品なので、こんにゃくに含まれるカルシウムのアルカリ性が肉を硬くすると考えられたためではないかといことらしい。
しかし実際にしらたきに含まれるカルシウム成分は、75mg/100gで、同じくすき焼きの具材としても定番の焼き豆腐の150mg/100gの半分程度。間違った解釈だったことがわかる。
日本こんにゃく協会によると、しらたきは水酸化カルシウム等の凝固剤で固められたこんにゃく製品なので、こんにゃくに含まれるカルシウムのアルカリ性が肉を硬くすると考えられたためではないかといことらしい。
しかし実際にしらたきに含まれるカルシウム成分は、75mg/100gで、同じくすき焼きの具材としても定番の焼き豆腐の150mg/100gの半分程度。間違った解釈だったことがわかる。
4. しらたきを美味しく食べるコツ

これからは思う存分しらたきを入れて大丈夫ということがわかったところで、すき焼きのしらたきをより美味しくするコツを知っておこう。
下ゆでして水分を切る
しらたきは水分の含みやすいため、煮込む前に下ゆでして水分をよく切ってから使用するとよい。
水洗いしてから
市販されているしらたきは凝固剤液と一緒に袋詰めされているものもあるため、水洗いしてから使うことをおすすめする。
ちなみに肉質と加熱時間による柔らかさの違いによると、国産和牛肩ロースは、30秒~1分で「非常に柔らかい」、3分だと「柔らかい」。米国産牛肩ロースは、30秒~1分で「柔らかい」、3分だと「硬い」。という結果。国産和牛に軍配が上がった。
ちなみに肉質と加熱時間による柔らかさの違いによると、国産和牛肩ロースは、30秒~1分で「非常に柔らかい」、3分だと「柔らかい」。米国産牛肩ロースは、30秒~1分で「柔らかい」、3分だと「硬い」。という結果。国産和牛に軍配が上がった。
結論
風評とはこわいもので、一度広まると誰もが疑わない事実のようになってしまうこともある。もしかすると、今私たちが普通に信じている調理のコツや注意点も誤解だったということがあるかもしれない。