1. 松茸の香りの正体

松茸のあの独特の香りは、「マツタケオール」や「ケイ皮酸メチル」という成分によるもの。とくに「ケイ皮酸メチルがあの香りを際立たせている。日本人と馴染みの深い大豆に似た香りである点も、私たちがいい香りだと思う理由かもしれない。
この香り成分は合成にも成功していて、「マツタケエッセンス」としても売られている。「松茸風味」などとうたわれるお吸い物などにも使われている成分だ。人工的に香りを作ってしまうところに、日本人の松茸好きが垣間見られる。
この香り成分は合成にも成功していて、「マツタケエッセンス」としても売られている。「松茸風味」などとうたわれるお吸い物などにも使われている成分だ。人工的に香りを作ってしまうところに、日本人の松茸好きが垣間見られる。
2. 香りに対する海外の反応

日本人は大好き松茸の香りだが、欧米人にとっては悪臭に感じられるらしく、いろいろな臭いに例えられている。
- 革靴にこもった臭気
- 軍人の靴下の臭い
- 数ヶ月間風呂に入っていない不潔な人の臭い
など、かなり不快な臭いという印象だ。ちなみに学名のTricholoma nauseosumはラテン語で「吐き気 (nausea) をもよおさせるキシメジ(きのこの一種)」という意味を持つ。
同じ香りを嗅いで、ここまで印象が違うのには驚きだ。ただし日本以外のすべての国で不評なわけでもなく、韓国やブータンなど東アジアでは食されている。がやはり、これほど珍重しているのは日本だけのようだ。
同じ香りを嗅いで、ここまで印象が違うのには驚きだ。ただし日本以外のすべての国で不評なわけでもなく、韓国やブータンなど東アジアでは食されている。がやはり、これほど珍重しているのは日本だけのようだ。
3. 外国人に不評な日本の食べ物

松茸の他にも、日本人は大好きなのに、外国人には不評な食べ物がいくつかある。
納豆
これは定番だろう。臭いしネバネバしているし、苦手な人も多いことはうなずける。
馬刺し
肉を生で食べる文化自体がない国がほとんど。しかも馬の肉となれば、食べるのは日本人だけだともいわれている。また馬は頭がいい動物というイメージもあり、それを食べてしまうということにも抵抗を感じるようだ。
海苔
最近は世界的な和食ブームやSUSHIの影響で、食べる人もグッと増えてきた。一見真っ黒い紙のような海苔は食べ物として認識されていない頃もあった。「海苔を消化できるのは日本人だけ」という調査結果もある。ただし焼き海苔なら、問題ないようだ。
白子
魚の精巣である点で、抵抗を持つ人が大半。見た目もグロテスクではあるので、気持ちはわからないでもないが、あのトロッと幸せな食感はぜひ一度食べてみてほしい。
ごぼう
きんぴらごぼうなど、日本では定番のおかずに使われているごぼう。独特の香りとえぐみが外国人には受け入れ難いらしい。自国では食べないが、日本へ輸入するためだけに栽培している国もあるという。食物繊維が豊富で健康にもよいということで、最近は少しずつ見直されている様子だ。
卵かけご飯
まず海外のほとんどの国では、卵を生で食べるという習慣がない。サルモネラ菌に汚染されているというイメージも大きく、生の卵をごはんにかけるとは、信じられないという人も多いという。
ふぐ
なぜ猛毒の魚をわざわざ食べるのか、ということらしい。西洋では、地球上で食べられている食材で最も危険な物の一つともいわれている。確かに、美味しいからといって死ぬ危険のあるものを食べているということ。日本人の食に対する信念の強さを改めて感じる。
結論
同じものを食べたり嗅いだりしても、生まれた国や育った環境によって感じ方が違う。味覚というのは不思議だ。レストランで外国の方におすすめの料理を聞かれたら、松茸は外しておいたほうが無難かもしれない。