1. お好み焼きのイロハ
一銭洋食とお好み焼き
お好み焼きの歴史は諸説あるが、一銭洋食との関係が深いとする説が有力。これは水に溶いた小麦粉にネギなどを乗せて焼いたもので、大正時代に駄菓子屋で生まれたもの。ちなみに当時はソースをかけた料理は、なんでも洋食と呼ばれていた。さらに一銭で売られていたことから、その名がついた。具材は、キャベツやスジ肉など、地域や店、時代により様々。これがお好み焼きの原型となって、戦後に発展していった。
基本のお好み焼き
そのほか、各地で独自に発展したお好み焼き。現在では、関西風と広島風に二分されるのが一般的。関西風は、みじん切りにしたキャベツを生地に混ぜ込んで焼くものを指すことが多い。生地をふんわりさせるために、山芋を使うところも特徴的だ。対して、広島風は、小麦粉を水で溶いたものを薄く伸ばして焼き、その上に野菜や肉などを重ねて、焼く。別で中華麺や卵を焼き、最後に合わせるものを指すことが多い。関西風と広島風は、似て非なる食べ物。食感がまるで異なるのだ。
上手に焼く方法
関西風のお好み焼きは、決してヘラで潰してはならない。ヘラでぎゅっと潰すとあのふんわりとした食感が台無し。対して、キャベツなどの具材を蒸し焼きにしていく広島風は、ぎゅっとヘラで潰しながら、全体を調和させる。また、きちんと温まった鉄板で焼くことも大きなポイント。ぬるい鉄板で焼くと水分が無駄に出てしまい、べちょっとした食感になってしまう。ちょっとしたことだが、覚えておくとより美味しく食べることができる。
2. チヂミのイロハ

韓国生まれのチヂミ
チヂミは、韓国料理のひとつ。韓国では、プッチムゲやチョンと呼ばれている。韓国ではチヂミを売る屋台が数多くあり、広く親しまれている。その起源は、諸説あり定かではないが、かなり古くから、食べられていたようだ。
基本のチヂミ
チヂミがお好み焼きと大きく異なる点は、生地に卵がそもそも溶いてあること。さらにチヂミは、小麦粉や米粉、水、卵に適当な具材を合わせ、それを多めの油で揚げるようにして焼く。これが、あの外はカリカリ、中はふんわりという食感を生み出すポイントだ。キムチを混ぜたり、カキやイカを混ぜたり、アレンジのバリエーションも豊富。
3. 世界の粉物文化

小麦と人間
お好み焼きとチヂミの差は、生地に卵が入っているか否か、それと焼き方、タレの有無に違いがあった。実は、お好み焼きとチヂミ以外にも、小麦粉を水で溶いて作る粉物は、世界中に多く存在する。これは、古くから世界各国で小麦が育てられ、人々の生活を支えていたことを物語っている。
粉物いろいろ
前述のように、世界中にある粉物。代表的なものをあげるとイタリアのピザ、メキシコのタコス、中国の春餅などが揚げられる。そのほかにもターメリック入りの生地を焼くベトナムのバンセオ、広島風お好み焼きのように焼くスリランカのマスロティー、などがある。どれも簡単で美味しく、栄養満点!調べて作ってみるのもオススメだ。
結論
お好み焼きとチヂミの違いを通して、広く世界で食べられている粉物文化に触れた今回。粉物文化は、奥が深い。いつものご飯にちょっと飽きた時、子供が野菜を食べない時、など、普段の食卓に変化を与える存在としても活用できそうだ。