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オメガ9の効果とは?オリーブオイルの魅力や脂肪酸なども詳しく解説!

オメガ9の効果とは?オリーブオイルの魅力や脂肪酸なども詳しく解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2020年12月 9日

オリーブオイルに多く含まれ、高い健康効果から注目されているオメガ9をご存知だろうか?本稿ではオメガ9のほかオメガ3やオメガ6、それに脂肪酸などについて詳しく解説するとともに、オリーブオイルの魅力やおすすめの使い方なども紹介する。

  

1. オメガ9の効果を知るには「脂肪酸」を理解しよう

オメガ9は「オメガ9(系)脂肪酸」といい「一価不飽和脂肪酸」に分類される「脂肪酸」である。オメガ9が何なのか、どういった効果があるのかなどを知るためにも、まずは脂肪酸の基礎知識から身につけていこう。

脂肪酸とは

「脂質」を構成する主な要素が脂肪酸である。脂質とは、脂肪酸がほかのさまざまな物質と結びつくことで形成される。脂質は、たんぱく質や炭水化物と並び、我々の生命維持や活動に欠かせないエネルギー源であることから「3大栄養素」のひとつに数えられている(※1)。ダイエット中の方には悪者に思われがちな脂質や糖質だが、生きていくためには必要不可欠な栄養素だ。脂質や炭水化物は「肥満」と結びつけて考えられがちだが、過剰摂取しなければ健康維持のために重要な働きをすると覚えておこう。

その脂質の主要な構成要素である脂肪酸は、大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられる。このうち不飽和脂肪酸は、さらに「多価不飽和脂肪酸」と「一価不飽和脂肪酸」に分かれている。

飽和脂肪酸とは

乳製品や肉などに多く含まれる脂肪酸で、溶ける温度が高く、室温では個体であり体内でも合成できる。ラードなど動物性脂肪に多いが、ココナッツオイルやパーム油などにも含まれる。過剰摂取すると、中性脂肪が増えるなど健康被害のリスクがある。飽和脂肪酸に分類される主な脂肪酸の種類として「ラウリン酸」「ミリスチン酸」「パルミチン酸」「ステアリン酸」といったものが挙げられる。今回解説するオメガ9は飽和脂肪酸ではないため、本稿ではこの程度とさせていただく。

不飽和脂肪酸とは

植物性脂肪に多く含まれる脂肪酸で、オリーブオイル・えごま油・コーン油・アマニ油・などのほか魚類から抽出されるものもある。10〜20℃など、一般的な室温であれば液体であり、低い温度でも溶ける。ヒトにとって重要なエネルギー源となる脂肪酸で、血中コレステロール値を減らすなど健康効果が高いことでも知られている。上述のように大きく多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸に分けられる(※2)。

多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸の違い

不飽和脂肪酸のうち「炭素の二重結合」が1個のものを一価不飽和脂肪酸、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸という。多価不飽和脂肪酸は体内で合成できないため「必須脂肪酸」と呼ばれており、主成分によってオメガ3・オメガ6の2種類に分けられる。一方、一価不飽和脂肪酸はオメガ9の1種類のみであり、体内で合成できるため必須脂肪酸と呼ばない。

2. オメガ9とその効果

一価不飽和脂肪酸であるオメガ9について、主な脂肪酸の種類や期待できる効果を解説する。

オメガ9とは

「n-9系不飽和脂肪酸」ともいう。お伝えしたように体内で合成できる脂肪酸だ。悪玉コレステロールを取り除くことから、動脈硬化や高血圧の予防効果が期待できる。また腸を活性化させ便秘を改善したり予防したりする効果もある。オメガ9は「オレイン酸」「エイコセン酸」「ミード酸」「エルカ酸」「ネルボン酸」の5種類の脂肪酸を含むが、中でももっとも注目されているのがオレイン酸である。

オレイン酸の効果

上述したように、血液中の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化のリスクを低下させる効果が期待できるのがオレイン酸だ。またオレイン酸は酸化しにくく、動脈硬化やガンなどの原因となり得る「過酸化脂質」を作りにくくする。オリーブオイルに多く含まれるほか、キャノーラ油やナッツ系の油、牛肉やアーモンドなどにも多く含まれている。

3. オメガ3とその効果

オメガ3やオメガ6について知りたい方も多いだろう。せっかくなのでこちらも解説していく。

オメガ3とは

「n-3系不飽和脂肪酸」ともいう。血液を固まりにくくする、炎症を抑えるといった働きがある。血液中の中性脂肪を減らしたり血栓を防いだり、不整脈を防止したりなど、生活習慣病を予防するうえで重要な役割を果たす脂肪酸だ。不足した場合、皮膚炎や集中力の低下などを招くことがある。次のような脂肪酸がオメガ3に分類されている。

α-リノレン酸

ごま油やアマニ油などに多く含まれている。アレルギー疾患や高血圧予防などの効果が期待できるが、過剰摂取により前立腺がんのリスクが高まるといった報告もなされている。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

脳の働きを維持し、脂質の脂肪産生を抑制する効果が期待できる。クジラやマグロの脂身、サバなどに多く含まれている。

EPA(エイコサペンタエン酸)

悪玉コレステロールを減少させ、血栓を予防する効果があるといわれている。クジラやサバ、うなぎ、鮭などに多く含まれている。

4. オメガ6とその効果

続いてオメガ6に分類される主な脂肪酸と、その効果について見ていこう。

オメガ6とは

「n-6系不飽和脂肪酸」ともいう。オメガ3と同じように体内で合成できない必須脂肪酸だ。血液の凝固や体内の炎症を促進する働きのほか、コレステロール値を下げるといった働きもある。ただしコレステロールは、オメガ9のように悪玉だけを減らすのではなく、善玉を減少させてしまうこともある。そのため過剰摂取には注意しよう。以下のような脂肪酸がオメガ6に分類されている。

リノール酸

血中コレステロールを低下させるほか、動脈硬化を予防する効果が期待できる。ひまわり油やコーン油などに多く含まれている。

γ-リノレン酸

血糖値や血圧のを下げる効果が期待できる。母乳のほか、からすみ、クジラ、ニシンなどに多く含まれている。

アラキドン酸

免疫機能を整える働きがある。卵黄や豚レバーなどに多く含まれている。

5. オメガ9(オレイン酸)を多く含むオリーブオイルとは

話をオメガ9に戻そう。お伝えしたように、オメガ9はオリーブオイルに多く含まれている。オリーブオイルとは文字通り、オリーブの果実から作る(とれる)油のことで、大きく「バージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」がある。

バージンオリーブオイル

オリーブの果実を絞り「ろ過」したものがバージンオリーブオイルだ。風味や香りがよく、ドレッシングなど加熱せずに楽しむのがおすすめである。絞ったバージンオリーブオイルの味や香り、酸度などを分析し、認められたものに与えられる呼称が最高クラスの「エキストラバージンオリーブオイル」だ。

ピュアオリーブオイル

不純物を取り除くなど精製したオリーブオイルと、バージンオリーブオイルを混ぜ合わせたものがピュアオリーブオイルだ。オリーブオイル特有の風味やクセがなく、炒め物などさまざまな料理に使いやすい。ただしエキストラバージンオリーブオイルと比べると栄養価はやや低めだ。

オリーブオイルの主な栄養価

  • エネルギー:921kcal
  • βカロテン:180μg
  • ビタミンE(トコフェロールα):7.4mg
  • ビタミンK:42μg
  • 飽和脂肪酸:13.29g
  • 一価不飽和脂肪酸:74.04g
  • 多価不飽和脂肪酸:7.24g
上記は文部科学省「食品成分データベース」(※3)によるものだ。ご覧のように「一価不飽和脂肪酸」つまりオメガ9がたいへん多く含まれていることが分かる。またオリーブオイルは「IOC(インターナショナル・オリーブ・カウンシル)規格」により、脂肪酸組成や分量が決められている。それによればオレイン酸の割合は55.00〜83.00%(※4)であり、ほかの脂肪酸の中でもダントツに多くなっている。

オリーブオイルの健康効果とは

オリーブオイルにはオメガ9、中でもオレイン酸が多く含まれている。したがって、先ほど解説したように悪玉コレステロールを減らして動脈硬化や高血圧を予防したり、腸を活性化させて便秘を予防したりする効果が期待できる。加えて、オリーブオイルにはビタミンEも豊富に含まれている。ビタミンEは抗酸化ビタミンのひとつで、美容や老化の防止などに効果があるとされる。

6. オメガ9(オレイン酸)は熱に強い?

ところで、オリーブオイルやオメガ9は熱に強いと聞いたことがないだろうか?油の融点と加熱について解説する。

オメガ9(オレイン酸)は酸化しにくい

油が空気に長時間触れたり加熱したりすると、酸化しやすくなる。酸化した油は毒性を持ち、味と臭いが悪化する。一般的に、不飽和脂肪酸を多く含む油は酸化しやすいといわれている。ところが、オメガ9は酸化しにくく、加熱料理に向いているという特徴がある。つまり、オメガ9を多く含むオリーブオイルは例外といえるだろう。

ただしオリーブオイルの品質により、150℃以上でトランス脂肪酸などの有害物質を作り出してしまうことがある。加熱調理に使うのであれば、最高クラスのエクストラバージンオリーブオイルを選ぶとよいだろう。

飽和脂肪酸は融点が高い

肉の脂身やラード、ココナッツオイルなどは常温では固まっている。このことから、飽和脂肪酸は融点が高いことが分かる。体内でも固まりやすいため、血液をドロドロにして流れを悪くするだけでなく、悪玉コレステロールや中性脂肪の合成までも促進してしまう。過剰摂取によって動脈硬化や生活習慣病のリスクを高めてしまう理由である。

不飽和脂肪酸は融点が低い

一方、オリーブオイルやごま油、アマニ油やコーン油などは常温で溶けている。オリーブオイルの融点は0~5℃、ごま油・アマニ油・コーン油の融点は0℃以下である。ヒトの体温は36℃前後であり、不飽和脂肪酸が体内で固まることはない。

7. オメガ3・オメガ6・オメガ9はバランスが重要

お気づきの方もいるかもしれないが、オメガ3は血液を固まりにくくする一方、オメガ6は血液の凝固を促進する。両者のバランスが崩れると、出血が止まりにくくなったり、逆に血液が固まりやすくなって心筋梗塞のリスクが高まったりする。オメガ9も含め、バランスを意識して摂取することが大切だ。

理想のバランスとは?

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(※5)によれば、3大栄養素の理想の摂取バランスは、全体を100とした場合「炭水化物50〜65%」「脂質20〜30%」「たんぱく質13〜20%」である。オメガ9は脂質に含まれるが、オメガ3やオメガ6、それに飽和脂肪酸も決して「不要」という栄養素ではない。では、どのようなバランスがベストなのだろうか?

人により必要な栄養素は変わるかもしれないが、一般的には【不飽和脂肪酸】【オメガ9】【オメガ3+オメガ6】の順に【3:4:3】を意識するとよいとされる。自分がどういった種類の油や脂を摂取しているか、考えるきっかけにしてみてはいかがだろうか?

8. オリーブオイルのおすすめの使い方

いくらオリーブオイルがオメガ9を豊富に含むとはいえ、毎日飲む(舐める)のは難しい。料理に上手に取り入れられるよう、エキストラバージンオリーブオイルのおすすめの使い方をいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

炒め物や揚げ物

酸化しにくく加熱に向いているとお伝えした。今まで使っていた油をエキストラバージンオリーブオイルに変えてみてはいかがだろうか?ただし揚げ物の場合は大量に使うため、コスパは低くなるかもしれない。

サラダ

もちろん、非加熱でも使える。いつものサラダにエキストラバージンオリーブオイルをサッとひとまわしするだけで手軽にオメガ9が摂取できる。

野菜ジュース

野菜ジュースに油?と思うかもしれないが、実際に試している方も多いようだ。スムージーなどでもよい。小さじ1杯程度を混ぜて飲んでみよう。

パン

サッとオリーブオイルを回しかけるだけだが、やや物足りないと感じるかもしれない。その場合は岩塩をふりかけるなどするとよいだろう。

豆腐や納豆

これらは、いずれもオリーブオイルとの相性が意外によい。ぜひ一度、小さじ1杯程度を回しかけて味わってみてほしい。

刺身

かつてレバ刺しを、ごま油に塩をふったタレにつけて食べていた方も多いのではないだろうか?その発想と同じで、刺身をオリーブオイルに塩をふったタレにつけて食べても美味しい。

味噌汁

入れ過ぎは油っぽくなるため注意してほしいのだが、小さじ1杯程度を回し入れるだけでコクや風味がよくなる。具材を変えれば毎日でも楽しめるのではないだろうか?

結論

健康効果が注目されているオメガ9を中心に、オメガ3・オメガ6、それに脂肪酸やオリーブオイルについても詳しく解説してきた。油(脂)はダイエットや美容を気にする方にはネガティブに捉えられがちだが、ヒトの体を作るうえで大切な栄養素だ。バランスを意識して日々の生活に取り入れていこう。

(参考文献)

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  • 公開日:

    2017年11月 4日

  • 更新日:

    2020年12月 9日

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