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もう逃さない!栄養たっぷり骨まで食べられる魚の調理法とは?

もう逃さない!栄養たっぷり骨まで食べられる魚の調理法とは?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年4月22日

魚にはDHAやEPAなどの栄養素が豊富に含まれているが、骨があるためという理由から、食卓から遠ざかってはいないだろうか。のどに魚の骨を詰まらせてしまったという経験は誰しもあるだろう。ここでは、魚の骨に心配することなく、魚の骨ごと食べられる方法について解説する。

  

1. 魚を骨ごと食べる効果

近年の食生活において肉に比べて魚の摂取量が少ないといわれているが、その要因の一つが、魚の骨を避ける傾向にあるといわれる。
寿司や刺身といった、骨の除かれた魚料理については人気が高い傾向にあることから、魚の骨をいかに気にせずに食べるかが、魚のもつ栄養素を摂取できるポイントとなっている。
栄養成分を比較してみると、魚を骨ごと食べると、骨を除いて食べる場合とでは、概ねカルシウムやリン・マグネシウム・ビタミンD・鉄分・葉酸・アミノ酸などの栄養価がアップするようだ。カルシウムは骨ごと食べる場合では、魚の種類にもより幅があるが、5~20倍近くも摂取量がアップするともいわれている。
高齢になると骨が脆くなる骨粗しょう症の発症が、元気に老後を過ごせるかを左右するとまで言われているが、高齢期に至るまでにカルシウムをいかに摂取して吸収するかがカギともいわれる。
カルシウムは、腸管からカルシウムイオンのかたちで吸収されるのだが、このカルシウムイオンの状態を保つのが困難なため、食品からの吸収率が低いことでも知られている。また、加工食品などに含まれるリン酸や野菜のアク成分もカルシウムの吸収を妨げるといわれる。
魚類には、ビタミンDやマグネシウムが豊富である。ビタミンDはカルシウムの吸収を高める働きがあり、また、カルシウム2に対してマグネシウム1といった比率が崩れることで骨からのカルシウムの流出が促進されることがわかっている。魚を骨ごと食べることが、カルシウムの吸収だけでなく、体の様々な健康に寄与することにつながるのである。

2. 骨ごと魚を食べられる方法その1

魚を骨ごと食べられるようにする方法は大きくは2つある。
1つめは、「酢」など「酸性の食品」を利用する方法である。
魚の骨の成分は主にカルシウムとコラーゲンである。無機質の部分はヒドロキシアパタイトとよばれるリン酸カルシウムで、ヒトの体にも多く存在するが、歯磨き粉や人工骨などにも用いられている、生体親和性の高い成分である。
ヒドロキシアパタイトは、酸性の水溶液内で溶けてカルシウムイオンの形となる。つまり、料理では酸性の液体である「酢」につけることで魚の骨は溶け、まるごと食べられるほどやわらかくなる。
このカルシウムの性質を利用した料理が、「南蛮漬け」「エスカベーシュ」といった「マリナード」とよばれる調理法や、酢を加えて骨付き魚を煮込む方法である。
マリネ液につけている間に魚特有の生臭みが消えてうまみが増すが、マリネ液につける時間が長い方がより骨が軟化しやすい傾向にあり、さらに、揚げたての熱い状態でマリネする方が骨はやわらかくなりやすいという。なお、マリネ液の酸としては酢を使うことが多いが、柑橘類の果汁を用いてもよい。
魚の酢煮は、酢の濃度が高いほど骨がやわらかくなりやすいようだが、味のバランスと調理時間で人それぞれ感じるおいしさの分岐点があるだろう。
カルシウムなどの栄養素は酸性の漬け込み液や煮汁に溶けだしてしまうため、液の味付けは薄味としておき、液と共に食すことがポイントである。

3. 骨ごと魚を食べられる方法その2

次に、魚を骨ごと食べられるようにする2つ目の方法は、「加熱」である。
前述したように、魚の骨の成分は主にカルシウムとコラーゲンであるが、骨の組織中のカルシウムではなくコラーゲンを分解することで骨を柔らかくする調理法である。コラーゲンは75度~80度を超えるとゼラチン化しやすくなり、その状態で加熱を続けることで、骨までまるごと食べられるようになる。
魚の肉などたんぱく質は、加熱すればするほどパサついてかたさを感じるようになるので、加熱時間を短縮できるような高温加熱がよい。それは、「圧力鍋」や「揚げ調理」である。一般的に家庭用の圧力鍋は、鍋内を120度前後に保つことができる。魚の種類や大きさ、圧力鍋の性能にも関係するが、120度前後の状態で20分~30分程度の加熱で骨は柔らかくなるようだ。骨まわりには臭みが魚は臭みを除くために、あらかじめ軽く湯通しし、流水で洗う下ごしらえをしておくことが必要だ。
また、揚げ調理は、高温になると油の温度は180度以上となり中心まで火が通りにくいため、2度揚げや3度揚げをする。低めの温度で軽く色づく程度に中まで火を通すようにじっくり揚げておいて一度引き上げ、最後に180度の高温でカラッと揚げる。片栗粉などの粉をうすくはたくことでカラッと仕上がる。

結論

魚をよりおいしく、栄養素を余すことなく食べるには、骨ごと食べる調理法を習得することが必要だ。魚の種類によって骨の太さも異なるが、骨の成分にも差があり、調理時間も違ってくる。料理にはじめ箸をつけるときには、骨が軟らかくなっているか慎重に注意しながら食べるようにしたい。
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  • 公開日:

    2017年11月 8日

  • 更新日:

    2021年4月22日

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