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肉じゃがは、シチューから生まれた!?

肉じゃがは、シチューから生まれた!?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

2017年11月10日

日本の煮込み料理の定番「肉じゃが」。「おふくろの味」というイメージも強く、古くから日本に馴染みがある料理であろう。だが実はビーフシチューを作ろうとしてできた「和製洋食」であることをご存知だろうか。

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1. 肉じゃが誕生の経緯

肉じゃがは日本で煮物として古くからある料理ではなく、西洋料理である「ビーフシチュー」を作る時に誕生したという説がある。
話は1880年ごろの明治時代の日本にさかのぼる。
ある薩摩藩の海軍士官がイギリスのポーツマスに留学し、留学先で食べた「ビーフシチュー」に思いをはせていた。そこで、帰国後、艦上食の1つにビーフシチューを加えるよう軍に依頼し、それが現在の肉じゃがの原型になったといわれているのだ。
それでは、なぜビーフシチューが肉じゃがになったのだろう。
たしかに、牛肉・じゃがいも・たまねぎ・にんじんといった材料に共通点はあるが、味付けの面では全くと言っていいほど異なっている。
艦上で船員に食べさせるだけの多くの材料(特に赤ワインやドミグラスソース、バターなど希少なもの)を確保するのが困難だったとも、ビーフシチューの味付けを再現することが難しかったとも、万人受けする和風の味付けにしたかったともいわれているが、軍の担当者がビーフシチューを和食の味付である醤油と砂糖、ごま油で再現したのが肉じゃが誕生の1つの説となっている。
ちなみにこの薩摩藩の海軍士官は東郷平八郎。のちの日露戦争において、日本海海戦を勝利に導いた「海軍の父」ともよばれる連合艦隊司令長官その人である。

2. 当時流行り病気「脚気」と肉じゃがの思いもやらぬ関係

さて、このようにして肉じゃがは誕生し、海軍の艦上食のひとつとしてなじみ深いものになっていったのだが、それにはもう1つの理由があったといわれている。
当時、軍隊内で流行していた「脚気」という病気があったのだが、海軍の軍人にして医学博士で「ビタミンの父」とも呼ばれる高木兼寛という人物が海軍医務局副長に就任し、本格的に脚気の解決に取り組むこととなった。当時脚気は細菌による伝染病と考えられていたが、高木兼寛はある栄養素の不足であることを突き止めた。具体的には、精製された米を主体としたバランスのとれない食事が原因であるとの仮説から、その予防として海軍でも兵食改革(洋食+麦飯)が行われた。このときは脚気の原因がビタミンB1不足であるということはまだ特定されていなかったが、洋食による脚気への予防効果の高さから、洋食が多く取り入れられ始めたのである。
洋食の味付けに食べ慣れない船員の間に、日本的な味付けで栄養価の高い肉じゃがの原型となる料理の人気が高まり普及されていったと考えられるだろう。現在「海軍カレー」ともよばれるカレーが脚気の予防にひと役買ったという歴史的逸話も肉じゃがと同様である。艦上で食べ慣れた肉じゃがやカレーを里帰りの際に船員が家庭でふるまったことから、おふくろの味・故郷の味へと変化していったのだろう。

3. 肉じゃが発祥の地は?

さて、前述したように、ビーフシチューを元にして肉じゃがを考案したのは東郷平八郎であるという説が伝えられているのだが、東郷平八郎がどちらの赴任地で先に肉じゃがを作らせたか、ということで、京都の舞鶴市と広島の呉市の間で発祥の地争いが起こっている。
東郷平八郎が1900年ごろ初代司令長官として赴任したのが舞鶴鎮守府であり、舞鶴赴任より10年前(1890年ごろ)に呉鎮守府の参謀長として赴任しているということがそれぞれの主張の原点である。
舞鶴の肉じゃがは、「元祖まいづる肉じゃが」としている。1995年に舞鶴の海上自衛隊の図書館で見つかった旧海軍の料理教科である「海軍厨業管理教科書」を元に、じゃがいもは男爵を使用し、にんじんとグリーンピースが入るのが特徴だ。
一方の呉の肉じゃがは、同じく「海軍厨業管理教科書」に載せられている「甘煮」を肉じゃがのルーツとし、その作り方を忠実に再現しているものという。じゃがいもはメークインを使用するのが特徴で、にんじんとグリーンピースは入れない。「海軍さんの肉じゃが」として全国にアピールしている。
いずれの市も、「肉じゃが祭」と称する祭りが開催されたり、食育の一環として給食に肉じゃががよく登場したりと、肉じゃがに慣れ親しんでいる。

結論

肉じゃがは東郷平八郎が海軍の船員のためにビーフシチューと和食を混合させて作った料理であるという説が伝えられているが、肉じゃが発祥の地は今も不明のままである。おふくろの味として浸透してから意外と年数は経っていないのだが、じゃがいもの素材選びや調理時間など、レシピもとても奥深い。
  

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