目次
1. クラフトジンとは

クラフト(craft)とは本来「技術」や「技巧」という意味の言葉だが、造り手の「こだわり」や「個性」がこもった小規模生産者によるプロダクツとして使われることも増えた。まずは、クラフトジンの基礎知識を身につけよう。
そもそもジンとは?
ジンは大麦、ライ麦、ジャガイモ、トウモロコシなどが原料の「蒸留酒」だ。日本では酒税法上、リキュール類に分類されている。ウイスキーと違って熟成せず、アルコール度数が高いため、カクテルに用いられたり何かで割って飲んだりするのが一般的だ。ジントニック、ジンライム、ジンフィズなど、ソーダ水や果汁などで割ることで一気に飲みやすくなる。
ジンは、一度発酵させたアルコールを沸騰させ、その蒸気を集めて蒸留させて製造する。工程で杜松(ねず)の実やオレンジピール、コリアンダーやキャラウェイ、フェンネルなど草の根や木の皮といった多様なボタニカルで香りづけする。そのため薬草のような香りがするのが特徴だ。これがいわゆるジンのキャラクターとなる。
ボタニカルは、ジンの製造において生命線ともいえる非常に重要な役割を持つわけだが、使用するすべての材料や細かな配合比率などは企業秘密になっている。
ジンは、一度発酵させたアルコールを沸騰させ、その蒸気を集めて蒸留させて製造する。工程で杜松(ねず)の実やオレンジピール、コリアンダーやキャラウェイ、フェンネルなど草の根や木の皮といった多様なボタニカルで香りづけする。そのため薬草のような香りがするのが特徴だ。これがいわゆるジンのキャラクターとなる。
ボタニカルは、ジンの製造において生命線ともいえる非常に重要な役割を持つわけだが、使用するすべての材料や細かな配合比率などは企業秘密になっている。
クラフトジンとは?
クラフトジンに明確な定義はないが「小規模の独立した醸造所で、伝統的かつ革新的な製法で作られたジン」というイメージがあてはまる。2016年に純日本製のクラフトジンが販売されてから、日本製のクラフトジンが世界で一気に注目を集めることとなった。
2. ジャパニーズクラフトジンの魅力とは

日本製のクラフトジンについて、もう少し詳しく解説しよう。
世界でも人気の「ジャパニーズクラフトジン」とは?
2009年にイギリスで創業した「シップスミス社」は、伝統的な銅製小型蒸留器を使用して少ロットでこだわりのあるジンの生産を始めた。ここからクラフトジンが世界的ブームとなり、新規参入が急増していった。2016年には純日本製のクラフトジンが販売され、その後、大手メーカーや酒蔵会社も相次いでクラフトジンへの参入を発表したのである。
ジャパニーズクラフトジンが世界中から評価される理由
和のボタニカルを使ったジャパニーズクラフトジンは、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食との親和性が高い。そのジャパニーズテイストが、世界中から高く評価される理由のひとつとなっている。柚子やスダチといった和柑橘、山椒や生姜といった日本古来のスパイス、玉露や煎茶、桜や檜など日本らしさを存分に表現したボタニカルを使い、個性を追求している。
さらにベーススピリッツでも、米から作られるライススピリッツや麹仕込みのスピリッツなど、日本らしさを遺憾なく発揮している。世界中をかけめぐるために、漢字を用いた和色ラベルなどSNS受けしそうなパッケージデザインも積極的に取り入れている。ベースにはイギリスならではのジュニパーベリーを使うことで、伝統的なジンの特徴とうまく融合しているというわけだ。まさに芸術と呼べるのがジャパニーズクラフトジンだろう。
さらにベーススピリッツでも、米から作られるライススピリッツや麹仕込みのスピリッツなど、日本らしさを遺憾なく発揮している。世界中をかけめぐるために、漢字を用いた和色ラベルなどSNS受けしそうなパッケージデザインも積極的に取り入れている。ベースにはイギリスならではのジュニパーベリーを使うことで、伝統的なジンの特徴とうまく融合しているというわけだ。まさに芸術と呼べるのがジャパニーズクラフトジンだろう。
3. クラフトジンの美味しい飲み方とは

クラフトジンに関するうんちくはこれくらいにして、美味しい飲み方を紹介しよう。お酒は嗜むものだ。くれぐれも無理に飲んだり飲みすぎたりしないように心がけよう。
ストレート
常温に近い温度でストレートで飲むと、クラフトジン本来の香りや味が楽しめる。ただしアルコール度数が40%など高めなので、チェイサーを用意することと、ゆっくりちびちびと舐めるように味わうことだ。
ロック
ストレートではアルコール度数が高すぎるという方は、氷が溶けて少しずつ薄まっていくロックはいかがだろうか。口当たりが柔らかくなるので、飲み過ぎには注意しよう。
ジントニック
クラフトジンとトニックウォーターだけで手軽に作れる定番のカクテルだ。カットしたライムのご用意もお忘れなく。
ジンリッキー
ジントニックでは甘すぎる、という方はこちらがおすすめだ。グラスにライムを1/2個絞り、氷をおとしてジンを入れる。あとはソーダ(適量)で割れば完成だ。
ジンバック
甘酸っぱさが魅力のジンバックも、クラフトジンを味わうのにピッタリな飲み方だ。グラスに氷とジン、レモンジュース、そしてジンジャーエールを注いだら、軽く混ぜ合わせよう。最後にライムまたはレモンを絞って完成だ。
トワイスアップ
フローラル系のクラフトジンには、トワイスアップもおすすめ。常温の水とクラフトジンを1:1で割ればよい。
4. 初心者必見!クラフトジン選びのポイントとは

初心者の方はとくに、どのクラフトジンを選べばよいか迷ってしまうことがあるだろう。どんな点に着目すれば選びやすいか、ポイントをまとめたので参考にしてほしい。
産地
イギリス、オランダ、スペイン、イタリアなどさまざまな国で造られているクラフトジンは、その産地ごとに趣がある。好きな産地がある方はそれを、とくにない方はイギリス産などから選んでみるとよいだろう。もちろん、日本人が手がけた日本産のクラフトジンもおすすめだ。
ボタニカル
初心者の方で、どれを選べばよいか迷ったときは柑橘系が無難だろう。ピリッとしたアクセントを求めるのであればスパイス系、甘い香りを楽しみたい方はフローラル系など、ボタニカルによって選ぶのも一興だ。
ベース
マイルドな味わいを求める方にはライススピリッツがおすすめだ。和食との親和性が高いのもこちらだろう。一方、伝統的な味わいのクラフトジンがお好みなら、穀物系(イモ・小麦・トウモロコシなど)がベースのものをおすすめする。
デザイン
ボトルやラベルのデザインも、クラフトジン選びの大切なポイントだ。オシャレなデザインのボトルがありすぎて迷ってしまうかもしれないが、部屋に飾ることなどをイメージすると絞り込みやすいだろう。
5. 初心者にもおすすめ!日本のクラフトジン3選

最後に、世界でも注目されている日本のクラフトジンを3種紹介しよう。いずれも、初心者の方にもおすすめできるものだ。
京都蒸溜所「季の美 京都ドライジン」
「雅」とよばれる独特な製法を用いたクラフトジン。11種ボタニカルを特性に応じて6つに分け、別々に蒸溜した後にブレンドしている。素材の特質を生かし絶妙に調和を取る、手間ひまかけた製法だ。ベースはイギリス伝統のジュニパーベリーなどを使っている。柚子や玉露、生姜や赤紫蘇、笹の葉や山椒など和のボタニカルを、イギリスの伝統に絶妙に融合させているのだ。
宮下酒造「クラフトジン岡山」
自社製の米焼酎をベースにジュニパーベリーやコリアンダーなど十数種類のボタニカルを、歴史と経験をもとに独自に配合した。焼酎を貯蔵していた樫樽に、ジンをフィニッシュしているのは国内初ともいわれる。アルコール度数が高く、トニックウォーターやソーダで割って飲むのがおすすめだ。
サントリー「ジャパニーズクラフトジン ROKU(六)」
海外展開を視野に入れたサントリースピリッツ株式会社が、アメリカの子会社ビームサントリー社と共同開発したクラフトジンだ。商品名にもなっている「六」は、日本ならではのボタニカルの種類数に由来している。桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子といった6種のボタニカルと、伝統的なジンの8種のボタニカルを使用している。複層的で繊細なブレンドだ。
結論
クラフトジンの基礎知識や日本産が世界中で評価されている理由、美味しい飲み方や選び方、そして日本産のおすすめなどを紹介してきた。少量生産のため一般的な大手メーカーのジンと比べると若干割高だが、クラフトジンでしか体験できない味わいや香りがある。専門店も増えているなど、ブームはしばらく続きそうだ。ぜひご自身にピッタリのクラフトジンを見つけてほしい。