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ただの青のりではない!四万十川の「筋青のり」は希少で極上の味

ただの青のりではない!四万十川の「筋青のり」は希少で極上の味

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年6月16日

お好み焼きや焼きそばの上にかける緑の海藻「青のり」。独特の磯の香りが自慢だが、その上級品が「筋青のり」で、現在では養殖ものが多く出回っている。本来は風味が強く、口当たりは優しい「天然ものが主流だったが、すっかり減少してしまい、今や希少な存在に。その代表格・四万十の清流が育む極上品の筋青のりに注目してみたい。

  

1. 最後の清流、四万十川の風味際立つ筋青のり

たかが青のりと思うかも知れないが、種類も品質も様々だ。中でも筋青のりは最も風味と香味が良く、絶品である。主な産地は高知県、徳島県、岡山県、和歌山県など。現在、ほとんどが栽培ものになっているなか、日本最後の清流、四万十川の筋青のりは天然ものを採取しているので風味やコクが違う。

天然の筋青のりの収穫時期は12月末から3月にかけての水温が低い頃から水温む頃まで。四万十川の河口から上流に6キロ程行った辺り、塩分濃度2.4〜2.8%の淡水と海水が混ざる汽水域で、川の透明度が高く、川底まで太陽の光が届く浅瀬で生育する。川漁師たちが「のり鈎」や「かなこ」という金具を使って、浅瀬の川底からのりをかいて収穫する。また、干潮時に合わせて作業するため、作業時間は昼夜を問わない。吹雪の日、寒風の吹きさらす日もあるという。

2. 四万十川の河原に並ぶ筋青のりの天日干し

採取したものは水洗いして一晩水切りをした後、河原でていねいに並べて干し、6時間ほど西風と太陽に当てて乾かす。この天日干しは、冬から初春の四万十の風物詩でもある。天日干ししている筋青のりを口に入れると、天然ものの味の濃さと強烈な香りとともに、口の中でフワッと溶けて行く食感がたまらない。カルシウムやビタミン、鉄分を含む筋青のりは、自然がもたらす栄養価もたっぷりだ。

そんな四万十の天然筋青のりは全国シェア80〜90%だが、残念ながら年々減少傾向にある。天然のものは非常に繊細で環境の変化に左右されやすく、河川の増水や塩分の変化、温度の変化で筋の状態が変わってしまう。最近は温暖化で水温が上がっているため、以前に比べて量が急激に減り、最盛期に比べて約50分の1に。価値も上昇し、希少な存在となっている。

結論

四万十川で育った天然の青のりは、香ばしい風味と鮮やかな緑色で美味しさもひときわ。入手できた場合は、軽く火にあぶるか、フライパンなどでから煎りして、まずは、お好み焼きや焼きそばにたっぷりとふりかけて食べていただきたい。病み付きになること請け合いだ。筋状のものもあり、こちらは天ぷらや味噌汁やスープに入れてもいいだろう。日本最後の清流の香りを、家族みんなで囲む食卓で存分に味わってほしい。
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  • 公開日:

    2017年12月25日

  • 更新日:

    2021年6月16日

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