山口県・萩市でお馴染みの「金太郎」は、フレンチシェフが愛する高級魚！？

下あごに黄色いヒゲが２本ある金太郎は体調15cmほどの小魚で、ふんわりとした身と独特の甘味のある味わいが魅力。旬は11月〜３月だが、６月〜７月の禁漁期間を除くほとんどの時期に萩では豊富な水揚げがある。実は近年まで広範囲な流通はせず地元でほとんどが食べられていたため、都市部、特に関東ではその名さえ知られていなかった。

しかし最近では、本場フランス料理の巨匠も好む「ルージュ」と近縁種であることが知られ、一躍有名となった金太郎。今や東京都内の有名レストランでも取り寄せるようになっている。ちなみにルージュは地中海やアドレア海に生息しており、フランスやイタリア、クロアチアなどの市場でよく見かけられ、好んで食べられているそうだ。

萩の人々に長年にわたって金太郎が愛されてきたワケは、萩沖で揚がった鮮度の高い状態で食すことができるから。新鮮な金太郎の味は濃厚な甘味があり、大型の白身魚にも劣らぬ味だという。
小骨が多いため、調理の際はまず三枚におろして刺身や酢締め、昆布締めなどにされるのが一般的。さらに唐揚げ、フライやコロッケ、すり身の揚げ物など、料理の種類も幅広い。胡椒やハーブを加えたオリーブオイルに漬け込むオイル漬けや、ハーブソテーなど洋風の食べ方も好まれている。
中でも最も美味しいのが朱色鮮やかで見た目も華やかな握り寿司だろうか。特に、鮮度のよい金太郎の表面をサッと炙って握る炙り寿司は絶品だ。噛むほどに甘味のある身の甘さが増し、至福の境地へと誘ってくれる。