1. 魚料理にハーブを使うポイント

お洒落にしようと気構えると少し敷居が高いが、普段よく使うショウガ、にんにく、胡椒だって立派なハーブである。まずはどういう目的で使うのかポイントを整理しておこう。
下ごしらえで使う
魚は肉に比べると、どうしても生臭さが出る場合が多いが、ハーブの特徴である「香り」を使えば臭みを抑えることが出来る。ハーブをまぶしたり、漬け込んだりすることをおすすめする。加熱調理する魚はハーブと一緒にオイル漬けするとそのまま加熱出来て便利だ。
調理中に使う
下ごしらえでは臭みを取る目的だったが、調理中に使う場合は、ハーブの香りを移して辛みや風味を付け加えることが目的だ。加熱調理に向いているため、炒め物に加えて油に香りを移したり、炒め物・煮物の際に加えるようにしよう。焼く時は魚の上に乗せておくといい。
仕上げで使う
仕上げで使う場合は、見た目の彩りや、食べた瞬間の風味を良くすることが目的だ。ドライハーブを振りかけてもいい。生のハーブを添えると見た目がグッとグレードアップだ。食感の柔らかなハーブなら一緒に食べても美味しいだろう。
2. 魚料理に合うハーブ

それでは具体的におすすめハーブをご紹介しよう。
白身と赤身で使い分ける
魚料理全般的に使われる万能ハーブがある。フェンネル、しょうが、わさびがその代表だ。寿司のガリだってしょうがの一種。こう考えると普段から取り入れているのだ。相性を考えると、生臭みが強い赤身はフェンネル、タイム、ローリエがむいている。淡白な白身魚はフェンネル、タイムの他、タラゴンやバジルでアクセントをつけるのがおすすめである。
使うシーンと相性を考える
サラダや前菜に使うなら、デイル・ブラックペッパー・レモン・パクチー、グリルならローズマリーやタイム、煮込みならローリエやバジルが向いている。パクチーやバジルは生食にも向いているので、仕上げの彩りで使うことも多い。
3. 料理方法と種類別おすすめハーブ

全般的に使えるハーブの紹介が済んだところで、より具体的な組み合わせを考えて、実際に料理する際の参考にして欲しい。
マグロやブリ等の赤身魚
割と香りの強いハーブの利用が向いている。生食ならわさび、中華風に揚げるならしょうが・チリペッパーがよい。洋風ならタイム、フェンネルをおすすめする。
イワシ、サバ、アジ等の青魚
青魚はトマトとの相性が良い。香りの強いガーリック、中華風には五香粉を惜しみなく使いたい。洋風ならオールスパイスやセージ、ディルがよく合う。
タラ、カレイ、ヒラメの白身魚
味が淡白で前菜の他バターソテーにもむいている。このため、タイム、フェンネル、タラゴン、バジル等で柔らかな風味を楽しみたい。
カニ、タコ、アサリ、イカ
旨味が強く素材そのものの主張が強い。チリペッパーやタイム、ガーリック、ディル等を使う。オイル煮ならバジルもよく合うし、中華風の炒め物にするならしょうがはもちろん八角もおすすめだ。
ニジマス、アユ等の淡水魚
淡白ながら泥臭さと苦みがある。煮込みなら、しょうがや山椒、ソテーやグリルならコリアンダーパウダー、ローレル等で泥臭さを消そう。
結論
実は魚料理に合うハーブは日本人になじみ深い和の食材も多い。海があり刺身文化のある日本では、昔から大葉やしょうが、わさび等の和のハーブを使ってきた。子供達には食べ慣れた味からスタートし、カルパッチョや前菜等でハーブの味を知ってもらおう。使い過ぎに注意して美味しさを知ってもらうのが一番だ。フライやムニエルが好きになれば、ヘルシーで体に良い魚料理を喜んで食べてもらえるようになるだろう。