1. 捕食という考え方

あなたはおやつの別名を知っているだろうか。間食、または捕食と言い、食事を補うのが本来のおやつの姿である。
おやつの歴史
おやつは漢字で書くと「御八つ」。平安時代、富裕層は食事が朝晩2回だったこともあり、おやつで空腹を満たしていた。江戸時代になると午後2時から4時までの「八つ時」を由来として御八つという呼び名が定着したようだ。
捕食とは
おやつの一番重要な役目が捕食である。甘い物やお菓子がおやつの全てではない。腹もちの良い物を食べることで本来の食事でのドカ食いを防いだり、カルシウム・ビタミン・たんぱく質等の栄養素を補ったりすることができる。普段の食事で足りないものを考えて食べることで、全体の栄養バランスを整えることが出来る
2. 子供と大人のおやつの違い

子供は成長期で運動量が多い。対する大人は、仕事内容によっては座位中心の生活のこともある。仕事内容や生活スタイルを考えておやつのカロリーや栄養素を選ぶといいだろう。
子供のおやつは体を作る素を
市販の甘い菓子やスナック菓子は準備も簡単で、子供も喜ぶためついつい与えてしまう。しかし、砂糖の甘みは強烈だ。このインパクトに慣れてしまうと、子供の舌は野菜本来の甘みや出汁の旨味を物足りなく感じるようになってしまう。また、砂糖や油脂を多く含むお菓子を食べすぎると、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクも高めるので、食べ過ぎには注意が必要である。外遊びが好きで体を動かす子にはエネルギー源となる炭水化物のおやつも良いが、筋肉を作るたんぱく質や骨を丈夫にするカルシウム等を補えるおやつをチョイスしてあげたい。柔らかい物ではなく、よく噛んで食べられる物もおすすめだ。
大人は職種を考えよう
たとえ体を動かさないデスクワークでも、実はパソコンや書類業務を行うと強い空腹を覚える。これは脳が思考活動することでブドウ糖を使うため、ダイレクトに血糖値に影響するためだ。ただし体を動かしているわけではないため、ここで高カロリーなお菓子を食べては余計な体重増加の恐れがある。ビタミンなど日頃不足しがちな栄養素を補給したり、体を温める飲み物を摂ることもおすすめだ。逆に体を動かしている人や汗をかいている人であれば、塩分やミネラルを多く取れるよう配慮する。食物繊維、たんぱく質はどのような職種でも積極的に摂りたい。
3. 捕食におすすめの具体例

特に子供にとっておやつは食事の延長線だ。体が小さく一度に量が食べられない子供には、おやつで調節してあげるよう心がけよう。市販品も上手に使って手軽に食べられるようにすることもいいし、手作りすることもいい。
おにぎり
意外なおやつかもしれないが、おにぎりは子供に最適で、大人でも夕飯が夜8時以降になってしまう人にはむいている。おにぎりのサイズはお腹の空き具合によって調節し、ちりめんじゃこや胡麻などでカルシウムを補給。夜のドカ食いを防ぐのに効果的だ。
乳製品
こちらもカルシウム、たんぱく質が摂れるのでおすすめのおやつだ。様々な形の物があるが出先では個包装のチーズが大活躍する。ヨーグルトや牛乳も良質なタンパク質が摂れるため、生の果物を合わせてビタミンも摂るようにしてみよう。
豆類
たんぱく質だけでなく食物繊維も摂れる。大豆製品には、女性ホルモンと類似作用を持っている有効成分、イソフラボンも多く含まれている。温かい豆乳に蜂蜜を入れて飲むことも良いだろう。
ナッツ類、ドライフルーツ
社会人におすすめだ。ナッツの脂質は良質で、コレステロールを下げる効果がある。ドライフルーツと共に食べることによって、ビタミン補給・噛む効果に期待しよう。塩や砂糖不使用の物がより望ましい。
ゆで卵
腹持ちがよく、良質のたんぱく質を摂れる。出先で食べる場合はよく加熱して固ゆでにしよう。子供はウズラの卵を野菜と一緒にピックに刺すとちょうどいいおやつになる。
結論
甘い菓子類から離れてみると、おやつは食事の延長線上であることがよく分かる。大人も子供もポイントはビタミン、ミネラル、たんぱく質、食物繊維だ。余裕があれば温かい飲み物を摂ると体も温まる。噛み応えがある物、自然な甘みがある物を選んで、楽しくストレスフリーなおやつタイムを過ごせるようにしよう。