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漢方薬としても使われている!万能な葛の秘密

漢方薬としても使われている!万能な葛の秘密

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年6月17日

あなたは葛の花を見たことがあるだろうか。花はなくても、気が付かないうちに葉は見たことがある人は多いはずだ。葛湯、葛餅と食用にもなる葛だが、有名な漢方薬「葛根湯」の原料でもある。葛の素晴らしい薬効についてご紹介しよう。

  

1. 葛は万能植物

最近は葛湯を飲む機会も減っているが、葛は食用・薬用・布や飼料として、昔から様々な事に使われてきた万能植物なのである。

食用としての葛

国産として名高いのは奈良、及びその近辺の「吉野地方」で、吉野本葛といえば高級葛の代表格だろう。葛湯、葛切り、葛餅と和菓子の材料として使われることが多いが、このように菓子に本格的に使われるようになったのは江戸時代以降とされている。

安定の薬用

後述するが葛の薬効は大変高いもので、有名な葛根湯として薬用とされてきた。生薬の葛根づくりは菓子用の物のような水さらし作業がない分多少は楽だが、それでも大変な手間が掛かる。

布、飼料として

葛の茎は非常に丈夫なのでロープとして使うことができる。茎や葉の丈夫な繊維はその昔は葛布と言われる布に加工され、衣服として利用されていた程である。また、牛や馬の優秀な飼料としても利用されてきた。

2. 薬効の秘密

葛は漢方薬に使われるほどの薬効の塊だ。特に体温を上げるなど、初期の風邪には抜群の効果を発揮する。

豊富なイソフラボンとフラボノイド

葛の根から皮を取り除いて乾燥させると「葛根」となる。葛根には、イソフラボンが豊富に含まれており、その量は大豆の5倍~10倍とも言われている。またダイゼイン、プエラリンといった有効成分も多い。効果ひとつひとつを列挙すると大量になるが、薬理効果を挙げると体温を上げることで発汗が促され熱を下げる・痙攣を鎮める・消化管の動きを活性化させる等がある。また、イソフラボンが多いため女性ホルモン様作用や、体を温める作用が高いことも解明されている。

漢方薬の効果

葛がメインで配合されている有名な漢方薬は「葛根湯」だろう。首や肩の痛み、初期の風邪症状、筋肉痛など、体の痛みを伴う初期感冒には効果が高い。その他、急性胃腸炎や口内炎に効く「葛根黄連黄芩(かっこんおうれんおうごん)湯(とう)」や、慢性の鼻づまり・鼻炎・蓄膿症に効く「葛根湯加川芎(かっこんとうかせんきゅう)辛夷(しんい)」、初期感冒の他に皮膚炎や湿疹に効く「升(しょう)麻(ま)葛(かっ)根(こん)湯(とう)」等、葛根は沢山の漢方薬に含まれている。本来生薬として服用しなければ効果は薄いが、葛湯等を飲むだけで体温を上げる効果はあるのだそうだ。

3. 購入の注意

手軽に葛を取り入れるならやはり葛湯が一番だ。しかし、市販品を購入する時は、その成分に注意しよう。

本葛と葛の違い

葛粉は精製に手間が掛かるため、国産の葛粉100%のものは1kgの相場が4000円~7000円と超高級品だ(小麦粉1kgの相場が200円前後)。そのため、大抵の葛製品は葛粉以外のでんぷん(馬鈴薯でんぷん等)を混ぜている。「本葛」と書いてあり、原料が「葛粉」「葛澱粉」だけの物は間違いなく本物だ。葛の効果を得たいなら本当は本葛を選びたいところだが、お財布と相談して決めよう。

吉野本葛、吉野葛とは

本葛と表記があっても、それが国産とは限らない。冷え症改善等を積極的に狙うなら国産の高品質な葛粉が一番だ。吉野本葛とは、原料が葛の名産地である吉野で精製された葛100%の物のこと。吉野葛とは、吉野葛を主原料として他の混ぜ物をしている葛粉のことだ。この場合、吉野で「精製された」葛であれば良いので、産地が国産とは限らないというややこしさが残る。こだわる人は「国産100%」と明記してある物を選ぶしかない。

結論

漢方薬として使われるほど薬効のある葛。体を温める為に気軽に取り入れられる健康食材だが、原料には要注意だ。例え100%国産の超高級葛にこだわらなくても効果が得られるが、じゃがいものでんぷんが多すぎる物では意味がない。なるべく混ぜ物の少ない葛を選びたいところである。
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  • 公開日:

    2018年1月25日

  • 更新日:

    2021年6月17日

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