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人に話したくなる!?お雑煮の地域性を見分けるポイント

人に話したくなる!?お雑煮の地域性を見分けるポイント

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

2020年1月24日

お雑煮は、お正月料理の主役の一つで、具材や味つけなど地域差が大きいことでも知られている。違う地域の出身者とお雑煮の話で盛り上がることもあるだろう。お雑煮の歴史や地方ごとのお雑煮の特色について解説しよう。

  
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1. お雑煮とは・お雑煮の歴史

沖縄を除く日本各地でお雑煮を食べる風習があるが、餅の形や具の種類、だしに至るまで、地方や家庭ごとに個性があり千差万別だ。地元で採れる食材を使っているのに、県内のどの地域に住んでいるかでも微妙に異なったり、親から子へと伝承される間に、父方と母方両方の味が混ぜ合わされたりと、進化し続けている。
そもそもお雑煮は、室町時代に貴族や武家など上層階級の間に始まったようだ。当時は宴会の最初に酒肴として提供されていた。神事のときに食べられる様になったお雑煮は、当時はお正月だけでなく、年に数回お供え物とされていた。その後、歳神様を迎えてまつる歳棚に供えた餅や供物を、お下がりとしてお正月の朝に煮て食べたのが今のお正月にいただくお雑煮の原型となっているといわれている。「神人共食」といい、神様にお供えしたものをいただくことで、神様の力を体内に入れることができると信じられてきたのだ。お正月に一年の無事を祈り食べる伝統的な日本料理に変化していったとされている。
汁の味付けも、儀礼的な酒肴として食べられていたのは味噌仕立てであったようだが、その後、醤油が出回り、江戸時代後期には、「餅吸い物」と呼ばれるすまし汁のお雑煮が一般庶民にも広がったといわれている。

2. お雑煮地域比較

お雑煮には大きく以下の5つの文化圏に分けられると分析されている。
  • 角餅・すまし文化圏:北海道・東北・関東・中部地方
  • 丸餅・赤みそ文化圏:北陸地方の一部
  • 丸餅・白みそ文化圏:近畿・中部地方の一部・四国地方の一部・中国地方の一部
  • 小豆汁文化圏:鳥取県の海岸沿いの一部地域
  • 丸餅・すまし文化圏:中国・四国・九州地方・北陸地方の一部
餅は元々「円満」を意味する丸餅が用いられてきたため、発祥の京都の食文化の影響を受けた西日本の雑煮は丸餅が基本である。
一方、江戸では、平たく伸ばしたのし餅を切って作った角餅を使うことが多い。江戸で、のし餅文化が広まったのは、将軍が「敵をのす」という意味から使われるようになったからや、人口の多い江戸ではかまどが一つしかない長屋住まいの人は餅をついて丸める余裕がなかったからと言われている。角餅はゆでるとやわらかくなりすぎるため焼いて食すようになったようだ。
雑煮の発祥地である京都は、発祥時のまま味噌仕立てとして伝わり、武家は「めでたさにみそをつける」ということを嫌って、武家が支配した地域はすまし仕立てになったとされている。
「小豆雑煮」がいつの頃から、なぜ食べられるようになったのかは定かではないようだ。

3. かわりお雑煮

前述したように、餅や汁、具の組み合わせは地域により千差万別だが、分類できないような、かわりお雑煮を食す地域もある。ここではそんな珍しいお雑煮を紹介しよう。
  • 餅なし雑煮(うちちがえ雑煮):徳島県祖谷(いや)地区で作られる、日本で唯一餅を入れないお雑煮。山深い地域でもち米収獲できないため、餅を入れず、特産の「岩豆腐」をのせる。
  • 蒸し雑煮:福岡県筑前朝倉地域で作られる、茶碗蒸しに丸餅が入るタイプのお雑煮。江戸中期、長崎に入ってきた卓袱料理の一つである茶碗蒸し料理が、当時長崎警備に当たっていた、養鶏が盛んな福岡藩に伝わり変化したものといわれる。
  • 白味噌あん餅雑煮:香川県の郷土料理で、いりこだしの白味噌仕立ての汁にあん入りの丸餅や大根、人参を入れたお雑煮。特産品として古くから和三盆を作ってきた地域であり、藩に見つからないように、お正月くらい貴重な和三盆を使ったお雑煮を食べたいという願からこのような形態のお雑煮になったといわれている。
  • くるみ雑煮:岩手県宮古地域では、すまし汁に入れた角餅を取り出し、擂ったくるみと砂糖やしょうゆを合わせたくるみダレにつけて食す。具材は三陸地方で獲れるイクラや生鮭で、岩手ではとてもおいしいことを「くるみ味がする」と表現するというほどくるみが身近で特別な存在であるという。

結論

歴史や地域性、特産物などに非常に密接な関わりがあり、個別に分化しながら伝統的を守り続けてきたお雑煮であったが、人の移動とともに、文化の混合・融合などにより、さらにお雑煮は進化することになった。それぞれの地域の良さが詰まったお雑煮は、小さな一椀でその地方の食文化が凝縮されているようで興味深い。
  • 公開日:

    2018年1月 1日

  • 更新日:

    2020年1月24日

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