1. 焼きそば発祥の地

歴史
焼きそばは、中国で生まれた料理。中国では「炒麺」と呼ばれ、広く親しまれてきた。とはいえ、とにかく広い中国。その味わいは、各地はもとより家庭でも異なり、多くの炒麺が存在する。ただ、日本でいういわゆるソース味ではなく、そのほとんどは、塩か醤油、スープだと言われている。
日本の焼きそば
日本で焼きそばが浸透したのは、終戦直後。物資のない時代にキャベツなどで麺をカサ増しし、ウスターソースで味付けしたものを闇市で販売したのが最初。これが、大評判となり、定着したようだ。その後、各地で広がりを見せ、現在では富士宮やきそばやひるぜん焼きそばなど、ご当地焼きそばも多く存在している。
分類
焼きそばは、文字通り、ソバと呼ばれる麺を焼いて作るもの。日本や中国では、中華麺が主流だが、世界各国の焼きそば事情を見てみると中華麺以外にも様々な麺を使った焼きそばがあるようだ。また、具材や味付けによっても大きくその表情を大きく変える。ここからは、世界各国の焼きそばを見ていこう。
2. 中華麺で作る焼きそば

小麦粉生まれ
中華麺や、中国発祥の麺。日本でも広く親しまれている麺の1つだ。日本で言うところの焼きそばには、ほとんどの場合この中華麺が使われる。一般的にはかん水を使って作られ、これがあの特有のコシに繋がる。意外なことに中国本土では、中華麺のほかにも多くの麺が存在することから、それほどメジャーではないと言われている。
インドネシアのミーゴレン
インドネシア語でミーは麺、ゴレンは揚げるを指す言葉。ただ、実際には中華麺を炒めて作られる焼きそばの一種だ。味付けには、ケチャップマニスと呼ばれる甘めのタレと魚醤を使う。見た目は日本の焼きそばに近いが、味わいがタレの風味が効いて甘め。卵やえび、野菜を具材に使う場合が多い。サンバルと呼ばれるチリソースをかける場合も多い。
インドのハッカヌードル
インドでも中華麺を使用した焼きそばがよく食べられている。国や宗教がら、ベジタリアンが多いことから、ハッカヌードルは動物性タンパク質抜きで作られることが多いのだとか。具材と麺を炒め、ガラムマサラと醤油のような調味料で味付けされる、スパイシーな味わいが特徴だ。
3. 米麺で作る焼きそば

米粉生まれ
主にアジアで発展した米麺=ライスヌードル。米の粉で作る麺の総称。米だけでなく、ジャガイモやタピオカなどのデンプンを加えて、食感をより良くしたものも多くある。中国や台湾、東南アジアで広く親しまれており、麺の太さや形状によって、種類も多彩。中華麺よりもポピュラーな場合も多く、焼きそばに使用されることもある。
台湾のビーフン
日本でもおなじみのビーフン。ビーフンは、中国語で米粉を意味する言葉。うるち米を原料とするライスヌードルの一種で、そうめんのように細いのが特徴。そのビーフンを炒めて作られるのが台湾の焼きそばだ。野菜やエビを一緒に炒め、塩ベースの味付けをする。
タイのパッタイ
パッタイは、日本でも馴染み深いエスニック料理の1つ。クイッティヤオと呼ばれる、やや平たい米麺を使用した焼きそばで、ナンプラーやタマリンドなどを使用し、甘酸っぱく仕上げるのが特徴。具材は、主に干し海老やもやし、ニラなど。砕いたピーナツやパクチーなどを添えて出来上がり。仕上げに、唐辛子の酢漬けをかけて食べる場合も多い。
結論
世界各国の焼きそばをご紹介してきた。大きく分けて、中華麺と米麺に分けられる焼きそば。具材、味付けによって、その表情はガラリと変わる。まずは、普段の焼きそばを世界各国の味付けで楽しんでみるのもいいかもしれない。