目次
1. シャンメリーとは?

シャンメリーとは全国シャンメリー協同組合の登録商標であり、組合傘下の企業が製造している「シャンパン風密栓炭酸飲料」のことである。似ている商品もあるが、正式な定義では「発音栓(ポンッとなる栓)」と「Chanmeryという定型の刻印があるビン」を使用しているものを指す。アルコール度数1%未満のノンアルコール飲料であるため、お酒の苦手な大人や20歳未満の子どもも飲むことができる。
シャンメリーの歴史
シャンメリーの誕生は戦後間もない1947年まで遡る。東京の飲料会社が「進駐軍が飲んでいたシャンパンを一般人でも楽しめるようにしたい」という想いから製造を始めたそうだ。誕生当初は「ソフトシャンパン」という名前で呼ばれ、主に大人向けのジュースや土産品として位置付けられていた。
その後、全国の飲料メーカーが製造を行うようになるが、子ども向けの乾杯飲料として広まり始めるのは1965年頃。現在でも製造を行っているトンボ飲料の翠田康志社長(当時)が、栓を開けたときのポンッという音や、シュワシュワとした華やかな見た目に着目する。ホームパーティーにもピッタリだと考えた翠田社長は、そのことを大手スーパーに提案して次第に販路を拡大していく。
また、ソフトシャンパンが全国的に広がる時期に、クラッカーや三角帽などのパーティーグッズの製造・販売も行われる。これも相まって、ソフトシャンパンがクリスマスシーズンのアイテムとして定着していく。これを機にブームが起こり、現在でもクリスマスの定番として親しまれることになる。
その後、全国の飲料メーカーが製造を行うようになるが、子ども向けの乾杯飲料として広まり始めるのは1965年頃。現在でも製造を行っているトンボ飲料の翠田康志社長(当時)が、栓を開けたときのポンッという音や、シュワシュワとした華やかな見た目に着目する。ホームパーティーにもピッタリだと考えた翠田社長は、そのことを大手スーパーに提案して次第に販路を拡大していく。
また、ソフトシャンパンが全国的に広がる時期に、クラッカーや三角帽などのパーティーグッズの製造・販売も行われる。これも相まって、ソフトシャンパンがクリスマスシーズンのアイテムとして定着していく。これを機にブームが起こり、現在でもクリスマスの定番として親しまれることになる。
シャンメリーの由来
誕生当時は「ソフトシャンパン」という名称であったが、「シャンメリー」と呼ばれるようになったのは1972年のことだ。これは乾杯飲料として広まり始めた1966年頃に、フランス大使館がマドリッド協定(原産地の虚偽や誤認を防止させるための国際条約)に基づき「ソフトシャンパン」に「シャンパン」という名称を使うのを禁止するよう日本外務省に求めたことが関係している。
そうした背景があり、1972年にソフトシャンパンを製造する飲料メーカーが全国ソフトシャンパン協同組合(全国シャンメリー協同組合)を設立。シャンパンの「シャン」とメリークリスマスの「メリー」をとって「シャンメリー」を考案して商品登録を出願する。1976年には登録許可が下りて、以降は「シャンメリー」という名前で親しまれるようになる。
そうした背景があり、1972年にソフトシャンパンを製造する飲料メーカーが全国ソフトシャンパン協同組合(全国シャンメリー協同組合)を設立。シャンパンの「シャン」とメリークリスマスの「メリー」をとって「シャンメリー」を考案して商品登録を出願する。1976年には登録許可が下りて、以降は「シャンメリー」という名前で親しまれるようになる。
2. シャンメリーの種類と選び方のポイント

現在もクリスマスシーズンに大人気のシャンメリーだが、実はその種類はさまざまある。「ポンッ」という音や「シュワシュワ」とした見た目は変わらないが、商品によって原材料(色)や味、炭酸の強さなどが異なるという。シャンメリーを選ぶ際には気にしてみるといいだろう。
- 原材料:マスカット(シルバー)、赤ブドウ(ロゼ/ピンク)、 シャルドネ(ホワイト)など
- 味:甘口、辛口など(基本的には甘いが、炭酸が強いと辛く感じる)
ほかにも味付けにはピーチ、イチゴ、イチゴミルクなどの種類がある。また、子ども向けのシャンメリーには、アニメキャラクターとのコラボ商品も数多く展開されている。「誰が飲むのか」「どのようなシチュエーションで使うのか」などでシャンメリーを選ぶのがよいだろう。
3. シャンメリーの開け方と注意点

シャンメリーには「発音栓」という飛び出す栓が使われているため、正しい方法で開けたり、注意点を守ったりする必要がある。また、子どもには開栓させずに、必ず大人が行うようにしよう。
シャンメリーの正しい開け方
- 包装紙を剥がす
- 手のひらで栓をしっかりと覆う
- 反時計回りにゆっくり回す
- ポンと音が鳴ったらゆっくりと手を離す
基本的に上記の方法で栓を開けることが可能だが、もし栓が固くて開けにくい場合には「布巾で栓を覆う」「ビンを回す」などを試すのもおすすめだ。また、事前によく冷やしておくと美味しく飲めるのでおすすめ。シャンパングラスに注げば、本物さながらのシャンメリーを楽しむことができる。
シャンメリー開けるときの注意点
- 栓は人や蛍光灯、ガラスなどに向けない
- ビンは振らない
- 開けかけのまま放置しない
- 音が出るまではキャップから手を離さない
- 包装紙に書かれた「栓の開け方」をよく読む
シャンメリーを開けるときの注意点は、基本的にスパークリングワインを開けるときと同じ。栓が飛び出す可能性があるため、その点に注意する必要がある。とくに開栓しきらず中途半端なまま放置すると突然勢いよく栓が飛び出すことがある。開け始めたら最後まで責任をもって開栓しよう。
4. オシャレなシャンメリーの楽しみ方とアレンジ術!

シャンメリーはそのまま飲んでも美味しいが、ひと工夫することでもっと華やかで美味しく楽しむことができる。そんなシャンメリーを使ったアレンジ方法を三つ紹介しよう。
その1.シャンメリーのフルーツポンチ
オレンジやサクランボなどのフルーツを入れたボウルに、シャンメリーを注ぐだけの簡単なアレンジ法だ。ホワイトやシルバー系の透き通ったシャンメリーを使えば、彩りもきれいなフルーツポンチがすぐに完成する。デザートを豪華にしたい場合には、ぜひ試してみたいアレンジ術である。
その2.シャンメリーのフルーツカクテル
グラスにカットしたフルーツを入れておき、そこにシャンメリーを注ぐおしゃれなカクテル風ドリンクもおすすめ。フルーツを入れることで見た目は華やかに、味は濃厚になり、非常に美味しいシャンメリーを楽しむことができる。フルーツの量は、グラスに少しだけにしておくのがポイントだ。
その3.シャンメリーのシャーベットドリンク
同じ味のシャーベットとシャンメリーを組み合わせるのもおすすめだ。シャーベットは事前にジュースを凍らせておき、スプーンで削り取ったものでよい。それをグラスに入れてから、シャンメリーを注ごう。勢いのよいシュワシュワ感と濃厚な味が楽しめるドリンクに早変わりする。
5. 主なシャンメリーのメーカーと取り扱い商品

各メーカーからバラエティー豊かなシャンメリーが販売されている。そこで代表的なものを紹介するので、購入する際はぜひ参考にしてほしい。
株式会社小原(北海道)
コアップガラナで有名な清涼飲料水メーカーだ。大人も飲みたくなるような商品が多く、ナイアガラや巨峰を使用した「プレミアムシャンメリー」、シャルドネ果汁を使用した「大人のシャンメリー」、甘さ控えめの「北斗シャンメリー」などがある。子どもには苺やりんご味の「しろくまシャンメリー」がおすすめだ。
株式会社コダマ飲料(東京都)
焼酎割り用飲料やかき氷シロップ、クラブソーダの製造元として社名を目にしたことがある方も多いだろう。昔懐かしいテイストのラムネや、しそ梅の風味が爽やかなバイスサワーなど、レトロさを感じる製品がよく見られる。シャンメリーは袋入りの金・ホワイト・ロゼ、瓶のみの白・赤、季節限定のサンタパッケージとハロウィンパッケージなどがある。
株式会社トンボ飲料(富山県)
スタンダードなトンボシャンメリーは、マスカット味とピーチ味の2種類。シャルドネ果汁とマスカット果汁を15%使用したシャルドネクイーンシャンメリーは、上質な味わいと上品なデザインが特徴だ。人気キャラクターとタイアップしたトンボパーティシリーズには、それぞれのキャラクターのメッセージカードが付いている。
ハタ鉱泉株式会社(大阪府)
子ども用ビール「よいこの泡びぃー」で御馴染みのメーカーだ。通常タイプのシャンメリー以外には、マスカット味や果汁30%タイプ、「よいこの泡シャンメリー」などがある。ひやしあめやニッキ水といった関西圏の定番商品、白酒、ご当地ラムネなど幅広い商品を取り扱う。
齋藤飲料工業株式會社(広島県)
人気キャラクターとのタイアップ商品の種類が断トツに多い。かき氷シロップやラムネの種類も多く、同様に人気キャラクターを取り入れたものもある。近年では、プロ野球チーム・広島東洋カープの「カープシャンメリー」も好評だ。
6. シャンメリーはなぜご当地モノしかないのか

クリスマスシーズンになると必ずと言ってもいいほどスーパーの店頭に並んでいるシャンメリーだが、製造元の表示を見てみるとあることに気付く。あれだけ沢山の量が一気に出回るにも関わらず、全国的に有名な大手メーカーの名前はひとつも見当たらないのだ。
ご当地モノしかない理由
意外な事実だが、法律上の決まりごとがあるというのがその理由だ。シャンメリーは「中小企業の生産分野品種」として、大企業は生産できないものに分類されている。したがって、生産できるのは、全国各地にある地元中小規模の「全国シャンメリー協同組合」に加盟している企業のみとなっている。
中小企業の生産分野品種とは
「中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律(分野調整法)」で定められている商品のことだ。たとえば、シャンメリーのほかにはラムネ、ポリエチレン詰清涼飲料、焼酎割り用飲料、ビン詰コーヒー飲料、びん詰クリームソーダが当てはまる。
分野調整法によれば、大企業の参入により、その商品を生産する相当数の中小企業の経営が脅かされる場合に、中小企業団体は経済産業大臣に「大企業に対し勧告を行うよう」に求めることができる。勧告の内容は、当該事業の開始や拡大時期の繰り下げ、当該事業の規模の縮小などがある。
分野調整法によれば、大企業の参入により、その商品を生産する相当数の中小企業の経営が脅かされる場合に、中小企業団体は経済産業大臣に「大企業に対し勧告を行うよう」に求めることができる。勧告の内容は、当該事業の開始や拡大時期の繰り下げ、当該事業の規模の縮小などがある。
結論
クリスマスや誕生日会などを盛り上げるのに役立つシャンメリー。シルバー・ロゼ・ホワイト・ゴールドなどさまざまな種類があり、中には若干のアルコール分を含むものや原材料にこだわったものもある。大人向けの炭酸がきいた辛口タイプなどもあるので、飲酒できないときのノンアルコールドリンクとして楽しんでみてはいかがだろうか。
【参考文献】
- ※:農林水産省「シャンメリーってなんですか。アルコールが入っているのですか?」
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0812/01.html - ※:全国清涼飲料協同組合連合会「シャンメリー」
http://www.e-drink.jp/chanmery/