1. 絶品焼き芋をオーブンで作る方法

さっそく、オーブンで焼き芋を作る方法を紹介していこう。用意するモノはよく水洗いした「サツマイモ」と「アルミホイル」だけでOKだ。
オーブンで焼き芋を作る手順
洗ったサツマイモは、急激な温度上昇と水分蒸発を避けるためアルミホイルで巻こう。あとは160℃のオーブンで1時間~1時間30分ほど焼くだけでよい。じっくりと火を通したいので、余熱はなしでOKだ。ただし焼き終わった後も、粗熱が取れるまではそのままにしておこう。10〜15分ほど置いて、竹串などを刺してみて柔らかければ完成だ。
2. 焼き芋を鍋で作る方法

焼き芋はオーブン以外でも簡単に作れる。ついでなので覚えておこう。
焼き芋を鍋で作る手順
やや厚手の鍋で作るのもおすすめだ。アルミホイルで巻いたサツマイモを鍋に入れて火をつけ、弱火で1時間~1時間30分加熱するだけである。加熱後はオーブン同様に粗熱を取ろう。なお、表面がパリッとしたホクホクタイプの焼き芋が好みであれば、ホイルに巻かずに作ってもOKだ。ちなみに筆者は、無水鍋を使用して作ることが多い。
電子レンジはNG?
すぐに食べたい場合、電子レンジを使いたくなるかもしれないがあまりおすすめはできない。オーブンや鍋でじっくり温める、部屋中に美味しそうな匂いが立ち込める、その待ち時間も美味しさのうちと捉えよう。どうしても急ぐ場合は、濡らした新聞紙にサツマイモを包み、600wで4分加熱したのち、150wで10分ほど加熱するとよい。
3. サツマイモの話

ここからは、サツマイモのちょっとした小話を紹介しよう。
サツマイモは熱帯生まれ
日本人に親深いサツマイモだが、実はメキシコを中心とする南米生まれの植物である。日本に伝来したのは1600年頃で、琉球から薩摩(現在の鹿児島県)にもたらされたといわれている。九州地方では、中国から伝わったイモということで「唐芋」と呼ばれていたが、江戸では薩摩藩から伝わった芋ということで、サツマイモと名付けられたという。
食物繊維が豊富
サツマイモはヒルガオ科の植物の肥大した根の部分だ。前述の通り南米原産なので、暖かいところで育ちやすい。加熱しても壊れにくいビタミンC(※1)や食物繊維(※2)が豊富な食べ物として知られている。
焼き芋向きの品種とは?
サツマイモは品種が豊富である。以前はホクホクした「鳴門金時」「紅あずま」が人気だったが、近年ではねっとりとした「安納芋」「紅はるか」も人気を集めている。ねっとりとしたタイプは水分量が多く、まるでクリームのような質感が特徴だ。
4. 焼き芋を科学する

最後に、焼き芋がなぜ甘くなるのかなどちょっとした豆知識を紹介する。
焼き芋の甘さは「βアミラーゼ」の働き
サツマイモの主成分はデンプンだが、デンプン自体に甘さはない。ではなぜ焼き芋が甘くなるのか?その秘密はサツマイモに含まれる「βアミラーゼ」という酵素にある。サツマイモのデンプンが、このβアミラーゼという酵素により糖化されることで、甘く感じるようになるのである。
βアミラーゼが活発になる温度とは
実は、βアミラーゼが活発に働く温度というものが存在する。それが「60~70℃」だ。サツマイモは収穫後、上手に保存することで甘みが増すといわれているが、これもβアミラーゼの働きによるものである。焼き芋を作るに至っても、70℃以上にならないように細心の注意を払う必要がある。
じっくり焼くことで甘くなる
βアミラーゼによる糖化は一瞬で行われるものではなく、一般的に10分程度かかるといわれている。甘い焼き芋に仕上げるにはある程度時間が必要というわけだ。糖化後もじっくりと火を通すことで、余分な水分が抜けて味が凝縮され、より甘い焼き芋に仕上がるのである。
結論
焼き芋はオーブンで簡単に作れる。ぜひ屋台のような味を追求してみてほしい。また焼き芋は冷凍保存も可能なので一度にたくさん作ってもよい。半解凍の焼き芋は、いつもとは違った味わいでクセになるかもしれない。マッシュしてサラダやスイーツを作るのもおすすめだ。今週末はサツマイモを買ってきて、屋台に負けない焼き芋を作ろう。
(参考文献)
- 1:厚生労働省「抗酸化ビタミン _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html - 2:厚生労働省「食物繊維 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html