1. アジアの鍋①
韓国
- タッカンマリ
タッカンマリとは"鶏一羽"という意味。丸々一羽の鶏を使った水炊きで、鶏エキスたっぷりの出汁スープが何とも言えず美味である。タレはニンニクや唐辛子を混ぜたもので、好みによって辛さを調節しながら食べる。タッカンマリ専門店が並ぶストリートもあるほど人気の鍋。 - カムジャタン
骨つき豚肉とジャガイモのほか、野菜や春雨などの入った鍋。豚肉の出汁にエゴマや唐辛子などで味付けた絶妙なスープが美味しく、韓国人にも観光客にも人気がある。 - チゲ
小さな鍋で出される個人用の鍋。具材と味付けによって呼び方が変わり、キムチを使ったキムチチゲ、豆腐を使ったスンドゥブチゲ、冷凍したスケトウダラ(魚)を使ったトンテチゲなどがある。尚、ラーメンやランチョンミートを使うプテチゲに限っては、個人用の鍋ではなく大鍋が使われる。
中国
- 火鍋
中国をはじめ、香港やシンガポール、マレーシアなどでも食べられる辛さが特徴の鍋。地域によって食材や味付けが異なるが、鍋を中央で分けて2種類のスープで食べるスタイルで、片方は辛く、もう片方は白湯と呼ばれる辛味のない濁ったスープが多い。マレーシアでは「スチームボート"と呼ばれている。
タイ
- タイスキ
タイでは「スキー」と呼ばれる有名な鍋料理。魚介類や肉などをスープにくぐらせて、甘辛いタレにつけて食べる。 - チムチュム
野菜をメインに肉や魚介類を入れ、小さな土鍋で食べる鍋料理。生卵と肉を絡めて入れることもある。タレは少し辛め。 - トムヤムクン
日本でも有名なタイ料理。スープとして位置づけられることもあるが、タイでは立派な鍋料理である。エビの殻と香辛料などをベースにスープを作り、エビの身とキノコ、パクチーなどを入れて食べる。
2. ヨーロッパの鍋①
スイス
- フォンデュ
「溶かす」や「溶ける」という意味のフランス語を語源とするフォンデュ。スープによって名前が異なり、チーズと白ワインで作ったチーズフォンデュは広く知られている。他にも、油を熱して串刺しにした食材を揚げて食べるオイルフォンデュ、コンソメなどで味付けしたスープに食材をくぐらせて好みのタレをつけて食べるスープフォンデュなどがある。
ポルトガル
- カタプラーナ
ポルトガル南部地方の名物で、ドーム型の銅製鍋を使う。同じくドーム型の蓋を閉じると、可愛らしい鈴のような形になる。魚介類をメインとした鍋で、魚類やエビ、貝などをふんだんに使うが、肉を入れることもある。
フランス
- ブイヤベース
ブイヤベースとは、フランス式の寄せ鍋。地中海に面した南フランスの郷土料理で、元々は売り物にならない魚介類を漁師たちが消費するために作っていた鍋料理である。香味野菜と魚介類の出汁に白ワインが加わり、更にハーブで風味付けされたスープは絶妙な味わい。 - ポトフ
フランスの定番家庭料理。ソーセージなどの肉類と野菜などを鍋に入れ、時間をかけて煮込む。おでんは日本版のポトフと呼ばれている。
3. ヨーロッパの鍋
ウクライナ
- ボルシチ
ボルシチはウクライナの伝統的な料理である。ウクライナから周辺地域に広まったと考えられているが、ロシアの郷土料理という意見もある。テーブルビートや玉ねぎなどの野菜と肉を鍋に入れ、トマトピューレやバターなどで作ったスープの中で煮込む料理。材料にルールはないが、テーブルビート(ビーツとも呼ばれる)を入れることとサワークリームを混ぜることはマストである。
イタリア
- バーニャカウダ
日本でも数年前からよく見かけるバーニャカウダ。食材自体を煮込むためではなく、ソースを温めるための鍋を使う料理だ。素焼きの鍋にアンチョビとオリーブオイル、ニンニクなどから作ったディップソースを入れ、野菜などにつけて食べる。
モロッコ
- タジン
日本でもおなじみのタジン鍋は、モロッコの郷土料理である。ドーム型の土鍋の上に、とんがり帽子のような形の蓋を乗せる独特なスタイルの鍋。これは、砂漠が多く水が貴重な地域であるため、野菜の水分を有効的に利用するために考案されたものである。肉や野菜を入れて煮込み、パンですくう食べ方が基本だ。
結論
世界の鍋料理を紹介した。寒い時期には毎日でも食べたい鍋料理。家族みんなで鍋を囲み、会話を楽しみながら体を温めよう!ちなみに、日本の鍋料理の中で人気があるのはすき焼きと寄せ鍋。子供にはすき焼きやトマトシチュー風味が人気だ。夕食メニューに迷った時には、ご参考に。