1. 普段使いのチーズと、その保存方法

まずは日常的に使う機会の多い、スライスチーズ・シュレッドチーズ・クリームチーズについて紹介しよう。この3種類は何れも冷凍保存することができる。冷凍のメリットは、何といっても長期間にわたって保存できることだ。
スライスチーズ
1枚ずつフィルムで包まれているタイプなら、そのままジッパー付きのビニール袋に入れて冷凍するだけで良い。冷蔵の場合は、個包装をはがさずビニール袋や密閉容器に入れる。一度フィルムを開けてしまったものは、賞味期限より早く使う場合でも、カビが生えてしまっていないかを確認してから食べるようにしよう。
シュレッドチーズ
加熱調理用の、細かく刻まれたチーズだ。開封後は4日~5日で使い切ることが推奨されているが、冷凍なら1カ月程は保存できる。冷蔵なら袋に入ったまま輪ゴムで縛ってビニール袋や密閉容器に。冷凍の場合はジッパー付きのビニール袋に入れ、チーズ同士がなるべく重ならないように平置きしておく。
クリームチーズ
冷凍に不向きのフレッシュチーズの仲間だが、使い切れるサイズに切ってラップで包み、ジッパー付きのビニール袋に入れておけば3、4週間ほど冷凍庫で保存することができる。冷凍したクリームチーズは解凍後のケアが重要ポイントだ。冷蔵庫でゆっくり解凍しても水分や油分が分離しボロボロになることがあり、滑らかにするために少しずつ練る必要がある。それだけでは不十分な場合は、電子レンジで10秒ずつ加熱して練っていく。冷蔵保存の場合は、切った面にピッチリとラップをしてから密閉容器に入れ、1週間以内に使い切る。ドライフルーツが入ったものは、チルド室が最適だ。
2. とっておきのナチュラルチーズと、その保存方法

先に紹介したシュレッドチーズやクリームチーズもナチュラルチーズの仲間ではあるが、ここで紹介するのは、それらよりも少々割高な本格タイプのナチュラルチーズだ。ワインのつまみに買ったり、もてなし用の料理に使ったり、使い勝手は良いが、食べきれなかった時に役立ててほしい。
ハードタイプ・セミハードタイプ
ハードタイプのパルミジャーノ・レッジャーノやチェダー、セミハードタイプのゴーダが有名だ。保存方法は至って簡単で、ラップで包んだり密閉容器に入れて冷蔵庫の中に置いておくだけだ。冷凍する際はクリームチーズと同じ方法で。1cm位の厚さに切るのが望ましい。
白カビ・青カビ・ウォッシュタイプ
白カビのカマンベール、青カビのゴルゴンゾーラやロックフォールが代表的だ。乾燥が大敵のため、冷蔵の場合はラップやオーブンシートで切り口を包み、ジッパー付きのビニール袋や容器に入れて密閉する。オーブンシートを使うとラップと違ってチーズの呼吸を止めず、ポリエチレンの匂い移りも気にならないので覚えておこう。大きな容器を使うなら、濡らした清潔なふきんや野菜の切れ端などを一緒に入れて内部の湿度を調整する。保管場所は冷蔵庫の野菜室が最適だ。濡らして固く絞ったキッチンペーパーで包み容器に入れる方法でも良い。
青カビタイプにはチルド室の方が保管に適したものもあり、他の食品にカビが移らないための注意も必要となる。またカビが灰がかった黄色になることがあるが、空気にさらしておくと青緑色に戻る場合は腐敗ではない。ハード・セミハードタイプと同じ方法で冷凍もできるが、あまり向いてはいない。
青カビタイプにはチルド室の方が保管に適したものもあり、他の食品にカビが移らないための注意も必要となる。またカビが灰がかった黄色になることがあるが、空気にさらしておくと青緑色に戻る場合は腐敗ではない。ハード・セミハードタイプと同じ方法で冷凍もできるが、あまり向いてはいない。
フレッシュタイプ
モッツァレラやカッテージ、マスカルポーネなどクリーミーな舌触りが特徴だ。保存するなら購入時のパッケージ状態を保ったまま、冷蔵庫へ。理想は5℃前後での保管だ。開封後は1週間以内に食べ切るようにして欲しいが、モッツァレラは保存液が雑菌の繁殖の元となるため、遅くとも3日程度で食べ切るようにしよう。冷凍は原則不可。
3. 残ったチーズの使い方や、オススメレシピ

冷凍したチーズ
冷凍可能とはいえ、若干ボソボソとした食感になるのは避けられない。気にならないようにするには、加熱するのが一番だ。ここでは参考レシピとして、材料のピザ用チーズを冷凍チーズに変えれば良いだけのドリアを紹介する。ライスをパスタにすればグラタンにもなる。
■材料(4人分)
鶏肉 250g
玉ねぎ 1個
にんにくのみじん切り 小さじ2
オリーブオイル 小さじ2
バター 20g
薄力粉 大さじ3
牛乳 400ml
塩 小さじ1/2
胡椒 少々
ピザ用チーズ 100g
<バターライス>
ご飯 4杯分
バター 10g
トマトケチャップ 大さじ3
塩・胡椒 各少々
■手順
■材料(4人分)
鶏肉 250g
玉ねぎ 1個
にんにくのみじん切り 小さじ2
オリーブオイル 小さじ2
バター 20g
薄力粉 大さじ3
牛乳 400ml
塩 小さじ1/2
胡椒 少々
ピザ用チーズ 100g
<バターライス>
ご飯 4杯分
バター 10g
トマトケチャップ 大さじ3
塩・胡椒 各少々
■手順
- 鶏肉を2cm角、玉ねぎを薄切りにする。バターライスの材料を合わせ、耐熱容器に平たくよそう。
- オリーブオイル・にんにく・玉ねぎを中火で炒め、にんにくの香りが立ったら鶏肉を入れる。バターを加え溶けたら、薄力粉を入れて粉っぽさが消えるまで弱火で炒める。牛乳を4回に分けて加え、その都度2分~4分煮込みトロミをつける。塩・こしょうで味をととのえたら、ホワイトソースの完成だ。
- 2とチーズをバターライスに乗せ、トースターで焦げ目をつける。
冷凍しないナチュラルチーズ
- 固くなってしまったチーズやハード・セミハードタイプ...チーズおろし器で細かくし、煮込み料理やソース、焼き料理に使う。カチコチのパルミジャーノチーズの耳にも有効。
- ブルーチーズ...市販のマヨネーズやドレッシングと合わせてサラダに。柔らかくしたバターに混ぜてパンに塗ったり、生クリームと混ぜてパスタのソースにしても美味しい。
- クリームチーズ...フレッシュフルーツを混ぜ込んだり、蜂蜜をかけるだけでも簡単なスイーツになる。そのままパンに塗ったり、他のチーズと同様の料理にも。
結論
チーズのタイプによって適した保存方法や調理方法があるということを、おわかりいただけだのではないだろうか。チーズは周りの匂いを吸着しやすい食品でもあり、香りの強い柑橘類や、にんにく・玉ネギといった香味野菜と一緒に保存することもタブーなので覚えておこう。