1. 種類
メキシコやペルーのインカ帝国などで、数千年前から食用として栽培されてきた唐辛子。熱帯では多年草で、温帯では一年草のナス科トウガラシ属の植物だ。世界中に広く知られるようになったのは、コロンブスによりスペインに持ち帰られたから。その際、コショウと勘違いしたことが、英語名でもchili pepper、 日本でも高麗胡椒などと呼ばれる背景となっている。ちなみに唐辛子の唐は、外国から入ったくらいの意味合い。中国に唐辛子が渡来するのは日本より後とされている。
自然交雑が盛んなため、唐辛子の種類は実に膨大で数百~数千といわれるほど。果実に辛みがあるものとないものとに分けられ、スパイスに用いられるのは、辛味種の方である。以下タイプ別に紹介していこう。
自然交雑が盛んなため、唐辛子の種類は実に膨大で数百~数千といわれるほど。果実に辛みがあるものとないものとに分けられ、スパイスに用いられるのは、辛味種の方である。以下タイプ別に紹介していこう。
- 乾燥してパウダー状で用いることが多いもの。果肉は薄く、辛味が強い/鷹の爪、八房、本鷹
- 乾燥してパウダー状にして用いることが多いが、辛味がない/パプリカ
- 辛味と果肉の味、両方を利用するタイプ/韓国唐辛子(最も多く出回る品種)、ハラペーニョ・ハバネロ(メキシコ原産)、ブリッキーヌ(タイ原産)、伏見辛
- 植物学上の種が違うもの/タバスコ、島唐辛子
- 辛味のない果肉を食すもの/ピーマン、しし唐辛子、万願寺唐辛子
2. 特産地と旬
唐辛子の国内消費量の大半は中国や韓国などからの輸入ものとなっている。希少な国産品の主な特産地としては、北海道、大分県、福岡県、東京都、山形県、栃木県など。唐辛子は夏から開花し実をつけ始めることから、旬は青い実がなる初夏から青い実が赤くなる秋にかけて。より辛いのは青い唐辛子で、赤くなる直前が最も辛い。赤唐辛子は生より加熱調理したり、細かくしたりした方が辛味が増す傾向にある。
また各地で以下のような在来品種の栽培も見直されている。
また各地で以下のような在来品種の栽培も見直されている。
- 東京都「内藤トウガラシ」/新宿御苑の周辺で江戸時代から栽培されていた辛味が強い。
- 青森県「清水森ナンバ」/400年以上の歴史をもつ在来種。形状は大ぶりで、ほどよい辛さ。
- 長野県「ぼたんこしょう」/ピーマン型の唐辛子。ピーマンの甘さと唐辛子の辛さを併せもつ。ぷっくりした果実の先端に溝があって、牡丹の花のように見えることからこの名前になったという。
- 京都府「万願寺唐辛子」/舞鶴地方で主に産する辛くない大型種。京野菜ブランドの火付け役。
- 奈良県「ひも唐辛子」/長さが10~15cmと、ひも状になる大和の伝統野菜。柔らかく甘味がある。
3. 選び方&美味しい食べ方
旬の時季に出回る生の唐辛子を選ぶ場合は、まず全体の色が鮮やかで表面にハリとツヤがあり、先が尖っているものがオススメ。軸の切り口が新しく、干からびてないかどうかもチェックしたい。
いつもは乾燥した唐辛子を使う料理を、生のフレッシュなものを使って調理できるのも旬ならではのお楽しみ。ひと味違うためぜひ一度お試しを。例えばペペロンチーニも生の唐辛子でつくると、香りも風味も倍増。シンプルな味なのにいくらでも食せるだろう。
ほか、オイル漬けやビネガーソース、ユズ胡椒などを作りおきしておけば、チャーハンや鍋の味付けをはじめパスタやピザのソースに、餃子のタレにと、何かと重宝。旬のフレッシュな唐辛子、活用しない手はない。
いつもは乾燥した唐辛子を使う料理を、生のフレッシュなものを使って調理できるのも旬ならではのお楽しみ。ひと味違うためぜひ一度お試しを。例えばペペロンチーニも生の唐辛子でつくると、香りも風味も倍増。シンプルな味なのにいくらでも食せるだろう。
ほか、オイル漬けやビネガーソース、ユズ胡椒などを作りおきしておけば、チャーハンや鍋の味付けをはじめパスタやピザのソースに、餃子のタレにと、何かと重宝。旬のフレッシュな唐辛子、活用しない手はない。
結論
唐辛子に含まれるカプサイシンという辛み成分は、発汗や脂肪の分解に役立つメタボ世代の強い味方。しかし、過度に摂ると胃や腸などを弱らせることもあるので、激カラには要注意。適度な辛さを料理に加えて、美味しい食卓を演出しよう。