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人に教えたくなる!?生ハムなのに「生」じゃないわけ

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

2018年10月 8日

しっとりした食感に強い塩気、高級感漂う「生ハム」。独特の香気があるため、子供の頃食べられなかった人も多いかもしれない。実際お酒のお供にすることが多いが、生ハムとは一体どこがどう「生」なのだろう。このコラムでは、普通のハムとの違いや世界三大生ハムについてご紹介する。

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1. 生ハムなのに「生」じゃない

生ハムは赤みが強く透き通っていて、確かに「生」のように見える。これはボイル(茹で加工)していないためだ。しかし、厳密に言うと生ではなく、通常のハムとの違いを認識するために日本語では「生ハム」と呼んでいるだけなのだ。

きちんと加工処理されている

口にする肉類は殺菌処理する必要がある。通常は加熱するが、加熱なら短時間で殺菌が終了する。ところが生ハムは塩分を強くして塩漬けにすることで殺菌処理しており、さらに2~3年長期熟成させて乾燥させ、その過程で菌を死滅させる。手間と時間をかけることでボイル不要の状態にしているのだ。

実は保存食

生ハムはボイルしていないが、そもそもの始まりは保存食だった。水分が抜けて乾燥した状態で、更に塩気も強いので、通常のボイルしたハムより余程長期保存にむいている。冷暗所で乾燥させながら長い時間をかけて熟成する過程が既に保存期間に入っていると言ってもいいだろう。

2. 普通のハムとの違い

普通のハムは白っぽく不透明で、明らかに加熱された外観をしている。生ハムとの違いは具体的にどの部分なのだろうか?

普通のハムは「ボイル」する

ハムは原料の豚肉を塩漬けにし、腸詰め(ケーシング)してタコ糸で縛る。その後燻煙してボイルで茹で、冷やして出来上がりだ。生ハムはボイル工程せず、燻煙も普通のハムより低い温度で1~3週間もかけて行われる。

味わい方の違い

普通のハムはもも肉メインとは言え、様々な部位が使われている。ロースハム・ボンレスハム・プレスハム等々様々だ。香辛料や調味料である程度のバリエーションもある。対する生ハムは基本的にはもも肉のみで、保存性を上げる為調味料は塩だけと非常にシンプルである。塩分が濃いので果物と食べる等の特殊な食べ方がある。特にオードブル向きだと言えるだろう。

3. 世界三大生ハム

ひとくちに生ハムと言っても、実は種類によって味や特徴が違う。ワイン好きなら聞いたことがあるかもしれないが、生ハムには「世界三大生ハム」が存在している。有名なので名前だけ知っている人もいるだろう。それぞれの特徴は一体どんな物なのだろうか。

スペイン産ハモン

ハモン、ハモン・セラーといったらスペイン産の生ハムである。スペインの山岳地帯で作られるので山のハムとも言われ、山岳の寒冷な気候を利用して1年以上熟成される。皮を剥いで塩漬けしているため塩分が浸透し塩気が強い。オードブルやサラダの他、生ハムメロン等果物との相性が抜群の生ハムだ。

イタリア産プロシュート

プロシュート、プロシュットと呼ばれ、日本では最もメジャーなイタリア産生ハムである。このハムは燻煙すらしておらず、限りなく生に近いハムだ。古代ローマ時代からの長い歴史を持ち、世界三大生ハムは「プロシュット・ディ・パルマ」というパルマ産に限られる。熟成に1~2年掛けるのが特徴で、皮つきのまま塩漬けするため塩分が低くまろやかな味わいだ。サンドイッチ等パンとの相性がいい。

中国産の金華ハム

「金華豚」という小型種に茶殻や白菜を発酵させたものを与え、穀類は一切与えず育成した豚を原料として使う生ハムだ。熟成はおよそ1年、他の生ハムより塩分も旨味も強いのが特徴のため、生ハムとしては珍しくそのまま食べることが少ない。炒め物やスープなど加熱調理に向いていて、中華料理の高級食材だ。

結論

日本で「ハム」といえば、加熱されたロースハムを指すことが多い。これに対して海外では、「ハム」と言えばほぼ生ハムのことだ。同じ生ハムでも原料によって全く違うため、食べ比べてみるのも面白い。子供には塩分の低いプロシュートをサンドイッチにするなど、特徴が分かっていればアレンジもしやすくなるだろう。

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