1. 電子レンジの利点

電子レンジで温める効果を利用して野菜の下ごしらえをするのには沢山のメリットがある。上手に使えばスピード調理が可能だ。
栄養素が残る
電子レンジは電磁波で食品の水分を振動させることで温める。このため「栄養素に悪影響なのでは?」と心配する人も居るがそんなことはない。野菜には熱に弱い栄養素であるビタミンB1、C、酵素などが存在し、これらはどんな温め方でも減少してしまう。レンジなら水で茹でていない分ビタミンCの流出が無いため、むしろ栄養素が残る。
加熱が早い
フライパン等の調理は食材の表面から温めていく。しかし、電子レンジは食材の水分の振動で温めるため、野菜は中から温まる。このため加熱効果が高く、火の通りも早い。水分振動する際に野菜の丈夫な細胞壁が壊れ、甘さや旨味が出やすくなるのも見逃せないポイントだ。
2. 電子レンジ活用のコツ

野菜を電子レンジで温めるにはちょっとしたコツがいる。慣れていないと焦げたりパサつくことがあるので、コツを知って最大限の効果を発揮させよう。
中央に置かない
ターンテーブル式の場合、ドーナツ状に置いて中央に置かない方がいい。電磁波はレンジ庫内で乱反射するため、中央が温まり難いのだ。ただし、ターンテーブルが無いフラットタイプは、加熱ムラを防ぐためにも真ん中に置こう。
乱切りにする
電磁波は「角」「とがった部分」に集まりやすい。このため、野菜を乱切りにすると加熱効果が上がる。輪切りは丸いので加熱が遅くなるし、薄切りは水分が蒸発する恐れがある。なるべく大きさを均一に乱切りにしてみよう。
塩やオリーブオイルに気を付ける
塩の粒子、オリーブオイルが付着した部分だけ過剰に熱が集まるため、その部分が焦げたり加熱ムラの原因になる。特にパラパラ振りかけただけの塩や、上から回しかけた油が注意だ。加熱後に行うか、最初に混ぜるならまんべんなくまぶすようにするといい。
食材を浮かせる
電磁波の乱反射は残念ながら食材の底には当たらない。このため、皿に割り箸を渡してその上に食材を乗せて加熱してみよう。
器は丸型を使う
乱切りの項で説明した通り、角に電磁波が集まりやすいのが電子レンジの特徴だ。器はまんべんなく温まって欲しいので丸型がベスト。角型は角だけ熱くなってしまう。
3. おすすめ野菜とレシピ

電子レンジ加熱に特に向いている野菜と下ごしらえ、おすすめレシピをご紹介しよう。
根菜類
にんじんは下ごしらえ加熱だけでなく、そのままグラッセにすることが出来る。砂糖や油をまぶす際はまんべんなくつけてから加熱しよう。ゴボウはきんぴらにすることが可能だ。根菜類意外に繊維質なタケノコ、レンコン等も簡単に下茹で出来る。水分保持するために水にぬらしたキッチンペーパーで包むか、洗った水分をそのまま加熱する。
堅い野菜を切り分けやすく
カボチャがいい例だ。電子レンジに収まるサイズのカボチャであることが前提だが、細かくする前に大ざっぱに切り分けたら、水に濡れたペーパーできっちり包んで数十秒レンジ加熱してみよう。表面に火が通るので、堅いカボチャに包丁が入りやすくなり、一口大に切るのが容易になる。
芋類
ふかし芋は電子レンジお得意分野だが、例えば里芋の皮むきを簡単にすることが出来る。里芋は泥を落として頭とお尻を少々切り落とし、水気がついたまま少し柔らかくなるまで5~8分加熱しえみよう。するっと皮がむけるようになる。
結論
いかがだったろうか。野菜は特に水分が乾燥すると失敗しやすいため、ラップやキッチンペーパーを使って調節しよう。ほうれん草等の葉物野菜が一番乾燥しやすいが、ラップでピッタリくるんで加熱し、加熱後に冷水に晒してアク抜きするといい。電子レンジを上手く使って時短に挑戦してみよう。