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コーヒーだけじゃなかった...サイフォンで淹れる紅茶も美味しい

コーヒーだけじゃなかった...サイフォンで淹れる紅茶も美味しい

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

鉛筆アイコン 2020年2月12日

コーヒー専門店や喫茶店などで見ることのできるサイフォン。コーヒーの味をダイレクトに味わうことができるともいわれるサイフォンはどんな仕組みなのだろうか。そして、サイフォンを使って紅茶やアイスコーヒーを淹れるときのポイントについても解説する。

  

1. サイフォンとは

コーヒー専門店や喫茶店などで、化学実験のような器具を使ってコーヒーを入れているのを目にしたことがあるだろう。
これは「サイフォン」とよばれる、蒸気圧の変化を利用したコーヒー抽出器具だ。
ガラス製の器具の中でコーヒーが抽出される過程が見えるさまは圧巻で、演出効果も高いといえるだろう
サイフォンは、諸説あるが19世紀のヨーロッパで発明されたといわれており、日本には大正時代に「コーヒーサイフォン」として紹介された。現在では、「サイフォン」という略称で呼ばれることが多い。
抽出器具としては手軽さにおいて劣るためドリップ式に比べると利用度は少ないものの、見た目の華やかさに加えて、ドリップ式に比べて抽出時の味のブレが少ないことと、コーヒーの香りが強く出やすくコーヒー豆の持つ味わいを一番素直に出せる方法とも評価されていることなどからも愛好家は多い。
コーヒー豆は常に熱湯に漬けられている状態のため、蒸らしと抽出を同時に行うこととなり、未抽出やムラになりにくく、しっかりと味を引き出すことが可能になる抽出法といえるだろう。
抽出されるコーヒーの味は、コーヒー豆の種類や挽き具合はもちろんのこと、抽出時間や火力・加熱時間、竹べらでの混ぜ方などによっても調整されるのだが、これらの定量化は比較的容易とされることから、コーヒー抽出液の再現性はよいとされている。

2. サイフォンでコーヒーを淹れよう

サイフォンは、上部の筒状の「ロート」と、下部の球状の「フラスコ」により構成されている。コーヒー液は以下のようにして抽出される。
① アルコールランプ(もしくはビームヒーター)に火を付け、フラスコ内に入れたお湯を火にかける。
② 円形にカットされたネルフィルター(布フィルター)を金属製のろ過機にとり付けてロートにセットし、ロートに挽いた豆を入れておく。
③ 湯が沸騰してきたらロートをフラスコにセットする。上下の容器のつなぎ目はゴムでふさいで密閉させるため真空となり、上部に熱湯が上がってくる。
④ 上部のカップ内で挽いたコーヒー粉と混ざり合ってくると、竹べらでコーヒー粉を素早く円を描くように数回拡販させ、なじませる。
⑤ 抽出が終わると、アルコールランプなどの熱源を消し、再度撹拌する。フラスコ内部が冷えると、上のカップから下部のフラスコにコーヒー抽出液が下りてくる。
⑥ コーヒーの抽出液をコーヒーカップに移す。
ネルフィルターは、そのまま乾かしてしまうとフィルターにしみ込んだコーヒーの成分が酸化し、雑味や臭いの元となる。濾過器に付けたまま煮沸して付着したコーヒーの粉を取り除いたあと、冷水を入れた容器に漬けて、冷蔵庫などで保存する。水は、清潔を保つためにも毎日変えるのを忘れないようにしよう。

3. サイフォンで紅茶やアイスコーヒー、カフェモカを淹れてみよう

① サイフォンで紅茶を淹れる
サイフォンの抽出理論は「浸漬法」とよばれ、お湯に豆を漬けて抽出する方法だ。この浸漬法は紅茶や日本茶と同じ抽出方法である。
紅茶を入れるときには、沸騰したての95度程度のお湯が適しているといわれている。これは、サイフォンで加熱して上部に上がってきた熱湯とほぼ同じ。サイフォンの上部にコーヒー豆ではなく紅茶を入れると、いつもと違った味わいが楽しめるかもしれない。
お湯が上がってきたら、温度を調節する。火力が強すぎると、上部までぐつぐつすることになり、香りが飛び、渋みが強くなる。水温が高すぎる場合は途中で差し水をしながら3分ほどキープするとよい。
なお、煎茶は高級・中級茶は中・低温のお湯で入れるとあまみやうまみが出やすいが、逆に高温では渋みや苦みが出やすくなるため、サイフォンで入れると渋みや苦みが強くなる。
② サイフォンでアイスコーヒー・カフェモカを淹れる
アイスコーヒーは通常のコーヒーよりも濃い目に入れる必要があるが、サイフォンの場合は粉の量を単純に増やすだけで、簡単に濃い目のコーヒーを淹れられるため、ドリップ式よりも扱いやすいといえる。
ロートに通常の倍量のコーヒー粉を入れ(湯の量はいつもと同量にしておくと2杯分とれる計算となる)でコーヒー液を抽出し、氷を入れたグラスにコーヒーを注ぐとできあがりだ。
チョコレートソースを仕上げに入れるカフェモカはエスプレッソで入れるのが基本だが、サイフォンで濃いめに淹れたコーヒーにあたためた牛乳とチョコレートをプラスすると、オリジナルのカフェモカの完成だ。

結論

サイフォンは、淹れるコーヒーのおいしさや、見た目からも愛好家が多いコーヒー抽出器具の一つだ。家庭用のサイフォンはセット売りをしているし、破損したパーツだけを購入することもできる。まずはサイフォンで淹れたコーヒーをお店で味わってみてはいかがだろうか。
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  • 公開日:

    2018年3月15日

  • 更新日:

    2020年2月12日

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