1. 魚の盛り付け方の基本

煮魚に限らず、日本料理には魚を盛り付ける際の作法がある。覚えておくといざという時に役立つので、この機会に紹介しよう。
頭が左
尾と頭がついた1匹の魚を盛り付ける場合は、「頭が左」。日本料理では左側を上位に考える。お箸を右で持つため食べやすいことも、理由のひとつだ。
海魚と川魚の違い
サンマやアジなど海の魚は、「腹を手前」に、アユやニジマスなど川の魚は「背を手前」に盛り付ける。「海は海腹(うなばら)、川は背せらぎ(せせらぎ)」という、これを覚えるための言葉もあるほどだ。
皮を上
切り身を場合は、皮面を上に向けて盛ること。切り身の形はさまざまだが、よく見て左から右へ小さくなるように置く。
開きは皮が上
干物などの開きの魚の場合、皮が下になるように盛り付ける。このほうが食べやすいからだ。
2. 煮魚の盛り付け方

次に煮魚の盛り付け方を見ていこう。1の作法にプラスして、美しく盛り付ける工夫が必要だ。
深さのある皿を選ぶ
煮魚は煮汁と魚の身を一緒に食べる料理。煮汁も入るような深さをある器を選ぼう。
フライ返しなどを使う
煮た魚は、煮汁を含んで大変崩れやすい。菜箸でつかもうとすると身が崩れてしまうこともあるので、平らなフライ返しなどを使って鍋から器に移そう。その際は1の作法を思い出して、尾頭付きなら頭を左、切り身なら皮を上にして、器の中央に盛り付けること。煮汁を上から、器の面積の3分の1程度に広がるようにかける。
3. 付け合わせで工夫を

全体的に茶色いので、地味な印象になりがちな煮魚。付け合わせを添えるのと添えないのとでは、見た目の印象がかなり変わってくる。
基本の付け合わせ 針生姜
煮魚の基本の付け合わせといえば、針生姜。針のようなあの細さに切るには、少しコツが必要だ。
① 生姜の皮をむき、できる限り薄く切る。
② いったん重ねたら、指で押さえてすべらせながら左へ傾斜させ、斜めに重なっている状態にする。
③ 端からできるだけ細く切っていく。
④ 冷水に10分ほど浸けてシャキッとさせる。
これを煮汁をかけた魚の中央に中央が高くなるように天盛にする。
① 生姜の皮をむき、できる限り薄く切る。
② いったん重ねたら、指で押さえてすべらせながら左へ傾斜させ、斜めに重なっている状態にする。
③ 端からできるだけ細く切っていく。
④ 冷水に10分ほど浸けてシャキッとさせる。
これを煮汁をかけた魚の中央に中央が高くなるように天盛にする。
おすすめの付け合わせ
その他にも、ボリュームと彩りをプラスする付け合わせを覚えておこう。
●魚と一緒に煮た根菜
●茹でた青菜
●わけぎとわかめを煮たもの(白身魚に)
●大根と生姜を煮たもの(赤身魚に)
●こんにゃくと山椒の実を煮たもの(味噌煮魚に)
付け合わせは魚の右手前にたてかけるようにして盛るときれいだ。
●魚と一緒に煮た根菜
●茹でた青菜
●わけぎとわかめを煮たもの(白身魚に)
●大根と生姜を煮たもの(赤身魚に)
●こんにゃくと山椒の実を煮たもの(味噌煮魚に)
付け合わせは魚の右手前にたてかけるようにして盛るときれいだ。
結論
鍋の中ではちょっと地味な煮魚も、盛り付けに気を付けたり工夫するだけで、見た目は格段にアップする。お客様に振る舞う時だけでなく、普段の食卓でもぜひ実践してみよう。