1. ひな菓子ってどんな菓子?
雛飾りへの供え物
ひなまつりは、女の子の健やかな成長と幸福を祈る行事である。美しい雛人形をこの時期だけ飾り、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物といった行事食でお祝いをする。赤(ピンク)・白・緑のひなまつりカラーをまとったひなあられやひし餅もまた、雛人形に華やかさをプラスするひなまつりの必需品だ。
ひなまつりのルーツは、中国で行われていた厄払いの儀式と言われている。この儀式が日本に伝わったのは平安時代のこと。その後、形を変え、今のように雛人形を飾るようになったのは江戸時代になってからである。長い歴史を持つひなまつりの祝い方には地域性があり、今回のテーマである"ひな菓子"は山形県ではひなまつりの必需品であり、雛飾りへ供えられる。
ひなまつりのルーツは、中国で行われていた厄払いの儀式と言われている。この儀式が日本に伝わったのは平安時代のこと。その後、形を変え、今のように雛人形を飾るようになったのは江戸時代になってからである。長い歴史を持つひなまつりの祝い方には地域性があり、今回のテーマである"ひな菓子"は山形県ではひなまつりの必需品であり、雛飾りへ供えられる。
ひな菓子は京都から伝えられた
山形は京都と関係の深い県である。東北地方の山形と遠く離れた関西地方の京都、どんな関係があるのだろうか?その昔、山形の特産品は日本海を運航する"北前船"という船で京都に運ばれていた。そして、京都からは品物だけでなく文化も持ち込まれた。そして、江戸時代。雛人形とともに京都から山形へ伝えられたものがひな菓子だ。このように、東北と関西で距離はあるものの、山形は京文化を受け継いでいる地なのだ。ちなみに、同じ東北地方であっても山形以外の県では、ひな菓子はほとんど知られていない。京都と山形の深い繋がりを感じる。
2. ひな菓子の見た目はどんな?何で作る?
いろいろな形のひな菓子
雛人形とともに京都から山形に伝えられたひな菓子。どんな姿なのかが気になるところだ。ひな菓子の見た目は、非常に色鮮やかでとてもユニークである。初めて見る人はきっと驚くことだろう。ひな菓子は、美しく色付けされた魚や花、フルーツなどをかたどっている。実物より小ぶりの魚やフルーツはなんとも言えない可愛らしさであり、食べるのが惜しくなるほどだ。ひな菓子を作る和菓子店によって異なるが、雛人形への供え物とすべく、鯛やエビ、たけのこといった縁起の良いものや、桃やさくらんぼなどのフルーツを模したひな菓子が作られる。
ひな菓子は練り切り
ひな菓子は練り切り(ねりきり)製である。練り切りは、白あんに求肥(餅粉や白玉粉などに砂糖や水飴などを加えて練ったもの)を加えて練って作る。蒸した山芋を裏ごしして作る練り切りもあるが、ひな菓子には求肥を使った練り切りが使われることが多い。練り切りは祝いの品や茶道の主菓子として供されることから、"上生菓子"のひとつとされる。
ひな菓子を作る際には、まず伝統的な木型などで練り切りを形成し、形を整え、食紅などでひとつひとつ手作業で色付けされる。寒天を表面に使い、艶感を演出する和菓子店もある。また、練り切りの中に餡を入れたひな菓子を作る地域もある。
ひな菓子を作る際には、まず伝統的な木型などで練り切りを形成し、形を整え、食紅などでひとつひとつ手作業で色付けされる。寒天を表面に使い、艶感を演出する和菓子店もある。また、練り切りの中に餡を入れたひな菓子を作る地域もある。
3. 山形県のひなまつり
最上川は雛の道
さくらんぼや米沢牛など山形の特産品は多いが、雛人形が京都から伝わった時代に山形の繁栄に大きく貢献したものは紅花である。紅花は、安土桃山時代から江戸時代までの間、染料として使われた。紅花が山形に伝わったのは室町時代であり、江戸時代に入ると最上川流域で広く栽培されるようになった。そして紅花は、最上川の舟運によって京都や大阪などの関西に運ばれ、帰りには古着などの日用品などを持ち帰った。その時に京都から運びこまれたものが雛人形である。
これらの雛人形は最上川沿いの町の豊かな家庭で飾られ、今でも多くが大切に残されている。そのため、この地域ではひなまつりを盛大に行い、「山形雛のみち」や「庄内雛のみち」などと呼ばれている。
これらの雛人形は最上川沿いの町の豊かな家庭で飾られ、今でも多くが大切に残されている。そのため、この地域ではひなまつりを盛大に行い、「山形雛のみち」や「庄内雛のみち」などと呼ばれている。
4月にもひなまつり?
山形県は、全国の中でもひなまつりを盛大に祝う地域である。神社や城、旧家などのほか、美術館や資料館、商店街、旅館、温泉など、県内の様々な場所でひなまつりイベントが開催され、京都から伝えられた歴史ある雛人形や紅花で栄えた商家が作らせた豪華な雛人形など、いろいろな雛人形を目にすることができる。そして、面白いのがその期間だ。
ひなまつりと言えば通常3月3日だが、山形には旧暦で祝う風習も残っているため、2月下旬から4月まで開催されるひなまつりイベントも珍しくない。ちなみに、鹿児島県や岡山県、山梨県、静岡県、群馬県なども4月にひなまつりを祝うことがある。
ひなまつりと言えば通常3月3日だが、山形には旧暦で祝う風習も残っているため、2月下旬から4月まで開催されるひなまつりイベントも珍しくない。ちなみに、鹿児島県や岡山県、山梨県、静岡県、群馬県なども4月にひなまつりを祝うことがある。
結論
ひな菓子について解説した。"祭り"と言っても、ひなまつりには雛人形を飾ってご馳走を食べるだけの家庭が多い。しかし、地域によっては伝統の雛人形や菓子などで盛大に祝うこともあるのだ。雛の道と呼ばれる山形のひなまつり、一度体験してみたいものである。