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意外と知らない!?納豆はなぜ藁に入っていたわけ

意外と知らない!?納豆はなぜ藁に入っていたわけ

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2019年12月17日

スーパーで見かける納豆には、プラスチックのパック容器、紙パック、藁に包まれたものがある。プラスチックや紙容器は定番だが、なぜ藁に包まれているのだろうか?今回は、納豆の起源、製造法、藁で包まれている理由を紹介しよう。

  

1. もともと納豆は藁で作られていた

納豆は大豆を蒸す、または煮て柔らかくしたものへ納豆菌を掛け、発酵して作る食べ物だ。では、納豆菌はどこに存在するのか疑問に思うことだろう。納豆菌は、空気中、土壌、植物の葉など、自然のありとあらゆるところに存在している。米を刈り取った藁にも、たくさん住み着いているのだ。納豆菌は枯草菌の一種で、学名は「Bacillus subtilis var. natto(バチルス・サブチリス・ナットー)」。納豆菌が活発に増える温度は約40℃で、乾燥・熱・酸に強い特徴がある。現在は、純粋培養された納豆菌が使われているが、昔は煮沸消毒した藁へ加熱した大豆を包んで発酵させていた。

納豆は江戸時代に、庶民の間へ広がったと考えられている。当時は量り売りされ、ザルで売られていたが、衛生面の問題から藁に包まれて売られるようになったそうだ。明治時代には、純粋培養された納豆菌ができ、藁から木を薄く削った経木で包まれるようになり、その後、現在のようなプラスチック製の容器に変化していった。藁は、納豆製造のためだけでなく、容器としても扱われていたのだ。

2. 納豆の起源

納豆の起源はさまざまな説があり、はっきりとは分かっていない。しかし、どの説も加熱した大豆がなんらかの形で納豆菌と触れて発酵し、香ばしい香りと糸を引く姿に変化したところを偶然食べたと伝わっている。日本に伝わっている納豆の2つの説と、海外で食べられている納豆から考えられている説を紹介したい。

弥生時代説

古くは弥生時代から食べられていたと考えられている。納豆の原料である大豆が中国大陸から日本へ伝わったのが、縄文時代の終わりごろ。野菜を煮炊きして食べていた弥生時代に、煮た大豆が藁に触れて偶然できた。

平安時代説

平安時代の終わりに、現在の東北地方を治めるために軍を出した八幡太郎義家(源義家)は、軍馬のエサに大豆や米を与えていた。収穫した大豆のままだと固くて食べられないため、1度煮てから日干しさせていた。それを藁で編んだ俵へ入れて運んでいたそうだ。あるとき、大豆を煮ていたら緊急事態が起こり、冷ます時間がなく、熱いまま俵へ包んだ。数日後、俵からいつもと違う匂いがし、それを見た八幡太郎義家が、食べてみたところ美味しかったため、その後食べられるようになった。

海外の納豆から考察した説

東南アジアやヒマラヤ地域でも、大豆を煮て発酵させた食べ物がある。味噌のように調味料として使ったり、日本の納豆のようにご飯へ掛けたりして食べるものもある。発酵には、藁を使う以外に、バナナ、イチジク、シダの葉などが使われている。納豆は、1つの地域で作られ始め、ほかに伝わったとも考えられる一方で、世界の納豆の作られ方をみると、各地で自然発生し、独自の進化をしたとも考えられている。

3. 納豆の製造法

現在作られている、藁納豆とパック納豆の製造法を詳しく見ていこう。藁納豆は、藁を煮沸消毒し、加熱した大豆を詰める。煮沸消毒することで、納豆菌以外の雑菌は死んでしまうからだ。パック納豆は、プラスチック容器へ加熱した大豆を入れ、水で薄めた納豆菌を振り掛ける。

納豆菌は40℃くらいの温度で活発になり、大豆のタンパク質を分解しながら増えていく。タンパク質を分解することで、大豆が消化しやすくなったり、旨味成分であるアミノ酸が作られたりする。納豆を発酵し始めてから6時間ほど経つと、納豆菌自身が熱を持ち始める。そして大豆の温度も上がり、50℃近くになると納豆特有の糸を引き始めるのだ。納豆の糸は、グルタミン酸ポリペプチドとフラクタンの重合物である。納豆は、発酵が進みすぎると、アンモニアが作られて風味が落ちてしまうため、24時間ほどで5℃以下の冷蔵庫へ移し、発酵を止める。

こうしてスーパーなどに納豆が並び、食卓に上る。
藁に包まれた納豆には2種類あり、藁に付いた納豆菌で発酵されたものと、フィルムに包まれた納豆を藁で包んでいるものだ。後者は、パック納豆と同じ製法で作られており、昔からの藁に付いた納豆菌で発酵させている商品は少ない。藁で発酵された納豆はパックに比べて、余分な水分を藁が吸収するため風味が良いと言われている。

結論

納豆を藁で包むのは、藁に住み着いている納豆菌を利用して大豆を発酵させるためだ。納豆の起源はさまざまな説があり、はっきりとはしていないが、何らかの形で偶然にできた納豆を現在でも親しんでいるのだ。
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  • 公開日:

    2018年3月22日

  • 更新日:

    2019年12月17日

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